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Eastward:狂気のピクセルアートゲーム

ついに発売しましたよ!Eastward
今年の頭に開催されたSteamゲームフェスティバルで見つけて、一番気になってたタイトルです。美麗なピクセルアートが目を引きました。
前日やっとのことクリアしたので、今回はその感想についての記事になります。ピクセルアートがすごかった!

世界観を彩る汚えおっさんたち

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Eastwardをプレイして最初に感動したのは、このゲーム汚えおっさんばっかりやんけ!というものでした。それもそのはず、タタリという瘴気で崩壊しつつある世界が舞台です。つまり、このゲームはポストアポカリプス物なんですよね。
そんな世界には汚えおっさんがたくさんいます。もちろん、文明を維持してる街もあるんですが、そこにも汚えおっさんがいます。
この汚えおっさんたち、コミカルなんですよね。鼻が垂れてたり、無職なのにパチンコでスッたり、道端で泥酔してたりとバリエーションが豊か。愛嬌があります。

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皆さんはどんな汚えおっさんが好みですかね。自分はダム城を牛耳るマフィアの親分が好きです。意外といいヤツですしね。
未プレイの方はぜひプレイして、好みの汚えおっさんを見つけてみてください。

そういえば、主人公の片割れのジョンも他のゲームに行ったら汚えおっさんですよね。

狂気的に描かれたピクセルアート

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このゲームの愛嬌あるおっさんを支えるのがピクセルアートです。Eastwardのピクセルアートなんですが、これがちょっとやばい。
何がやばいかというと、まずめちゃくちゃ動く。結構な人数のNPCがいるんですが、それぞれちゃんとアニメーションが作られていて会話するとヌルヌルとリアクションしてくれるんです。
さらにやばいのが、ピクセルアートの使いまわしがほとんどありません。NPCも同じデザインのキャラクターはほとんどいませんし、街の建物やちょっとした小物も一点物のピクセルアート絵ばかりです。

このクオリティのピクセルアートをこんなに用意してくるのは、ちょっと怖い。美麗なピクセルアートをウリにしたゲームはいくつもありますが、Eastwardは頭ひとつふたつ抜けてる感じです。
あとで詳しく書きますが、ストーリーがむむむ、という感じだったので、ゲームを進めるモチベーションはもっぱらピクセルアートでした。

明るいポストアポカリプス

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世界観というか設定も好みでした。ちゃんとポストアポカリプスしてるんですね。
港だったであろう街が世界崩壊後は農村になっていて、そこでは船のことを家と呼んだりしてたり、写真機をチーズ神を召喚する祭具だと思ってたりと設定が細かいです。ほかにも、自分たちのことを人間だと思ってるサルがいて、人間を動物のように扱ってたりします。
キャラクターが殺伐としてないのがいいですね。世界は崩壊しかかっているのにどこか牧歌的です。いつ来るかわからない崩壊よりも明日の飯を気にしてるキャラクターばかりだった印象がありました。

セーブポイントが冷蔵庫なのもイカしてますよね。やたら哲学的なことをしゃべりますし。

全体的に足りないストーリー

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グラフィックと世界観はよかったんですが、肝心のストーリーがちょっと微妙でした。

まず、キーとなるキャラクターのエピソードが足りないです。序盤にジョンに恋をする女性が出てくるんですが、会って間もないまま好きになります。一目惚れよりも早い恋です。いつ好きになったんだよ、といきなり感は否めません。
あと、終盤に仲間だったキャラクターと決闘するシーンがあるんですが、これも弱い。本来は熱いシーンになると思うんですが、決闘するキャラとのエピソードが少なすぎて置いてきぼりになりました。キャラクターの設定や造形は素敵なんですけどね。

ストーリーの核となる謎や伏線も徐々に明らかになるのではなく、引っ張りに引っ張られます。しかも、回収されたところで、うーんなるほど?となるような足りないものばかりでした。

自分はこういったゲームにはストーリーを期待するので、ちょっぴり残念でした。

ピクセルアートは進化し続ける

ネガティブなコメントをしましたが、素敵なゲームであることは変わりません。ストーリーに粗が多くてもそれを補って余りあるピクセルアートがこのゲームにはあります。まだピクセルアートは進化できるんだな、ただ古臭いだけじゃあないんだなと感じました。
オクトパストラベラーなんかもピクセルアートの進化したひとつの形だと思います。あちらは3Dに寄せてますが。

ぜひとも、ピクセルアートファンの方はEastwardをプレイしてみてください。

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