人としてのバランスをとる
ドイツから帰ってきて飛行機を降りたら謎の赤い発疹が両手にあらわれ、慌てて病院に。
内科にいくと熱があり、たぶん違うと思うけれど風疹の血液検査をしてもらうことになった。
でも熱はすぐ下がり、発疹のかゆみはとまらないので今度は皮膚科に。
なんかの虫さされですぐ治るでしょうとのこと。とにかく感染症とかでなくてホッとした。
皮膚科のおじいちゃん先生がたいしたことない感じで良い意味で雑に扱ってくれたのもよかった。こういうときの医者の態度って、患者の心を簡単に明るくもするし暗くもする。とても良いお医者さんだった。
かゆみ止めにステロイドの薬をもらった。
塗り薬なんて久しぶりに塗るなぁと思いながら手に塗り、ふとあとで手を見たら驚いた。
薬を塗った部分が白く乾いて粉のようなものがくっついている!
ステロイドとは、乾くとこういう風になるのかと初めて知った。
もうずっと昔、幼稚園の頃。アトピーの友達がいつも皮膚が白くカサカサっぽくなっていたのを見て不思議に思っていたことを思い出した。
きっとあれは皮膚がカサカサになってたわけでなく、薬の跡だったんだ。
当時のわたしは、それを見てなんとなく痛々しいと思っていたけれど、ただの薬だったのだろう。余計なお世話である。
自分がその立場になってみないとわからないことってたくさんある。たぶんまだ想像もしてないようなことがたくさんあると思う。
特に病気とか怪我とかは、もちろん嫌だけど、たまに弱い立場になることは自分という人間のためには良いことだと思う。
歳をとって体が弱くなって気づくこともたくさんあるのだろう。
元気で強い人は素晴らしいけれど、そうじゃない立場にたまになったほうがバランスが取れると思う。老いは全ての人にとってそのバランスをとるためにあると思っている。
虫さされから、そんなことを考えた。
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