BUG Hoggak/OUaT Deck Guide(前編)
皆さん、こんにちは!
知らない方は、始めまして!
ゆらい(Twitter@Yurai_Found)と申します。
白猫茶房というコミュニティーにて、Legacyをプレイしています。
今回、私はBUG Hoggak[Format/legacy]の解説記事を投稿することにしました。
前、後編に分けて、内容盛り沢山で投稿します!
是非楽しんでいただければ幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。
1.Legacy/BUG Hoggakで遊ぶ理由
◆あなたが興味をもったなら
突然ですが、質問です。
◇あなたがレガシーを始めたいと思ったきっかけは何でしたか?
友達の影響で。ある動画を見て。前からずっと興味があって。
◇数あるレガシーのデッキの中で、あなたがこのBUG Hoggakを選んだ理由は何でしたか?
格好良いから。強いから。墓地利用が好きだから。
答えは、本当に人それぞれだと思います。
この記事は、「このデッキに興味をもった」そんなあなたのためのものです。
「デッキを組みたいのだけど、組んでもどうすればいいかわからない…」
もし、そんな不安をあなたが今抱いているとしたら。
安心してください。
この記事は、きっとそんなあなたのためのものです。
困った際は、是非この記事を見て活用してください。
それでは、一緒にデッキを見ていきましょう!
◆デッキの動きについて
まず最初に記載するのは、デッキの動きについてです。
BUG Hogaakは、一体デッキがどんな動きをするのでしょうか?
実際のプレイ動画をご用意しました!
是非この動画を見てみてください!
デッキの実際の動きや、強みがイメージしやすいと思います!(注:サムネはネタです)
どうでしょう?このデッキ、組みたくなっちゃいましたか?
それでは組みたいと思ったそんなあなたに、デッキ構築のお話をしたいと思います。
◆デッキを組むということ
一般的にレガシーのデッキは、どれも高いです。
構築する際も、最初から全てのカードを集めた人の方が実は少ないと思います。
「最初はWill、次にデュアルランドでしょ。最後にクリーチャー…」
このように少しずつ計画的に集めるか、もしくは自分の手持ちデッキをショップなどで売って資金を捻出することが多いですよね。
トレーディングカードの、ごく一般的なモデルだと思います。
きっと、皆さんもそんな経験が1度はあるでしょう。
◇他ゲームの視点から見た、レガシーのデッキを組むメリット
レガシーのデッキを組む際のメリットは、他ゲームより再録禁止カードや、有用な汎用カードの資産価値が落ちにくいことだと思います。
つまり、組んだデッキが自分に合わなかったときや、環境によって組んだデッキが弱体化してしまったとき、そのリスクを軽減することが出来るのです。
なので、一定の金額を高価カードに先行投資して、売って他カードに変換できるよう保険をかけて遊ぶのがかつては一般的な遊び方でした。
数年前までMTGは他ゲームより一度絶版になったシングルカードの単価が落ちにくかったため、様々なデッキで大会に出て遊べるなどと良く言われたものです。
その定義がエターナルで崩れだしたのは、2018年初頭ごろからです。
モダンの人気が高まって、それらのシングルカードが高騰し始めたことに端を発します。
その後乱発し始めた禁止改定、パワーカードの再録頻発によって、MtGのシングルカード相場が大きく乱高下する時代になりました。
それに伴って再録が禁止されている絶版カードに買い人気が集中し、それらが異常な高騰を始めたのは記憶に新しいことだと思います。
エターナルで以前のように気軽にデッキを組んだり、崩したりすることは昔に比べて難しい時代になりました。
1つのデッキを組んだら、そのデッキで遊び続けることが前提となる時代に変わってきたのです。
新しくレガシーを始めたい方がいれば、その決断も重みが増す時代へと変わりました。
私もTwitterで情報発信は良く行っていますが、こういった事情から以前ほど気軽にレガシーを人に勧められなくなりました。
しかし、こんな閉塞した状況を打破するムーブメントが界隈で起こり始めます。
◆訪れたゲーム配信の時代
新しくレガシーのデッキを組むリスクについて、そのハードルを下げるような出来事が起こり始めました。
そう、オンライン上での対戦放送の流行です。
コロナ禍により大会が開かれない間に、オンライン上でレガシーの対戦放送が流行するようになったからです。
それに伴い、興味を持ったデッキの情報が有識者の配信番組から簡単に手に入るようになりました。
デッキの情報はコミュニティによって秘匿されやすいゲーム性でしたが、それが誰にでも行き渡るよう変わったのは革命だったと思います。
そして今年は他フォーマットでの禁止改定が、更に頻発するようになりました。
これに伴い、レガシーのテーブルトップでの人気が少しずつ盛り返し始めたのです。
シングルカードの値段が動きにくい時代へ、ゆるやかに巻き戻り始めました。
コロナ禍で大変な時代ですが、今はレガシーを始めるタイミングとして実は丁度いいタイミングなのかもしれないなと思っています。
◆配信者として
実は、私もそんな対戦放送配信者の1人です。
幸運なことに、【今年配信した大会/出場した店舗大会】でBUG
Hogaakを使い【優勝/複数回の入賞】を果たすことが出来ました。
これは本当に嬉しい経験でした。
そして、それを皮切りに不思議な現象が起こり始めました。
大会で勝った際のTweet時に、様々な方々が私の名前を挙げてくださるようになったのです。
とても嬉しかったです!この場を借りて、皆さんに御礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました!
また、このデッキに対する質問も視聴者の方から数多く寄せられました。
それは、私の中で新たな課題となっていきました。
配信や動画番組だけでは、簡単に伝えられないことも多くあると感じるようになったからです。
そんな思いを巡らせているとき、友人から記事を寄稿してはどうかとアドバイスを受けました。
有名配信者の方が丁寧な記事を上げ続けているという話も同時に耳にして、私も及ばずながら同じ努力をしてみようと思ったのです。
今記事はそんな動機で、寄稿するものになります。
「憧れを持ってホガークを組みました!」
そんな方が、1人でも多く、ゲームを楽しくプレイできるようになるためにはどうすれば良いのでしょうか?
その答えを、この記事の中であなたに見つけて頂けたなら幸いです。
デッキを組んで遊ぶ理由は、自由です!
でも、私はその選択が貴方にとって心から良かったと言えるものであってほしいのです。
BUG Hogaakが、あなたにとって様々な思い出や、沢山の仲間と巡り合えるきっかけになれば良いなと私は願っています。
2.初級編:メインボードを回してみよう
では、ここからこのデッキについて解説していきます。
今回の記事は、より多くの方が分かりやすいようコンセプトを据えて編集しています。
基本が分かっているという方については、もくじの【③デッキの回し方図説】からご覧ください。
◆OUaT BUG Hogaak デッキリスト
まず、こちらが基本的なリストになります。
-晴れる屋様/サイトより引用-
※上記サイトからダウンロードすることで、マジックオンライン上にもデッキを反映させることが出来ます。
◇カードの採用理由について
カードの採用理由については、アーキタイプごとのリスクリターンを例に前後編の記事全体で詳しく説明しています。
どのカードにも、必ず裏目が存在するからです。
個々のデッキと当たった際のリスクを正しく把握して、構築の採用理由が見えるようにしています。
前後編で触れていきますので、是非少しずつ目を通して頂ければと思います。
◆BRG Hogaakについて
さて、皆さんに質問です。
ホガークデッキには大きく分けて2種類のデッキカラーがあることをご存じでしょうか?
これがその1つ、BRG Hogaakと言われるデッキです。
所謂黒赤緑/ジャンドカラーのデッキですね。
まず、このデッキについて解説をしていきます。
◇BRG型の利点
BRG型には、こんな特徴があります。
㋐クロックが途切れないこと
㋑墓地対策が効きづらいこと
㋒基本地形から安心して動けること
中盤から後半にかけて、BUG型より後続の息切れがしにくいのがBRG型最大の特徴になります。
◆BUG Hogaakについて
それでは、BUG Hogaakを見ていきましょう。
上記の環境の前後で、遅れて環境に登場したのがBUG Hogaakでした。
初出は海外だったと記憶しています。(もし間違っていたらごめんなさい)
◇BUG型の利点
BUG型の最大の特徴は、何といってもホガークと復讐蔦の召喚スピードです。
㋐ホガーク/復讐蔦を2ターン目に場に出しやすいこと
㋑面晶体のカニがいること
このような特徴があるのですが、ホガークと復讐蔦の召喚するスピードが速いことはとても大きなメリットになります。
メインボード戦で相性差のあるデッキに対して、BRG型より早くビートダウンしにいけるからです。
この爆発力が、どんなデッキにもチャンスを生み出すこと。
それこそが、このデッキの最大の特徴なのです。
詳しいことについては、㋑の理由を含め次の項で触れていきます。
◆BUG Hogaak/メリット徹底解説
では、BUG Hogaakの持つデッキの強みについて、より詳しく説明していきたいと思います。
①ホガーク/復讐蔦を2ターン目に場に出しやすいこと
メリットの1つは、圧倒的なビートスピードで様々なデッキにチャンスを生み出すことです。
皆さん、次のような例を考えてみてください。
例えばホガークが、あなたの場に2ターン目で着地したとします。
すると、ホガークの召喚に使ったクリーチャーを含め、3ターン目に10点程度のダメージが期待できますよね。
着地したのがホガークではなく、復讐蔦の場合も考えてみましょう。
その場合は、2ターン目に4点ダメージが入ります。
3ターン目にホガークが出た際と同程度の打点が期待できますよね。
現在環境にいる多数のデッキに、このスピードがあることで若干の耐性がつくのです。
つまり、デッキの回り次第でどんなデッキにも大逆転の可能性があるのです。
これが、このデッキを使う上でのメリット①になります。
②面晶体のカニがいること
もう1つのメリットは、面晶体のカニがいることです。
カニの能力が非常に有用なのです。
なぜ、この能力が強いのか?
