一口ちょうだい、のハードル
中華料理屋さんで一人でランチを食べている。となりに二人組の女性がいて、一人は坦々麺、一人は酢豚を食べていた。
ひとりが、酢豚を少し取り皿に入れて坦々麺の女性にあげると、坦々麺の女性はどんぶりごと相手に渡した。渡された女性は一口坦々麺を食べて、美味しい、と言っていた。
女子同士でごはんにいったときの、一口ちょうだい、がわたしは苦手だ。
もともと一人っ子だからか一皿を人と分けて食べるのが慣れない感じがする。自分の食べたいものを頼んでいるから相手のものをそんなに欲しいとは思わないし、なんだか面倒くさい。
しかしよく考えてみると、わたしは付き合っている人と食事に行くと、たいてい自分から一口ちょうだいと言って相手の頼んだものを食べている!
わたしにとって、一口ちょうだいは、パーソナルスペースみたいなものらしい。そうとう心を許していないと、一口ちょうだいは居心地が悪い。
となりの女性二人組は、会話を聞いているとどうも会社の人同士のようだけど、そんな関係で一口交換するなんて、わたしにはほとんどストレスだ。女性たちはデザートのマンゴープリンとタピオカミルクも一口ずつあげあっていた。
気軽に人と一口分けあえる日がわたしにもいつか来るのか。。しばらくは来ない気がする。
#コラム #エッセイ
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