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パラノマサイト FILE 23 本所七不思議:画竜点睛を欠く名作アドベンチャー

皆さんこんにちは、いかがお過ごしでしょうか。自分は毎日ゲームをやっています。

最近だと、Steamのサマーセールがありましたね。皆さん何を購入しましたか?自分はセールのときは予算を4000円に設定しています。というのも、そこそこ遊べる面白いゲームは割引が来ると大体1300円くらいになるイメージがあるんですよね。それを3本くらい購入しておくと、自分のゲームの消化ペース的にはいい感じ(?)になるんです。

というわけで、今回のサマーセールでは「パラノマサイト FILE 23 本所七不思議」を購入しました。今年の春に発売されて、これはすごいぞと巷で話題になっていた気がします。

完走した感想としては、ゲーム史に名を残すような「かまいたちの夜」や「STEINS;GATE」に匹敵する作品だと思いました。ただ!ただ一点だけ重大な不満点があり、そのせいで上記作品に一歩及ばなかったです。なんだかモヤッとしました。

全実績解除を無理ない範囲でできるのはポイント高いです
メタ的な要素もありました

パラノマサイト、めっちゃ好きなんですよね。まず、ジャンルというか題材がめっちゃ好きです。オカルトでありホラーであり、サスペンスでありミステリーでありバトル物なんですよね。これがかなり高いレベルで纏まっていて、よくこんなシナリオ作れたなと思いました。

オカルト要素は全てオリジナル設定ではなく、実際に存在する本所七不思議から発展させているのがめっちゃ良かったです。こういう現実と地続きになっている設定すごい好きなんですよね。リアリティがすごく高まります。

ザッピングシステムもいい感じでした

ミステリー要素もよくできていて、ちゃんと推理すれば当てられるところが良かったです。奇をてらってプレイヤーの予想外の答えを用意するのではなく、ちゃんと地続きな答えを用意しているのは好感が持てました。それに加えて、ミスリードをちゃんと誘っているのもえらいなと思いました。

登場人物もそれぞれキャラが立っていて、さらにバディ物の要素もありすごく良かったです。会話も軽快。それに加え、できるだけ少ない文字数に収めたり、ドラクエのように「、」を使わないようにしたりとテキストの随所にこだわりが見えました。

立ち絵の見せ方も躍動感があってリアリティがすごかったです。表情差分やカメラワークの説得力が高く、実写の映画を見ているようでした。これは今後開発されるノベルゲーは全部マネして欲しいです。

パラノマサイトは自分の理想が詰まったようなゲームなんですが、唯一にして絶対に納得がいかないポイントがあります。それが、ストーリーの終わり方です。

登場人物それぞれの因縁が解決し、本所七不思議の全てが明らかになり、ついに黒幕が発覚。そして、とある人物が覚醒し、黒幕を殺してエンディングを迎えます。これが5分ほどのダイジェスト形式で語られ、やけにアッサリと終わります。肩透かし、というか打ち切り感がすごいありました。

ここまでめちゃくちゃ良くて、好きだったからこそ、最後はしっかりと大団円を描いて欲しかったと思います。どうして覚醒した人物中心のストーリーを入れなかったのか、どうしてエンディングをダイジェスト形式にしてしまったのか、理解に苦しみます。結局、プレイヤーの記憶の最後に残るのはエンディングなんですよね。そこが軽いと、どうしても読了感が悪いです。

邪推するのは野暮ですが、ダイジェスト形式にした理由が納期だったり予算だったり、面白さの追求とはあまり関係のない部分だとしたらとても残念に思います。もし、最後までしっかりと描いていたら間違いなくサウンドノベルゲームの歴史に名が残っていたでしょう。

間違いなく名作アドベンチャー

最後はやいのやいの書きましたが、100点を出せたのに99点に下げたことに文句を言っているのであって、本作はそれでも99点のゲームです。価格も2000円ほどでプレイ時間も10時間ほどと、手を出しやすいです。ぜひ、夏休みにでも遊んでみてはいかがでしょうか。では、また。


ゲーム代やお供のお菓子やドリンク代にかわります