その理由は2つです。
①追加の縫い師への供給者として、運用できるから
②この能力が、相手プレイヤーを対象に出来るから
では、詳しく解説していきます。
◇相手ライブラリーを削れるカニ
①の理由はすぐに分かると思います。
BUG Hogaakのコンセプトですしね。
②の能力はというと…、そうなんです。
実はこの能力、対象のプレイヤーへ使用することができるんです。
この能力は対象自分へ使うことが主な運用法ですが、対象相手に使ったほうが有効的に働くケースが幾つか存在するのです。
では、実際にその例を見ていきましょう。
◇面晶体のカニの能力を相手に使った方が良い場合があるデッキ
タイトルの効果が見込めるデッキは、以下2つです。
㋐奇跡(終末)デッキ
㋑Doomsdayデッキ
これらに対してですね。
どういうことなのでしょうか?
それぞれ詳しく解説していきます。
②-①奇跡(終末)デッキに対して
◇デッキ紹介
一般的にこのデッキは、青白奇跡と呼ばれています。
青白奇跡は、かつて最強の名を欲しいままにしたアーキタイプでした。
元々日本人はコントロールが好きです。
青白というカラーが大好きという民族性もあり、このデッキは長らくトーナメント環境を支配し続けました。
最近始めた方も、このカードの名前を一度は耳にしたことがあると思います。
師範の占い独楽。
EDHでは、おなじみのカードですよね。
上記の名カードがレガシーで使えた時代は、終末の登場以降常に環境を定義し続けたカードでした。
なので禁止改定で独楽を失った後、奇跡はしばらくトーナメントシーンに顔を出しませんでした。
見事な復活を遂げた背景にあるのは、このカードが再評価されたことです。
蓄積した知識。
このカードを採用した型が大会で大成功を収めたことにより、奇跡は見事な復活を遂げました。
そして、環境でまた良く見かけるアーキタイプとなったのです。
それが少しずつ変わり始めたのは、モダンホライゾンからエルドレインの王権リリース後にかけてです。
そう、皆さんのお察しの通りです。大体は彼の影響ですね。
王冠泥棒オーコ。
彼の参入により、往年の様々な名カードたちのパワー定義が入れ替わり始めました。
奇跡に採用されていたカードは、最もその被害にあったカードたちといっても過言ではないと思います。
精神を刻む者、ジェイス。
オーコがレンと6番と同じように、精神を刻むものジェイスの立場を再び脅かし始めます。
そしてテーロスの発売と共に、奇跡へこのカードが更なる試練として襲い掛かりました。
自然の怒りのタイタン、ウーロ。
このカードの登場により、コントロールはこのカードなしに語られることがほぼなくなりました。
コントロールデッキがウーロを使うことで、相手より先にマナベース、使えるマナ数、手札の枚数が有利になるからです。
これが何を意味するのか?
そう、奇跡デッキの使用者減少です。
奇跡はウーロが止めとなり、遂に緑を足したバント奇跡が青白奇跡に変わり主流となりました。
緑をカラータッチしないバージョンだと、新しいカードのパワーにデッキが追い付かなかったのです。
そして、奇跡は呪文の色拘束から、多色化するとタッチカラーでない限り序盤のマナ基盤に特殊地形を用いる展開が増えます。
不毛の大地を使うデッキへの耐性が、非常に低くなってしまいました。
結果、基本地形複数枚+デュアルランド1枚で動ける4色氷雪コントロールが奇跡に変わり隆盛し始めたのです。
こうした背景から数を減らした奇跡ですが、BUG Hogaakに対して終末は強力な有効打となり得ます。
後編でも詳しく説明しますが、カニの能力を相手ライブラリーに先に使って終末をケアするプレイングがあるということを是非覚えておいてください。
◇カニを使った対策法
それでは、カニを使うプレイングをもう少し詳しく見ていきましょう。
終末が自軍を崩壊させ得る可能性は、詳しく説明させて頂いた通りです。
相手が奇跡デッキだと気付いた場合は、面晶体のカニの能力を対象相手ライブラリーで誘発させることが時に必要になります。
◇キーポイント
ここで大事になってくるのは、面晶体のカニをどのターンに出すかです。
殆どの場合、1ターン目にこれらカードによる妨害が起こり得ます。
そのため、カニは2ターン目に設置するのが理想的でしょう。
面晶体のカニを出すタイミングが1ターン目でなければ、これらカードによる妨害をケア出来るからです。
そう、陰謀団式療法が活躍しますよね。
◇再展開するために、クリーチャーを手札や墓地に残そう
また、盤面に再展開するためのクリーチャーを手札、墓地に数枚残すこともとても大事です。
場合によっては、恐血鬼も相手エンド前や、終末が通った後に場に出せば良いのです。
奇跡相手にクリーチャーを手札から全て展開していいのは、以下の場合だけです。
①盤面にクリーチャーを展開せざるを得ない場合
②対戦相手の脅威を1度かわし終末の脅威が去った場合
奇跡に負けてしまった場合、これらのテクニックを是非合わせて試してみてください。
◇このプレイの裏目
全てのプレイには、必ず裏目が存在します。
この場合のプレイの裏目は、渦巻く知識、神秘の聖域、夏の帳を使われる可能性です。
バント奇跡には、渦巻く知識、神秘の聖域、夏の帳があるため、カニのプレイングは決して絶対のものではないのです。
なので、相手の場の確認がとても大事になります。
◇相手の場にある土地をよく見よう
この呪文が使われる可能性は、相手の場に出た土地からある程度推測できます。
なので、以下のことを踏まえて相手の場の土地をよく確認しましょう。
①相手の場に出ている土地から、何色のマナが出るか?
②相手のフェッチランドから、神秘の聖域を持ってこれるか?
③1ターン目は、渦巻く知識、剣を鋤に、どちらのパターンで動ける土地か?
特に③の見極めが大事です。
相手が先に渦まく知識をキャストする展開になった場合、カニを出す前に陰謀団式療法で相手の行動択を確認して狭められるからです。
青白のデッキに対しては、相手の行動択を狭めることがとても大事になります。
◇盤面展開を我慢して勝てる2択に持ち込もう
もし陰謀団式療法だけで相手を止められない場合は、相手の積み込んだ終末が引けるターンまで展開を我慢するのも有効です。
その場合、相手の手札に戻った終末を再度誘発させるには、2ターン目までの盤面なら渦まく知識/瞬唱の魔導士の2枚しかないからです。
4ターン目以降まで試合が伸びた場合は、神秘の聖域+渦まく知識/神秘の聖域+終末のコンボを相手が狙ってきます。
そのため、相手に終末を1度キャストさせるのも手です。
神秘の聖域は不毛の大地の影響により、バント奇跡には1枚程度しか採用されない場合が多いからです。
このカードを使ってしまった場合、相手の生命線は2枚目の違う有効牌を引き込むしかなくなります。
カニのプレイングを行う際は、上記の可能性を考えるようにしてみてください。
相手のケアする行動択が増えるため、戦いの中で相手がカニの能力を失念する時が来るでしょう。
そうなれば、ペースはこちらのものです。
②-②Doomsdayデッキに対して
◇デッキ紹介
次に紹介するのは、最後の審判を使うDoomsdayについてです。
このデッキも、禁止改定の変遷によって大きく弱体化したデッキの1つでした。
ギタクシア派の調査。
特にこのカードを独楽に続いて禁止改定で失った後は、アーキタイプのコンセプトが根本から否定されました。
そんなDoomsdayが近年大復活を遂げた背景にあるのは、タッサの神託者です。
タッサの神託者を得たこと、これに尽きます。
タッサの神託者。
このカードを最後の審判で運用することで、Doomsdayは通常の妨害手段で対処が非常に難しいデッキへと変貌を遂げたのです。
夏の帳が蔓延する環境になり、苦悶の触手を使うストームデッキプレイヤーが、Doomsdayに乗り換えるケースも増えました。
様々な要因が重なり、このデッキは最盛の時を迎えたのです。
◇デッキの強み
このデッキの強さを少しだけ紹介すると、こんな感じです。
①目くらましと手札破壊を相手より強く使える
②魂の洞窟を経由すると、妨害がほぼ効かない
③コンボパーツが墓地に依存しにくい
言ってること、滅茶苦茶ですよね。
対峙した際、戦い方を知らなければフェアデッキ側は苦しい戦いを迫られます。
このデッキの強さの片鱗が、少し見えたのではないかと思います。
◇カニを使った対策法
それでは、Doomsdayへカニを使うプレイングを見ていきましょう。
◇キーポイント
まず、このデッキの大まかな弱点について説明します。
■3という数字に何かと弱いこと
これに尽きます。
そう、秘密を掘り下げるもの、稲妻、面晶体のカニですね。
最後の審判はキャストした次のターンに勝つことが主な勝ち筋です。
それまでのライフ干渉と、ライブラリー干渉に非常に弱いのです。
最後の審判が通った後、相手の残りのライブラリーを面晶体のカニで破壊することでBUG Hogaakはゲームを有利に進めることができます。
狂気の祭壇でも、カニとほぼ同じことが出来ます。
Doomsdayには、どちらかを盤面に出すことを常に意識して動いていきましょう。
◇このプレイの裏目
このプレイの裏目は、相手の対策が多種多様に富んでいることです。
相手にはこんな返し手も存在するので、最後まで油断は禁物です。
面晶体のカニの能力を使う選択肢は、あくまでゲーム中の選択肢の1つに過ぎないことを覚えておいてください。
このデッキは行える行動パターンが広く、それを正確に知り得ない限り相手との選択肢の勝負が発生しにくいのです。
◇公開情報から2択に持ち込もう
但し、あなたにも同じようにチャンスがあります。
最後の審判で追放した公開情報は、あなたも確認できるからです。
つまり、的を絞りやすい陰謀団式療法が撃てます。
ライブラリーへの攻撃パターンをメインでケアできるとすれば、意志の力、目くらまし、次点でもみ消し。
サイド後は、赤霊破、紅蓮破だけです。
つまり、これらのカードが何枚追放されたかあらかじめ見ておくことで、相手が手札に何を抱えているのか逆算で特定出来ます。
さぁ、陰謀団式療法で相手と勝負を始めましょう。
奇跡と同じように、相手の土地から何色のマナがでるかも忘れずに見ておいてくださいね。
この場合は、青マナと赤マナですね!
