子育て綴🌱双子入れ替わる

双子の母ゆらりんです。可愛い双子の娘は一卵性でそっくりなの。「学校で入れ替わっても絶対バレない自信がある」と話していたわけ。

「明日決行する。バレたら反省文だからよろしく」

「承知した」

そっくりの双子に生まれたのだから、やはり1度はやってみても良かろう、いやすべきであると快諾した。

思えば双子の娘たちは、幼稚園時代から、どっちがどっちか覚えてもらえずに、名前呼んで返事した方がその子、っていう感じだった。

幼稚園、小学校、中学校、そして高校。

周りから「双子」括りにされる。どっちがどっちでも、別段構わない、という扱い。改めて思うと全く気の毒である。

仲良し友人は声のトーンや表情、微妙な前髪の分け目、ホクロの位置の違いなど、ある程度それぞれが纏う雰囲気ですぐ分かるのだが、単にクラスメート、単に教科担当レベルで、軽く双子たちと接している限り、違いは認識出来ず、しようともしない。

今この席に座っているなら〇〇だろう、と個性より座標で判断されている。

朝は朝で、「おはようございます」と自分の知らない後輩に挨拶される。それぞれ自分の後輩では無いからといって無視すると「先輩に挨拶したのに返されなかった」と誤解され双子の相方に迷惑がかかるので、それぞれ「誰？」と思いつつも挨拶は返すことにしているらしい。

ある日ビクビクと後輩から「おはようございます。今日は頑張ります」と怯えられつつ言われ、「え、あ、うん。頑張って」何を頑張るのかは知らないがとりあえず励ましの言葉をかけ、相方に「どんだけ怖がられてんだ？笑」と後ほど報告。

双子たち、諦めつつ、慣れっこになりつつ、面倒くさいと思いつつ、双子ならではの対応を日々その都度しているというわけだ。

そんな双子たちが周囲の双子個性の無関心さを逆手に取り、入れ替わってみるというのだ。

ここにいるはずの〇〇が入れ替わって△△がいるとは思うまい。どうせ分からないだろう、というわけである。

大いに結構、是非やるべきである。

双子たち、それぞれ性格は全然違うし、見た目もこんなに違うのが何故分からないのだ！と家族は思うのだが、周りからはそっくりに見えるし実際そっくりであるから仕方ないのかもしれない。

例えは悪いが、魚やハムスターなども毎日世話をしていると区別がつくようになる。それと似たような感じかもしれない。

「バレたら反省文で、ママにも連絡いくからね、」

「相分かった。気にしなくて良い。思う存分やりたまえ」

というわけで、帰りのホームルームにそっと入れ替わってみたらしい。

仲良しグループの友人ひとりだけがその計画を偶然に知ってしまい、仕方なく「内緒だよ」と口止めしたそうだ。バレた理由は2人が入れ替わるのを目撃したからだ。仲良しグループのひとりであるが故に、双子たちがひそひそとメガネの交換をしているの見て「？」と感じたらしい。

「何故そちらがそのメガネ？」と話しかけた友人の口を塞ぎ、慌てた双子は「しーっ」と指を立て、その子をロッカー隅に拉致した。仕方なく計画を暴露すると「まじかー。うける。」もちろん協力するとのこと。

さてそれぞれ別のクラスのそれぞれの席に座る。

何事もなくホームルームは終了した。

計画を知っていた友人だけがホームルーム終了後、ニヤニヤ全開となっただけで(ホームルーム中真顔で過ごした)他は何も変化なし。

先生はすぐ机の脇の通路を歩き、話しかけたにもかかわらず全く気づかなかったそうだ。

あっけなく計画は成功した。

そしてホームルーム終了後仲良しグループたちが「あれ？△△？もう終わったの？」と寄ってきた。

△△のクラスのホームルームはいつも長い。

計画を知っていた友人は言った。

「入れ替わってだんだよ。」

「まじかー、いつから？」

「ホームルーム中」

「じゃ〇〇は、まだ6組でホームルーム中か　草」

「あ、メガネも違う」

「念のため交換してみた」△△が付け足す。

「教えといてよ、そんな楽しいことやるなら」

しばらくして〇〇も自分のクラスに戻ってきて

「全然バレなかった」と報告。

「そうわたしクラスに仲良い子居ないからさ」△△が自虐的に呟いた。

以上、計画実行大成功を双子たちが報告してくれた一部始終。

友人達は「親のノリいいな、羨ましい」とママを絶賛してくれたことも付け加えた。

双子には双子の苦労がある。双子も色々だからそれぞれ相方との相性もあるだろうし、大なり小なりお互いライバルとしての認識はあるはずだ。

ちなみに娘たちの学年には双子が3組いる。去年まで4組いたのだが1組は転校していった。その4組のうち一卵性は3組。どの双子もそっくりであった。

双子たち同士でも、それぞれの双子はどっちがどっちか分からんと言っており、ただハッキリしているのは、転校していった双子を除き、成績が一番下の双子は多分うちらであろうと自信を持って語った。

特進にいる一卵性はすごいと思うが成績ではいつも争わなければならないのは大変、うちらはお互い仲良く教え合い、「赤点は回避したぞ」「平均はなんとか超えた」とお互いを称え合い、傷の舐め合いができるので、特進に行かなくて良かった(行けなくて良かった)などと感想を述べた。

二卵性の双子はめちゃくちゃ仲が悪いそうで、(二卵性なので見分けがつく)ふたりの成績にも開きがあり、いつも片方が片方の悪口を声を大にして語っているとのこと。

まぁ色々な双子がいる。よそはよそ、うちはうち。とりあえず、のびのびと育ってくれているのでママは大満足だ。

そしてその後も、さりげなく入れ替わったりしているらしい。段々と度胸もついてきたようだ。

ただ今中間試験の真っ最中。

「試験は入れ替われない。」

「入れ替わっても先生違うから出題違うしな」

「さして点数も変わらないしな」

ふたりでお互いツッコミを入れ合いつつ、全然分からん、正答率低すぎ〜などと嘆いたり絶望したりしつつ賑やかに試験勉強に励む娘たちをみて、うむうむ、よしよしとドア陰からこっそり頷くママなのであった。（＾ν＾）