できたことができなくなる恐怖
金曜日にお味噌汁を作った。少し残ったので、鍋にいれたまま蓋をして、次の日の朝のもうと思っていた。
そんなことはすっかり忘れて、さっきふと鍋を開けたら、「発酵してます!!」という主張100%の臭いがむーんと広がり、放置していたことをやっと思い出した。
ガーン!!となった。
腐った味噌汁の臭いは、日曜の夜に嗅ぎたくない臭いベスト3に入ると思う。
急いで中身を捨てて、鍋を洗い、意味があるのかわからないけれど鍋で水を沸騰させて熱湯消毒になることを願った。
こんなことで、なんだか妙にへこんだ。洗い忘れて中身を腐らせるなんてことを、自分がするとは思っていなかったのでショックだった。
本当に予想もしてないかたちで、自分ができなかったこと、失敗したことを目の当たりにするとひるむ。
「こんなことができなかった」「こんなことを忘れるんだ」と勝手に少し傷ついた。
自分ができると思っていたことができなくなることは、けっこう悲しい。
誰だって、ある一定の年齢になれば、できることが増えるのではなく、できないことが増えていく。
よく老人が免許を返納するのを嫌がるという話を聞いたことがあるけれど、少し気持ちがわかった。でも、だからこそ家族など第3者がきちんと返納するようにサポートしてほしい。取り返しのつかない事故が起こってからでは遅いから。
できないことが増えても、泰然自若としていたい。できなくなったことを認めることのできる、胆力をつけよう。
そんな風に年を取りたいと思いました。
#コラム #エッセイ
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