長くなりましたが、これがBUG Hogaakが持つメリットになります。
3.デッキの回し方図説
ここからが前編の本題です。
このデッキのメインボードの回し方について、解説していきます。
★先手の場合
ではここで、あなたに問題です。
相手のアーキタイプが分からないものとします。
あなたの初手が以下7枚だった時、あなたが先手ならどんな順番で呪文をプレイしますか?
答えは以下になります。(↓ネタバレ注意↓)
◆先手時の基本動作
1ターン目
①むかしむかしキャスト
②セットランド汚染された三角州→Underground Seaサーチ
③入念な研究をキャストして蔦を捨てる
2ターン目
①面晶体のカニキャスト
②セットランド霧深い雨林
③墓地の落ちによって動きを変える
というのが、相手アーキタイプが分からない場合の先手時の動きになります。
何度も立ち返ることになる定石ですので、先手はこのパターンを意識してください。
◆各カード役割解説
ここからは、各カードごとの解説です。
後手の場合と合わせてお読みいただけると、より詳しくメインボードのカードの役割が分かるよう記載しました。
是非最後まで併せてお読みください。
◆むかしむかし
◇採用理由
後手編の、むかしむかしの項をご覧ください。
◇サーチ先
先手時のむかしむかしでサーチすべきカードは、上記手札の場合以下となります。
凄く大事なので、負けてしまった際は、是非立ち返ってみてくださいね。
㋐対クロックパーミッション
この手札なら土地をサーチします。
優先度は、①新緑の地下墓地②基本土地が出せるフェッチランド③霧深き雨林④Underground Sea又は沼の順です。
不毛環境では手札に3枚の土地を抱えたいため、手札が整っている場合は積極的に土地をサーチしてください。
㋑リアニ以外の対コンボ
復讐蔦か、ホガークをサーチします。
手札にそれらのカードが既にある場合は、それらを召喚するための助けとなるカードをサーチしてください。
㋒コントロール
面晶体のカニか、縫い師への供給者をサーチします。
後述する入念な研究で探すカードの優先順も、これらのカードになることが多いです。
◇むかしむかしの使い方
むかしむかしの使い方について説明します。
後述の入念な研究の落とし方と合わせて、画像の手札パターンに近しくなるよう手札と墓地を組み立てましょう。
これが、むかしむかしの主な使い方になります。
是非あなたも覚えて活用してみてくださいね。
きっと、ゲームがもっと面白くなるはずです!
◇応用編:RB Reanimaterとマッチアップしたとき
ここからは、むかしむかしの特別な使い方をお教えします。
あなたが運悪くRB Reanimaterとマッチアップした際に、知っていると役立つプレイングです!
別館の大長。
あなたはこんなカードを時に公開されることがあります。
公開された場合、殆どの場合相手はリアニメイトデッキです。
リアニメイトとは、別館の大長か、グリセルブランドを高速で場に呼び出すデッキになります。
再活性というカードの英語名が、デッキ名の由来です。
相手が別館の大長を墓地から釣り上げようとする場合、それを2ターン目に行う場合の手札なら、別館の大長の効果をむかしむかしで脱け出すことが出来ます。
◇別館の大長について
別館の大長の能力に関して、詳しく見ていきます。
別館の大長/Chancellor of the Annex
あなたはあなたのゲーム開始時の手札にあるこのカードを公開してもよい。そうした場合、各対戦相手がこのゲームで最初の呪文を唱えたとき、そのプレイヤーが(1)を支払わないかぎり、その呪文を打ち消す。
飛行
対戦相手が呪文を1つ唱えるたび、そのプレイヤーが(1)を支払わないかぎり、それを打ち消す。5/6
ホガーク側が最初に唱える呪文コストに①マナを追加で支払わないと、打ち消される誘発能力が付与されます。
このカードが公開されると、どうなるのでしょうか?
つまり、BUG Hogaakの呪文を撃ちたい順番が崩壊しますね。
あなたがむかしむかしをもし持っていたなら、このプレイングを相手に勝てそうな時だけ試してみてください。
◇キーポイント
むかしむかしをキャストし、わざとマナを支払わずに打ち消される。
なぜこんなプレイをするのでしょうか?
別館の大長の能力は、スレイベンの守護者サリアや、アメジストのとげのように呪文コストの追加支払いが強制ではありません。
つまり、呪文は唱えられるんです。
打ち消されるだけです。
こうすることで、入念な研究以後の呪文が打ち消されなくなり、プレイ順通り動くことができます。
その場合RB Reanimater相手には入念な研究は撃たない可能性もありますが、その理由についてはこの下の入念な研究の項で詳しく説明します。
これを覚えておくと勝てるマッチアップが時に発生します。
きっとあなたの役に立つ時が来るのではないでしょうか。
◆入念な研究
◇採用理由
さて、次はこのカードの解説です。
最も解説が面白いのですが、その分解説が長くなるのでご容赦頂けれ場と思います(笑)。
採用理由について、詳しく解説していきます。
◇入念な研究は本当に強いのか?
まず、この話題からですね。
このカードは、有識者から弱いカードだと良く取沙汰されます。
信仰なき物あさりと違ってフラッシュバックもなく、サイド後は赤霊破に当たるからです。
実際にそう感じることもありますが、それはこの呪文の持つほんの1面に過ぎません。
私は入念な研究は、BUG Hogaakで一番の要のカードだと考えています。
◇入念な研究が強い理由
私が入念な研究をそういう位置づけで見る理由。
それは、このカードを1ターン目に撃った場合、カウンターされる/されないに関わらずホガーク側が有利になるカードだからです。
具体的な例を踏まえつつ、詳しく解説していきます。
◇入念な研究がカウンターされた場合どうなるのか?
例えば入念な研究が1ターン目にカウンターされた場合、その後はどのようなゲーム展開になるでしょうか?
カニや、縫い師への供給者がカウンターされない確率が高くなりますよね。
逆に入念な研究がカウンターされなければ、蔦やホガークが2ターン目に場に出ることがほぼ確定してしまうでしょう。
この2択が強力なので、初手に1枚欲しいと考えています。
なので、私は4枚採用しています。
◇探査コストの稼ぎ頭として
昨年注目されたデッキに、ホガークデプスというデッキがありました。
このデッキは非常に強力なのですが、探査コストを捻出できずホガークが2ターン目に出せない場合もよく起こりました。
ハンデスから動く場合があるため、探査コストが2ターン目までに捻出できない場合があるからです。
入念な研究は、この問題を解決します。
フェッチランドから入念な研究でスタートすると、ホガークの探査コストが4枚稼げるからです。
追加のフェッチランドか、むかしむかしがあれば、あなたは探査コストについてあまり心配しないで良いでしょう。
そのため、私は4枚目の陰謀団式療法より、入念な研究を優先して採用しています。
◇相手が入念な研究をカウンターしてきたら?
では入念な研究をカウンターされた場合、相手にはどのような意図があるでしょうか?
