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ふつうはふつうでふつうにいい

9月1日になってしまったが、まだ間に合うのだろうか。

#8月31日の夜に というハッシュタグ企画のことだ。

「悩める10代」に向けた記事を募集するというこの企画。いろんな人が、自分の10代のころのエピソードをベースに「かつての自分」に向けた記事を書いていて、どれも興味深く読んだ。

人気の記事を上から読んでいくと、書いた人自身が10代のときに、いかに「はみ出していたか」「浮いていたか」「絶望していたか」というものが多かった。そりゃろうだろう。才能とは「ちがい」であり、「ちがう」から「みんな」と合わないのだ。そういうのを読むと、いかに自分が普通だったかを思いしらされるようでちょっとだけ眉間にシワがよる。なんだろうこれは。たぶん、嫉妬かな。

10代のぼくは、万引きも夜遊びも、タバコも酒もやらなかったし、教室の片隅で本ばかり読んでもいなかったし、休み時間になるたびヘッドフォンをつけて机につっぷすこともなかったし、保健室で寝てたこともなければ、授業や部活をサボったことすらない。集団行動が苦手なわけでも、学校になじめないこともなく、大人は汚いとか、親の干渉がウザいとか思うこともなかった。

だから、8月31日に絶望したこともなければ、学校に行くぐらいなら死んだ方がましだと思ったこともない。どノーマルな、田舎のティーンエイジャーだった。いま思えば、上記に書き出したやつ全部やっとけばよかったなと思うぐらい。話のネタになったのにね。

学校へ行くともちろんリア充が幅を利かせているし、インターネットは非リアと呼ばれる人や孤独を感じている人にやさしい。15年前のぼくは、そのどちらでもなかった。そして今も、そのどちらでもないあの頃のぼくみたいなやつが、日本のそこかしこでボーッと棲息しているのだと思う。きっと、この投稿を見ることもないだろう。

別に応援の必要もない人たちだと思いますが、そんな「どノーマル」の先輩として、ぼくぐらいはみなさんにエールをおくりたいと思いました。

ふつうはふつうでふつうにいいよね。