その理由をホガーク側から、一緒に考えてみましょう。
◇相手が入念な研究をカウンターする場合
㋐相手の手札に不毛の大地があり、ホガーク側の事故を狙っている場合
㋑ホガーク側が先手で、1マリガン以上マリガンをした場合
上記の理由を元に、相手がカウンターしてくると考えます。
先手の入念な研究がカウンターされる場合は、殆どがこの2択を狙ってくる場合です。
そう、これはRUG Delverと当たった場合の話ですね。
では、RUG Delverと実際に当たったという前提で、この話を考えてみましょう。
◇対RUG Delverの場合
㋐相手の手札に不毛の大地があり、ホガーク側の事故を狙っている場合
これは良く起こり得るケースです。
ホガーク側が相手から土地を攻められることは、使っていると誰もが一度経験することだと思います。
この話には、不毛の大地の使い方の話が絡んできます。
その説明から、まずしていこうと思います。
◇不毛の大地の使い方の変遷
少し昔の話をします。
以前私の所属していたコミュニティーでは、後手の不毛起動は悪手とされていました。
1~2マナの呪文が主体の時代、後手スタートであれば呪文の質と、盤面展開で勝つことの方が重要だったからです。
しかし、これが近年大会で散見されるプレイへと変わってきました。
その理由は2つあると考えています。
◇万能マナクリーチャーの不在
1つは死儀礼のシャーマンなど、優秀で使用率の高いマナクリーチャーが環境から消えてしまったことです。
例えば、当時のグリクシスデルバー(要は死儀礼のシャーマンが入ったデルバーデッキ)をあなたが使っていた場合。
後手番の際、あなたにこんな2つの選択肢があったとします。
㋐マナクリーチャースタート
㋑不毛起動スタート
この2つの選択を天秤にかけた時、マナクリーチャースタートの方が後手側は次のターンに強い動きが出来ますよね。
当時は1マナから3マナアクションにジャンプすることが、不毛の大地を起動するよりも強い選択肢であることが多かったからです。
死儀礼のシャーマンが禁止になり、選択肢の幅が狭まったことが、その理由の1つだと考えています。
◇マナカーブの概念定着
もう一つの理由として、近年のレガシーがマナカーブを綺麗に描いてパワーカードを出すゲームに変わってきたからです。
例えばRUGに限って言えば、失った手札や盤面のアドバンテージは、戦慄衆の秘儀術師(②マナ)→王冠泥棒オーコ(③マナ)で回復することが出来ますよね。
果てはウーロまで出れくば、ゲームはRUG側有利に傾き、そこから簡単には崩れないでしょう。
そのため、相手の土地を後手1ターン目に割るプレイは、選択肢として決して悪手と言えないケースも出てきたのです。
この2つの理由により、不毛の大地はこの環境で1ターン目に起動され得ます。
◇RUG側の狙い
この点を踏まえて、RUG側の狙いについて見ていきましょう。
彼らが考えていることは、つまりこういうことです。
㋐Will+後手不毛を使って手札を3枚失った場合、ホガーク側が止まるとお互い手札の損失がほぼなくなるから
例えば、入念な研究が打ち消されて、あなたのUnderground Seaに不毛の大地が起動されたとします。
そうすると、お互いの手札枚数は
㋐ホガーク側(手札5枚)
㋑RUG側(手札5枚)
となりますよね。
あれ…、これってお互いがダブルマリガンでスタートしたのと同じになりませんか?
そうなんです。アドバンテージについて、RUG側は損失はほぼないんですね。
寧ろ、2ドローからデルバーと秘儀術師が引けたら、リソース差は大逆転です。
これが、このプレイが彼らで容認される理由の1つでしょう。
㋑2枚の新しい手札が手に入り、そのうちの1枚がパワーカードなら逆転の可能性があるから
そして、記載した後手側の2枚のドローについてのお話です。
これだけの理由があれば、Will/Negationだけキープして、後手不毛されるプレイをよく見るようになるのも当然ですよね。
逆にBUG Hogaakが、クロックパーミッションに対して土地3枚を初手に出来るだけ引き込みたい理由も、少しご理解頂けたのではないかなと思います。
話が繋がってくると、むかしむかしの重要性がよくわかりますよね。
◇後手不毛がホガーク側に及ぼす実際の影響は?
RUGを使っているプレイヤーの方は、これが一番知りたい情報だと思います。
実際に10マッチ程度、様々なRUGプレイヤーと対戦した際の話をデータ(非公開)を踏まえた上でお話します。
結果だけ見ると、実はこのプレイはRUG側の勝利に直接結びついていない場合が多いです。
理由は以下の2択をRUG Delver側が知っているかが、勝負のカギだったからです。
◇勝負の分岐点
ではその2択について、お話します。
①ホガーク側がマリガンをしているかを確認しているか?
②デルバー側が[アルカニスト+オーコプラン]ではなく、[デルバー、稲妻+アルカニストプラン]を取れるか?
この2つが鍵です。
㋑ホガーク側が先手で、1マリガン以上マリガンをしている場合
では、このケースについて上記の2択を踏まえて見ていきましょう。
MO上で私がRUGにメインボードで負けたパターンについて。
そのほぼ全てが、ホガーク側のマリガン後の初動をカウンターされて、その後に不毛の大地+秘密を掘り下げるもので攻められた場合でした。
そのパターンでホガーク側が負けた場合を考えてみましょう。
ホガーク側が1マリガン以上、マリガンしました。
そしてRUG側の手札には、秘密を掘り下げるもの、不毛の大地、意志の力が各1枚ずつあります。
その場合を想像してみてください。
すると、入念な研究が打ち消された場合
㋐不毛(①ターン目)
㋑デルバー(②ターン目)
こう動かれると、RUG側がホガーク/蔦の召喚される可能性を防ぎながら制空権を取れる可能性が出てきますよね。
これに加えて
㋒秘密を掘り下げるもの/戦慄衆の秘儀術師(③ターン目)
これらのうちどちらかを追加で戦場に出された場合、ゲームはどうなるでしょうか?
ホガーク側の勝ちの目は、ほぼないでしょう。
その場合、RUG側の稲妻が本体火力として普段通り有効打になります。
あっという間にホガーク側のライフは0です。
ホガークに苦しんでいるRUGプレイヤーの方は、是非このプランを試してみてください。
ホガーク側のプレイヤーが、色んなことを考える良いきっかけになると思います。
これらが入念な研究に対する、RUGに打ち消された場合のお話でした。
もし友人間でこの組み合わせのデッキを持っていて対戦の機会があるなら、是非このプレイに対するリスクリターンを一緒に考えてみてください。
面白い発見がきっとありますよ。
◇強いRUGにBUG Hogaakが対抗するには?
「RUGにHogaakがデータをリークしても良いのですか?」
「そんなことしないでください。」
そんな声も、当然あると思います。
でもHogaak使いの皆さん、安心してください。
ホガークを使う皆さんには、陰謀団式療法があります。
相手の思考が凝り固まれば固まるほど、陰謀団式療法で相手の考えを付いて脅威を的確に取り除くことが出来ます。
つまり、コール成功の確率が劇的に向上します。
これが私が基本的な情報を広く公開する理由です。
公開した情報は、あなたの大きな武器に変わります。
◇陰謀団式療法で失敗してしまった場合
でも、陰謀団式療法をかわされた際はどうすれば良いですか?
そんな声もきっとあるでしょう。
そう、そんな時はあのカードの出番ですね。
狂気の祭壇。
ビートプランで削り切れない場合、狂気の祭壇が通ればいつでも逆転出来ます。
この場合注意しないといけないのは、相手が稲妻を構えているかどうかです。
そう、黄泉からの橋を墓地から追放されてしまう可能性があるからですね。
デルバーを展開されコンバット戦で負けそうな場合、必ず稲妻をどうするか考えてから動きましょう。
黄泉からの橋が墓地から消えなければ、あなたは最後に巻き返して勝てる可能性があることを忘れないでください。
故にこのマッチは、上位卓では常に相手との2択になります。
相手の脅威に打ち勝てるよう、是非楽しく練習してみてください。
◇まとめ
話が長くなりましたが、これらのことを総括するとつまりこういうことです。
㋐入念な研究は、打ち消す選択にもリスクがある
㋑入念な研究は、打ち消した後の明確な選択肢がなければ弱い
先手の入念な研究が通るかだけで、相手の先のプランが推測しやすいのがご理解頂けたと思います。
もし打ち消されなければ、後続にカウンターを充てるプランを狙ってくるのです。
つまり、陰謀団式療法のコール指定がカウンターか、1マナのインスタントになります。
ホガークが出ることに対しては、意志の力か、特定の除去カードしか対抗策がないからです。
大抵のデッキには、ホガークのキャストはカウンターでしか防ぎきれない1択になります。
また、ホガークが打ち消された場合も、考えてみましょう。
そうすると、大抵の相手は意志の力を使って手札を2枚消費しています。
陰謀団式療法を用いることで、相手の手札を最大4枚消費させる可能性があることがご理解頂けたと思います。
話が繋がってきたでしょうか?
この選択肢を相手に突き付けるため、入念な研究が手札にある場合なるべく先行1ターン目に撃つことを心がけましょう。
◇入念な研究を1ターン目に撃った際の裏目
そんな入念な研究にも、以下の場合だけ1ターン目に撃った場合大きな危険が伴います。
以下のアーキタイプを目の前の相手が使っていると知りえた場合、1ターン目に入念な研究を撃つかどうかは慎重に検討してください。
◆相手がRB Reanimaterの場合
入念な研究の裏目として、先ほど説明したRB Reanimaterと当たってしまった場合が上げられます。
RB Reanimater側の手牌が悪く、相手が2マリガン以上した場合を例に一緒に考えてみましょう。
その場合、RB Reanimater側は暴露などの手札破壊を撃ち、こちらの手札にホガークがいた場合それを再活性や動く死体で釣り上げてくるでしょう。
つまり、こういうことです。
安易にホガークや復讐蔦などを手札から捨てると、相手に悪用されてしまう可能性があるのです。
相手が複数回マリガンを迷いなく行った場合も同様に、RB Reanimaterに当たった場合を考慮して動けると少しだけゲームに勝ちやすくなります。
入念な研究を撃つしかない場合、ホガークや蔦を手札に残す選択も時にアリです。
是非覚えておいてください。
◆相手が虚空の杯デッキの場合
そしてもう1つの最悪な可能性が、虚空の杯デッキとマッチしてしまった場合です。
相手の初手に虚空の杯がある場合、虚空の杯デッキは後手1ターン目に虚空の杯を置いてくる可能性が高いでしょう。
サテュロスの道探しを採用していない型のBUG Hogaakは、そうなると苦しい戦いを強いられるからです。
虚空の杯デッキをメインから対策するか否かは、環境や、出場する大会の規模によります。
現在は王冠泥棒オーコが虚空の杯デッキを強く牽制しているので、1マナドローソースを強く信頼して良いと思います。
なので、今回メインからの虚空の杯対策は考えないこととします。
サテュロスの道探しを採用しない場合、虚空の杯をどうかわせばいいかについて、一緒に考えていきましょう。
◇1ターン目の入念な研究に変わる代替案
まず、入念な研究に変わるプレイの代替案を考えてみます。
すると、こんな選択肢が考えられるのではないでしょうか?
㋐1ターン目に面晶体のカニを出す
㋑1ターン目に縫い師への供給者を出す+狂気の祭壇
これらの選択は、虚空の杯デッキに対して1ターン目に入念な研究を撃つより高い効果が見込めます。
もしあなたがカニを1ターン目に出した場合、虚空の杯デッキの嵌めパターンを回避できる可能性は高くなるでしょう。
なので虚空の杯デッキに先手が取れた場合は、このカニプラン1択を守るように動いてください。
マリガンについても同様です。
◇赤単プリズンとマッチしてしまった場合
この話は、相手が赤プリズンの時だけ変わってきます。
沼から縫い師への供給者プランの方が、相手の血染めの月に対して対抗出来る可能性があるからです。
最初に、とても悲しいお話をします。
この2択の勝負では、赤プリズン側が後出しで対応できる可能性が非常に高いです。
虚空の杯
血染めの月
罠の橋
三なる宝球
砕骨の巨人
大いなる創造主、カーン
主にこれら5~6択の中から圧倒的不利な択勝負をせねばならず、基本的に相手がこれ以外のルートを選択した場合にしか勝てないからです。
この中だと先手で唯一勝てる可能性があるのは、三なる宝球スタートの場合です。
三なる宝球だけ探査のコスト支払い時に踏み倒す手段があるので、ホガーク側が先手なら逆転出来る可能性が僅かにあります。
しかし、入念な研究から復讐蔦2枚のルートを含むホガーク側が仕掛けられる3択は赤プリズンに対してはあくまでお祈りレベルでしかないことを覚えておいてください。
赤プリズンに対しての戦い方は最も複雑になるため、ここでの説明はここまでにします。
後編をお待ちください。
◆入念な研究で墓地に積み込むカードについて
さて、話を元に戻しましょう。
入念な研究で、墓地に落とすカードの話です。
入念な研究でスタートする場合、墓地の積み込み方によって出来ることを紹介していきたいと思います。
それでは一緒に見ていきましょう。
◇入念な研究で落とすカードの組み合わせパターン
入念な研究で墓地に落とす組み合わせは、以下のようになります。
㋐墓地に復讐蔦と黄泉からの橋を落とす(復讐蔦2枚/黄泉からの橋2枚の場合を含む)
㋑墓地に恐血鬼と黄泉からの橋を落とす
㋒陰謀団式療法+[復讐蔦/黄泉からの橋/恐血鬼]のどれかを落とす
これらが、入念な研究で墓地へカードを落とす際の選択肢です。
それでは、各パターンごとに詳しく解説していきます。
◇パターン別解説
㋑のパターンは特に問題なく決まると思います。
なので、注意すべき㋐と㋒の選択肢について、解説したいと思います。
◇㋐のパターンを選んだ場合
まず、㋐のパターンについて説明します。
㋐のパターンは、対戦相手によって優先度が変化します。
これは後編で詳しく解説しますので、今はそうなんだぐらいで聞き流して頂ければと思います。
◇虚空の杯デッキに対しての㋐パターン
前編で覚えて貰いたい㋐のパターンは、虚空の杯デッキに対する復讐蔦2枚落としプランだけです。
相手が古の墳墓から虚空の杯でゲームをスタートした場合、高い確率で恐血鬼が速攻を持つため、入念な研究を一番強く使えるプランになります。
もし初動が入念な研究スタートしかない場合は、このプランを考慮してみてください。
相手が虚空の杯デッキと分かっているなら1ターン目はカニ優先ですが、手札に蔦を多く引いた場合はこちらが有効です。
場合によって、それぞれをうまく使い分けてみてください。
◇㋒のパターンを選んだ場合
次に、㋒のパターンについて説明します。
㋒のパターンは、次のターンに復讐蔦を起こすか、ホガークを召喚したいときの定石になります。
手札によって、これらのパターンを上手く試してみてください。
◇青いデッキに対する強力な落としパターン
追加の墓地パターンも、併せて載せておきます。
これらは青いデッキに対して有効な積み込み順になります。
㋓特殊ルート①:復讐蔦+恐血鬼を落とす
このルートを上記しなかった理由は、青いデッキに対しての有効な選択肢だからです。
裏を返すと、入念な研究に対して相手が時間を使いすぎた場合の選択肢として強いのです。
そう、相手がカウンターを持っている可能性が非常に高いことが、長考からバレるからですね。
なぜ、その情報が有効になるのでしょうか?
そうです。
ホガークキャストへ干渉可能な札は、Willか目くらまし/1ターン目の不毛の大地/1マナの除去しかないからです。
そのため、目くらましも次のターンに撃つ呪文へ打ち込まれることが殆どです。
つまり、カウンターは次ターンの展開次第では効かなくなるのです。
この積み込み順は相手が不毛の大地以外でエンドした場合、ホガークを引けばほぼ確実につなげられる確殺の積み順の1つになります。
上記の1ターン目不毛の大地戦略を取られた場合、土地が少ない手札なら違う積み込み順、そうでなければこの積み込み順を是非試してみてください。
現環境は虚空の杯デッキ、奇跡デッキが相対的に少ないため、基本有利にゲームを進めることが出来るはずです。
㋔特殊ルート②:復讐蔦/恐血鬼+療法を落とす
この項の初めに記載したように、陰謀団式療法で相手のWillだけ弾けば勝てるマッチが存在します。
このルートは、そんなマッチアップ時に使える応用編のお話です。
もしそうだと分かっている場合、墓地から場に誘発で出るカード+療法を墓地に置く場合があります。
何故そんなプレイをするのでしょうか?
相手がWillを持っていて、次のターン面晶体のカニを弾くと決めている場合で一緒に考えてみましょう。
例えばそのように動かれた場合、次の縫い師への供給者は目くらましが無ければ通るでしょう。
つまり、これら1マナのクリーチャーを3枚以上引いてしまった場合の話ですね。
そうです!これら1マナのカードを相手カウンターの捨て石にするのです。
縫い師への供給者がカウンターされなかった場合も、同様に考えてみましょう。
縫い師誘発から黄泉からの橋が墓地に落ちた場合どうなるでしょうか?
前方確認を行える上に、療法のマナがピッチコストで支払えますよね。
その場合、ほぼ貴方の勝ちです。
ホガークはこれらの青に強いルートを使い分けることで、勝敗が分かれることがあります。
場合によって使いわけらるようになると、プレイの幅がグっと広がりますよ。
◆応用:陰謀団式療法を強く使おう(療法階段)
ここからは、更なる陰謀団式療法の使い方になります。
入念な研究と一緒に考えることが多いので、あえてこの項目に一緒に纏めました。
内容は正直中級者以上の方向けで、初めて組まれた方などについて最初のうちは少し理解が難しいと思います。
振り返ると必ず新たな発見がありますので、慣れたと自分で感じた際に是非この項目を一度読み返してみてください。
必ず、更なるレベルアップに繋がります。
ではその使い方について、詳しく解説していきたいと思います。
◇療法階段とは?
療法階段とは、連続、または順次に陰謀団式療法を続けて撃つプレイングのことを言います。
療法階段を適所を見極めて扱いこなすことで、BUG Hogaakはさらにもう一段階強力なデッキに進化します。
慣れてきたら、是非友好的に活用してみてくださいね。
◆陰謀団式療法対象自分
◇2ターン目中に復讐蔦/ホガークを同時キャストするルート
2ターン目に、①~⑥の順で呪文をプレイします。
①陰謀団式療法対象自分/コール復讐蔦
②縫い師への供給者キャスト
③黄泉からの橋が墓地へ落ちる
④陰謀団式療法対象相手(対象自分のことがあります)
⑤ホガークへ繋ぐ
⑥復讐蔦誘発
このルートは意外と現実的で、大会でもよく見るルートですね。
復讐蔦が2枚手札にある場合、わざと入念な研究で落とさない選択をした際強力なプレイングになります。
◇探査強制達成を狙うルート
2ターン目以外でホガークをキャストする場合を含みます。
同様に、①~⑤の順で呪文をプレイします。
①陰謀団式療法対象自分/コール恐血鬼
②フェッチランドセットから恐血鬼を上陸させる
③陰謀団式療法対象自分/コール手札の2枚札
④フェッチ起動、ランドセットで恐血鬼を再度上陸させる
⑤ホガークへ繋ぐ
このルートはレアです。
40マッチに1回あるかどうかぐらいのルートですが、知っているだけで勝敗に直結することがあります。
例えば、以下のケースを例に考えてみましょう。
◇起こり得る3つのケース
①1ターン目の縫い師への供給者/面晶体のカニが対処され、不毛の大地を受けた際。2枚目以降の不毛の大地がケアできない手札の場合
②手札のフェッチランドが霧深い雨林で、次のターンに沼を持ってこれない場合
③自分がUnderground Sea/もしくは沼からスタートしていて、クリーチャーがカウンターで対処された場合
この場合、相手の不毛の大地2枚プランが強力になります。
これを逆手にとって2ターン目にホガークの召喚を狙うルートになります。
ホガークの召喚に成功すると、RUG側が逆にテンポを失って負けます。
大抵は別のプランの方が強いため滅多にこのルートは選択されませんが、どうしようもない未来が見えた際このルートを使うことで逆転できることがあります。
もしメインボードでホガークがマナスクリューに陥ると負ける手札の際は、是非一度この選択肢も一緒に考えてみてください。
①カウンターがある/ない
②目くらましはケアできる/Wilはケアできない
この2択にあなたが勝つことができれば、そのゲームを逆転することが出来るでしょう。
卓を畳む前に、この可能性を一度是非考えてみてください。
③恐血鬼→黄泉からの橋ルート(ビートプラン)
このルートは、場に4点程度のクロックを作って、相手のブロックの選択肢を弱くするというものです。
そう、赤が濃いデッキに対して非常に有効ですね。
④黄泉からの橋→恐血鬼の順に墓地に落とすルート
手札に2枚以上の陰謀団式療法があるときに、有効なテクニックです。
例えば、陰謀団式療法2枚、恐血鬼2枚、土地2枚、黄泉からの橋1枚が初手にあったとします。
手札の療法を1ターン目、2ターン目に連続して自分に撃つことで、インチキ臭いムーブが出来ます。
これが成功すると、こんなことになるんです。
①手札のムラを整理できる
②5マナ程度マナを使わずに呪文がキャスト出来る(加速できる)
③盤面をパワー2のクリーチャー/4体以上で固められる
このルートの強さが分かるかなと思います。
手札に縫い師への供給者、カニがいなくても、強いムーブがあるわけです。
◇追加応用ムーブ(療法の決め打ち)
この時、併せて覚えておくと強力なのが、狂気の祭壇を引いた際のぶん回りムーブです。
初手:陰謀団式療法2枚、恐血鬼2枚、土地2枚、黄泉からの橋1枚
上記手札7枚スタートの際、フェッチランドを先切りした場合30%程度の確率で祭壇を引き込むことが出来ます。
このムーブを否定出来るカードは、意志の力、否定の力、目くらまし、呪文貫き、稲妻だけです。
これを予め覚えておくと、療法のフラッシュバック時対象相手のコールは/①意志の力/②稲妻が決め打ち出来ます。
1ターン目の療法をカウンターされないと以下のことが推測できるからです。
㋐否定の力がもしあるなら、大抵は1枚目の療法へ撃たれるから手札にないだろう
㋑目くらましはターン経過で土地を引けばケアでき、呪文貫きは療法に向けてキャストされるはずだから指定しなくていいだろう
こんなロジックが成り立つからです。
そのため、このルートを用いた時、陰謀団式療法が決め打ち出来るわけです。
◇追加応用ムーブ(フェッチのディレイアクティベート)
次の応用ムーブとして、相手エンド前にフェッチを起動して、恐血鬼を出すルートがあります。
これが、フェッチのディレイアクティベートです。
①相手エンド前にフェッチを起動
②ドライアドの東屋を含めた9点クロックで殴る
こんな選択肢を作ることが出来ます。
そして、1ターン目の陰謀団式療法が場の沼から通った場合、こんなロジックが成り立ちます。
①不毛の大地の無効化
この場合の東屋は破壊すると、ゾンビトークンに変わります。
なので、2ターン目以降に不毛を撃っても実質的にそのプレイの意味がなくなります。
②目くらましの2択消滅
1ターン目にデルバーが動いてこなければ、以下の可能性が高いです。
㋐手札に2マナ圏のカードがいる可能性
㋑目くらましを撃った場合、療法の指定範囲が狭まる可能性
これを見ると分かる通り、1ターン目の療法が通った場合、高い確率で妨害を裏目に変えられます。
後続の療法が目くらましされても、東屋から4点クロックを精製できるのは強い動きですよね。
もし相手が妨害札しか手札にないのであれば、あなたの勝利はもう目前でしょう。
一石二鳥のムーブなので、是非上手く活用してみてください。
きっと、相手が嫌がること請け合いです。
◆フェッチセットエンドのブラフ
これは一体、何を意味するのでしょうか?
そうです。次のターンに沼絡みの土地が引けた場合、療法階段などで行うと強いムーブですね。
つまり霧深い雨林スタートの時に使えるテクニックになります。
コンボとの対戦では、やり取りをある程度理解しているとこんな試合展開になることが良くあります。
ゲーム1に勝てない場合、情報公開前に素早く投了し、ゲーム2を最小限の情報で戦う択も上手く考えてみてください。
療法階段と2択を考えることで、勝てるマッチアップが劇的に増えますよ。
◇実際の療法階段を見てみよう
実際に療法階段を行ったプレイ動画を作成しましたので、イメージが湧かない方は是非こちらも併せてみてください。
なんとなく、理解して頂けると思います。
◇療法階段の裏目
最後に療法階段の裏目について、説明して次の項に移りたいと思います。
この選択肢で難しいのが、素キャストしやすい恐血鬼を墓地に落とすかどうかです。
つまりメインボードでのゲーム時、3マナまで土地が伸びた場合のことです。
復讐蔦を3ターン目に起こす際に、恐血鬼を3ターン目に手札からキャストする場合がありますよね。
この場合だけ、療法階段の裏目が出ます。
また、相手が手札破壊を抱えていた場合に良く裏目が起こります。
そうです。グリクシスデルバーや、黒いデッキ相手ですね。
デスシャドウや、黒いデッキと当たった際は、自分に手札破壊を撃つと裏目があることを常に意識してください。
ここまで理解すれば、きっとあなたも療法階段を使いこなせるはずです。
◇おまけ:メインボードの墓地対策ケア方法
これは後編で特定アーキタイプの解説の際にも記載します。
困った際などに、是非一度立ち返ってみてくださいね。
㋐墓地のカードを墓地から使って消しておくこと
これは、療法とホガークの探査コストの話ですね。
上手く使うと、ホガークは墓地対策を簡単に乗り越える助けになります。
漁る軟泥。
特にこのカードが来そうなときは、出来るだけ墓地を消費しておくと効果を使う先を絞れるのでこのカードを弱体化出来ます。
緑の太陽の頂点から1枚刺しを引っ張ってこられることが殆どなので、陰謀団式療法と合わせてその可能性を無くしていきましょう。
㋑誘発能力で再度誘発能力をスタックに積むこと
これは、恐血鬼の話です。
療法指定自分からコール恐血鬼が通った後の話をしましょう。
例えば恐血鬼の上陸能力を誘発させた後、恐血鬼が外科的摘出された場合。
フェッチ起動から、上陸を再度スタックに積めますよね。
こうすると、対象を取る墓地対策は対象不適正で打ち消されます。
稀にメインから外科的をキャストする人もいますが、良くみるカードはこのカードです。
塵へのしがみつき。
特にこのカードを一番見る可能性が高いです。
相手とトラブルになりがちなので、誘発宣言と、キャストした時の対象をお互いにきちんと話せるようになりましょう。
困った際は、是非この記事に立ち返ってみてください!
㋒先に相手にボジューカの沼を使わせる
最後に、輪作やエルフの開墾者からのボジューカの沼をキャストされる可能性の話です。
このカードの可能性を感じたら、陰謀団式療法がなければ入念な研究で強い札を墓地に落としましょう。
先にこのカードを相手に使わせてしまえば、あとはいつも通りやるだけです。
黄泉からの橋だけ追放されるとリスクがあるので、黄泉からの橋は墓地に先に落とさないようにしましょう。
このあたりが、このデッキの駆け引きで面白い部分になってきます。
皆さんもどうプレイするのが正解だったか考える際に、色々な可能性を考えてみてくださいね。
きっと面白い気付きがあるはずです。
◆面晶体のカニ
◇採用理由
このカードの解説については、対奇跡、対Doomsday、虚空の杯の対策項を参照ください。
採用する具体的なメリットを詳しく説明しています。
◆縫い師への供給者
◇採用理由
満を持して、このカードの登場です。長かった(笑)。
勘の良いあなたはもうお気づきかもしれませんが、このデッキではこのカードがカウンターされにくい状況が作られます。
つまり、ホガークへ繋がる可能性を上げてくれるカードとして文字通り機能しやすいのです。
記載したセオリーが頭に入ってきて、それ通りに動けたときの理由を見れば納得ですね。
先手時のこのカードは、まさに無敵です。
しかし、後述する後手時の状況下では、使う順番が勝敗を分ける重要なカードになります。
後攻編で、その理由について詳しく述べていきたいと思います。
◆狂気の祭壇
◇採用理由
さて、皆さんの評価が一番高いカードについての説明です。
でも、実際ここまで読んで頂くと、このカードが青いデッキのメイン戦と苦手デッキへの追加の勝ち手段でしかないのが良く分かると思います。
理論としては、魔の魅惑デッキの魔の魅惑に近いイメージですね。
無くてもデッキは機能します。
なので、青いデッキに対してサイドアウトすることは現実的な選択肢になります。
なのに、何故メインボードに4枚もこのカードを採用しているのでしょうか?
それは、後述のミラーマッチのせいです。
◆メインボードのミラーマッチで勝敗を分ける鍵
ミラーマッチの鍵は、先に祭壇が置けるかどうかです。
ビートダウン対決になった場合、先攻後攻で明確な有利不利があまりないからです。
つまり、先に祭壇コンボを決めた方が、勝つ確率が非常に高いのです。
なので、以下の2択が重要になってきます。
㋐2ターン目に最速で祭壇を置く
㋑療法対象相手、指定狂気の祭壇
もしあなたがホガークミラーに当たってしまった場合、先手2ターン目までに相手より先にこのカードを場に置くことを意識してみてください。
メインボードでの勝率がぐっと上がるはずです。
ここまでが先手編になります。
何となくお分かりいただけたでしょうか?
★後手の場合
では後手の場合を記載していきます。
今度はこんな手を考えてみました。
この場合、先手と同じように最適な動き方を考えてみてください。
答えは以下になります。(↓ネタバレ注意↓)
では正解を見ていきましょう。
◆後手時の基本動作
実は、先手時の基本ムーブは、後手では場合によって使えません。
相手によって、その答えが様々に変化するのです。
このデッキが当初国内で評価が低かった理由のひとつは、これだと私は考えています。
上位卓と、下位卓で動き方、回し方が著しく変わるため、ここがメインボード時に最も差が出やすいポイントになります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
◆後手時のむかしむかし
◇採用理由
むかしむかしをメインに採用する最大の理由は、この2つです。
①ホガークの探査コストを稼ぐため
②後手時の受けを広げるため
これが理由です。
例を踏まえて、この理由について解説していきます。
◇探査コストとピッチスペルのシナジー
皆さんは、かつてこんな2枚コンボが存在したことをご存じでしょうか?
そう、感染デッキの強大化です。
強大化+ギタクシア派の調査で、ほぼ相手に挽回不可能なダメージを与えられたんです。
かつては私のメインデッキでした。
強かったなぁ…(懐)。
…でも、あれ?
そういえばこれらのカードに似たギミックをあなたもどこかで見かけたことありませんか?
そう、ホガークと、むかしむかしです。
ホガークでやっていること、これと全く同じですよね(笑)。
私がむかしむかしを重要視する理由は、探査スペルを高速でキャストできるからです。
ピッチスペルがあると、手札が減らずに探査コストが増やせます。
これこそが、このカードを採用する大きな理由の1つです。
◇後手時の受けが広がる
そしてこのカードを採用するもう1つの理由が、後手時の受けを広げられるからです。
皆さんも、お気付きになったことがあるのではないでしょうか。
…そう、後攻1ターン目の霧深い雨林スタートがとても弱いということに。
唯一の利点は、上記したブラフをかけやすい点だけでした。
しかも最近は、RUG Delverが雨林の採用を減らしているので、それを知っているプレイヤーに対しては全くブラフになりません(涙)。
この場合に、沼、または沼に繋がるフェッチランドを探せるカードがあったとしたら?
最高ですよね。
つまり、むかしむかしです。
この使い方は、クロックパーミッション、特にRUGや、エスパーバイアルと対戦する際に勝敗を分けることがあります。
時に1ターン目の動きをパスすることも大事な選択肢です。
基本的なサーチ先はそんな感じです。
しかし、後手時は相手情報が先に公開されます。
相手のリストや、定石の動きを知っていると、先手時のサーチ先一覧が必ず生きてきます。
繋がってきましたね!
むかしむかしを採用する最大の理由は、このスペルの後出しキャストがとても強力だからです。
ご理解いただけましたでしょうか?
◇応用編:有効なクリーチャーが墓所這いしか見えなかった場合
墓所這いは、最初は良くサイドアウトされがちです。
サイド後に祭壇コンボの可能性を残したいから。それがその理由でしょう。
このカードが3枚になっているリストもよく見かけますが、私はこのカードは後手時に1番重要なカードだと考えています。
そう、このカードにカウンターを切る理由が薄いからです。
なので、後手の場合わざとこのカードからスタートを切る場合があります。
ホガーク後手時、青いデッキ相手にどのカードでスタートすべきか迷った際は、沼から墓所這いをキャストしてみてください。
そうすれば、少しずつあなたに優位が傾いていくでしょう。
◆各デッキごとの理想的な動き方について
ここまでお読みいただいなら、ホガーク側後手時に勝敗の鍵を握るのは打ち消しと手札破壊だとご理解頂けたはずです。
これらが的確に噛み合って動かれると、BUGホガークは簡単に負ける場合があります。
後手時はごまかしながらこれらとどう上手く付き合うか、というのがゲームの主題になります。
◆フェアデッキに対しての1ターン目の動きについて
1ターン目の卓で強力なのは、相手がコンボでない場合以下になります。
①フェッチエンド(白系のデッキにだけは、次点でUnderground Seaエンド)
②沼から縫い師への供給者(相手がパーミッションなら墓所這い)
③沼、Underground Seaから陰謀団式療法(対象相手/もしくは自分)
相手がコンボかどうか見分ける方法は、後編を参照ください。
㋐相手が白いデッキの場合
◇4C Control
デッキパワーが最も高いのは4Cコントロールなので、そこから解説したいと思います。
4Cに対しては、実は先手と全く同じプランで構いません。
理由は、相手が不毛の大地を有していないからです。
相手が霧深い雨林/虹色の眺望からアーカムの天測儀でスタートした場合は、全力で展開して早期決着を目指しましょう。
◇4C攻略のポイント
相手のホガークに対する優位戦略は、初動カウンターからのウーロだけです。
その場合、手札にどれだけカウンターがあるかに目が行きがちなのですが、ピッチカウンター1枚だけなら約50%/ドローソースを含めると約70%程度で実現できます。
なので、相手がスタートしてきやすいパターンは、思案定業スタートです。
上記のフェッチランドから動かれた場合、先手のセオリー通り動いてください。
次が剣を鋤にを構えているパターンです。
カニスタートはこの場合2ターン目からになるので、その場合はノータイムで相手にターンを返しましょう。
奇跡デッキと対応方法は同じです。
アーカムの天測儀スタートの場合、相手のブルーカウント維持か、もしくは2マナ除去を構える布石です。
突然の衰微を疑ってください。
1ターン目に渦まく知識を撃った場合は、相手の初手の土地が少なく、ピッチカウンターが多い場合です。
1マリガン時のキープであることが多いですね。
こんな可能性をそれぞれ疑ってみてください。
このことを知っていると、ホガーク側は1マナ/もしくはピッチスペルを3回撃てば相手の戦略が破綻しやすいという結論に辿り着きますよね。
むかしむかしが、ここでも重要な意味を持ってきます。
繋がってきましたよね。
◇Death&Tax
次は白いデッキの中で構築価格帯と強化パーツが安価で強い、Death and Taxを紹介します。
他フォーマットで磨いた技術を一番繁栄させやすいデッキなため、トーナメントで見かける頻度は高いと思います。
上記した①フェッチエンド、③沼、Underground Seaから陰謀団式療法は、Death and Taxや、エスパーバイアルに有効なテクニックです。
それらの違いは、マナ拘束手段が多いか、少ないかの違いでしかありません。
平地エンド/平地から薬瓶のときは、基本的にこのデッキからあたりを付けていきましょう。
◇Death&Tax攻略のポイント
Death and Taxに対しての1ターン目陰謀団式療法は、特に有効な戦術です。
ホガークの土地が2枚で止まると、土地嵌めやスレイベンの守護者サリアにより、陰謀団式療法が2ターン目以降マナの支払いなしで墓地から使用できなくなるからです。
つまり、先にタップアウトしてマナを効率よく消費するわけです。
現在の環境にはこのカードの存在があるため、陰謀団式療法の4枚目はサイドで良いと私は考えています。
後手の場合Death&Taxに療法を撃てるタイミングは1ターン目で、マナの制約を何も受けないときなのをしっかり覚えておきましょう。
この場合、大体がサリア1択になります。
何故なら、Death&Taxにはカウンターがないため剣を鋤にのケアは2ターン目以降で良く、石鍛冶の神秘家であれば療法のフラッシュバックで対応できるからです。
このプレイは、現在メインからファイレクシアの破棄者が抜けているDeath&Tax相手に祭壇コンボの可能性を残すことを意味します。
なので、これらの裏をかいたキープか、普段通りのキープかの2択になります。
もし複数枚の復讐蔦を引いた場合は、先手と同じプレイをして何ら問題ないと思います。
ホガークルートは、カラカスで返される可能性があるからです。
このため、祭壇ルートの可能性を残すことは、勝負の分水嶺になります。
これだけで1記事以上書き上がってしまうので、この項は必須事項だけ記載します。
◇環境が4C優勢の場合
このデッキの弱点として、多色コントロール、そしてRUGへの耐性が少し低いことが上げられます。
トーナメントの規模次第では4Cの方が多い場合もあります。
その場合、平地エンドなら剣を鋤にコールも手です。
顔メタが生きてくるとすればこのパターンでしょうか。
剣を鋤には撃たせて使わせるプレイも重要なので、今項ではサリア指定を薦めています。
所々で推察しながら、この択を使い分けてみてください。
剣を鋤に指定を優先しない理由として、もう一つこんな場合があります。
◇エスパーバイアル/マーベリック
そう、これらのデッキに当たってしまった場合ですね。
4CやDeath&Taxはなんとかなりますが、エスパーバイアルかマーベリックを引いてしまった場合窮地に陥ることがあります。
◇マーベリックの攻略法
マーベリックの場合、墓地干渉までのスピードが速い+ボジューカの沼やカラカスまでアクセスされるため、後手のホガークプランが弱く成り得ます。
しかし、このデッキのセオリーは初動1マナのソーサリーアクトをキープすることです。
それ以外の場合、不毛をケアしながら2~3マナアクトをしたいとき、プランがそこまで強くないでしょう。
なので、相手がマナ加速したら緑の太陽の頂点。
それ以外なら、1マナ除去を狙うようにしています。
輪作を差している場合もあるので、緑マナが起きていたら輪作もありです。
先手後手の差が多少なりとも発生しやすいため、このマッチでメインボードを落とした際は切り替えてサイド戦でゲームを取り返していきましょう。
◇エスパーバイアルの攻略法
エスパーバイアルをマーベリックより下に記載した理由は、このデッキが有識者でもプレイングが難しいことにあります。
エスパーバイアルは、土地拘束カードである不毛の大地がメインに2枚しかありません。
相手のマナカーブが2に集中しているので、薬瓶スタートでない場合不毛も強く使えません。
なので、この試合はマナ拘束をあまり考えなくていいマッチアップになります。
デッキのイメージは、青白フィッシュです。
代わりに上記したデッキより、様々なデッキへの防御性能が高いこと、制空権を制しやすいことが魅力です。
その点は、他のデッキより頭1つ抜けています。
このデッキがホガークと5分以上に持ち込める理由は、翻弄する魔導士、平和の番人がホガークに刺さることにあります。
翻弄する魔導士。
元来このカードはレガシーの使われるカードの多様化により、弱体化の一途を辿ったカードでした。
復活を遂げた背景にあるのは、2マナ、3マナのマナカーブでキャストされるカードが一定基準のパワーカード以外環境から減ったからです。
ホガーク戦では、ホガーク、もしくは祭壇がコールされるでしょう。
そして平和の番人です。
相手が翻弄する魔導士で祭壇を指定した場合、平和の番人を出されるとホガークは勝つことができなくなります。
ここに行くまでに、ホガークの方が先に戦闘を仕掛けられるというのが、このマッチの鍵を握ってきます。
エスパーバイアル側の弱点に対して、速攻は大きく相手の懐につけ込む武器となるのです。
お互いの着地点に対して攻防を考えながら、プレイしていけると面白いゲームになると思います。
やり込み要素がかなり出るマッチアップになりますね。
◇RUG Delver
さて、最後にこのデッキのお話です。
相手がVolcanic Islandや、Tropical Islandから動いた場合は、この線を疑います。
この場合の選択肢は②の沼からクリーチャー召喚です。
有効なクリーチャーが墓所這いしか見えなかった場合でも記載しましたね!
ここで合わせて覚えておきたいのは、ドローソースの使い方です。
クリーチャー召喚の選択肢は、前編で記載したむかしむかしを含めたドローソースの運用法が大事になってきます。
そうです!土地を手札に集めましょう!
3枚の土地が手札にあれば、セットランド順、フェッチ起動のタイミングを間違えなければ相手の不毛戦術が無効化出来るからです。
また、ここで土地が見つからない場合もあせらないでください。
あなたは2ターン目に入念な研究を撃つことができます。
しかも、目くらましをケアして動くことができるのです。
焦らず、確実に行きましょう。
◇RUG Delverのテンポを奪うテクニック
ここからは応用編です。
2ターン目に、不毛の大地か目くらましを相手に使わせることが出来た場合。ホガーク側がどうなるか考えてみましょう。
そうすると、相手は2~3マナ圏のフィニッシュ手段に辿りつくターンが遅れますよね。
つまり、これらのカードであなたの行動が妨害され始めるターンが遅くなります。
もし我慢に勝って、相手より先にホガークが動きだしたならば。
相手が根負けして、2枚目の不毛の大地を渦まく知識で別のカードに変換する可能性が生まれるでしょう。
そうなれば、あなたの勝利は目前です。
手札が青マナを要求するカードが多い場合でも、沼スタートを選択する方が良い場合もあります。
相手がホガークに対して勝てるプレイヤーだと思うなら、是非このプランで駆け引きをしてみてください。
きっと、新たな世界が広がるはずです。
4.中級編:サイドチェンジについて
さて、前編の最後はサイドパターンについてです。
上記の概念を何となくでも理解できたのなら、あなたはメインボードでそこそこ勝ちが取れるようになってきたはずです。
この項では、サイドチェンジの考え方について触れようと思います。
時間のない方向けに、この項の最後に簡易のサイドボードガイド(英バージョン)を用意しました。
大会に出場される際にうまく活用してみてください。
◆サイドチェンジとは?
サイドカードをマッチ内のゲーム間で入れ替えることです。
古来より、様々なプランが試されてきました。
この概念を上手く磨けるのはスタンダードでしょう。
少ないカード、基本的なカードで相手を対処することになるため、サイドボードが次第に最適化されやすいからです。
◆レガシーのサイドチェンジについて
現在のレガシーはパワーカードが増えたため、以前よりサイドカードに汎用性が求められやすい時代になりました。
その点がスタンダードの考え方と少し似ていて、同じカードで相手ごとにどう対策するのかが以前より求められやすくなったと思います。
「ちょっと難しそう。」
そんなあなたも、安心してください。
サイドチェンジの早見表を作成しました!
これを上手く活用して、実際のゲームで様々なことをゆっくり考えてみましょう。
◆サイドボードガイドについて
サイドボーディングで最近意識しているのは、サイド後にそのデッキの出来る範囲でゲームをすることです。
広く普及して使われているデッキリストの場合、採用されているカードの良し悪しの話にあまり発展しません。
ここに大きなメリットがあって、リストではなくカードの使い方を研究できる土台が敷けるのです。
これをSNSでより発展進化させる試みが、サイドボードガイドの一覧公開でした。
このやり方は、予想以上に大きな反響を呼びました。
結果も出たのは出来すぎでしたけど(笑)。
勿論、この応用も大事です。
これが重要でないマッチもあります。
でも、応用する前に基本がないと、それを生かせませんよね。
このガイドは、そういう意図で私が作った基本的な運用法早見表になります。
是非上手く活用してみてくださいね!
◆サイドボードガイドについて
概要:このガイドはサイドボードカードの入れ替え早見表となります。細かい運用法については、後編をご覧ください。
使い方:当たったアーキタイプごとに、書かれているカードを入れ替えるだけです。
注意:この表は大会などで使う早見表です。日本語版の解説は、次チャプターの上級編:各アーキタイプごとの戦い方解説編をご参照ください。
サイドボードガイド(~ZNR/Ver1.1/2020/10/18)
5.おわりに(編集後記:後編のお知らせ)
如何だったでしょうか?
久しぶりに記事を書くと慣れないもので、何回も改稿を重ねるうちに、当所の発表予定日を大幅に過ぎてしまいました。
楽しみにしてくれていた皆さん、本当に長らくお待たせ致しました…。
前編だけでもかなりの量になりましたので、後編も時間を練りながら作っていきたいと考えています。
記事は基本的に全編無料です!
ですが、もし少しでもこの記事を気に入ってくださったなら!
是非チャンネルの登録/Twitterのフォロー宜しくお願い致します!
最後まで御付き合い頂き、本当にありがとうございました!
また後編でお会いできるのを楽しみにしています(*´ω`)
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