おすすめSCP

このnoteは個人でやってるお仕事等を載せるパブリックなところにしようと思っていますが、なんとなく色々書かせてください。

SCPとは、おおざっぱに言えば都市伝説風シェアワールドの投稿サイト。

投稿作は吟味され採用されるので、それなりの質は担保されている。

だがしかし！
既にその作品数は5000を超えるのもあり、面白いのもそうでないのもある。

というわけで、今回は僕が選ぶ面白いSCPについて記事にします。
今回この記事を書くのは、PS4やPCで遊べる「CONTROL」というゲームが特に明示はしていないもののSCPから強い影響を受けているからで、この機会に是非、ゲームから入った人にもSCPを知ってほしいからですね。
もしくはこの機会にCONTROLもプレイしてください。
アメリカのドラマ風だったりSCPだったりバイオハザードだったり、忙しいインスピレーションによるお話とゲーム世界のオブジェクトの破壊描写がとてもステキで、ゲーム的に難を感じる場面はあれど今年ではお勧めの方です。

SCPは簡単にいえば「世にも奇妙な物語」的な、でもギリギリ連作になっている？少し不思議ストーリーです。

・紹介の前提

紹介するのは「他SCPと読書体験的に異るもの」です。
SCPは似たようなネタというのも多大にあるので、今回ここに挙げるのはなるべく新しい感覚をもたらすような作品です。また、全体的なシリーズの雰囲気を統括できるものです。

・SCPの読み方。

別に読み方なんてないけど、一応、概要としては「世界中に不思議なもの保管施設＝サイト」みたいなのがあって、そこの職員（一番下は死刑囚とかのレベルで、一番上は政治的な権力を超えるくらいえらい人とか）が毎日ドンチャンやってると思いねえ。どんちゃん騒ぎなんです。
シリーズは1000ごとに更新されていて、キリバンはテーマによる募集が行われ、だいたいすごい力作になっている。
今回キリバンは全部紹介します。

1-999
最初のシリーズは今から見るとちょっとテイスト的にブレがあるというか、後のシリーズに比べると素朴な怪談という感じだ。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-055]
[正体不明]
ここで「ミーム」という言葉が出てくる。これは後々大きな意味をもってくる概念で、なんとなくここで掴んでほしい。「認識」みたいな感じだけどもうすこしクオリアより？な感じだ。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-073]()
カイン
ここでは「他のSCPとのつながり」という部分が面白い。こちらも、後々のSCPは他のSCPとのつながりを意識されたものがSCPライティングの基本となっていくので、影響の大きい作だ。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-173]()
有名なやつ。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-294]()
コーヒー自動販売機
上の作品らに比べるとユーモアが多い。このユーモアをそのまま落とせるところがSCPのいいところだ。普通の短編などではやはり主人公みたいな人がいたりして、主題がついてしまう。僕はこういうことが出来るからSCPが好きと言っていいかもしれない。不思議の投げっぱなし。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-662]()
執事のハンドベル
これも超常のモノ＋ルールという意味で後々かなり擦られるネタの大本の一つと言えよう。
コーヒー自動販売機と基本的に話は一緒だが、対象が意識を持った生物っぽい何かというのが、SCPというところに八百万の神の要素が入ると思う。2000くらいまではこういう雰囲気だったという感じですね。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-927]()
伝染する家
謎が謎のまま残るタイプの、ちょっと寂寥感ある風景がいい。
これを選んだ理由は1000まででクラシックなSCPが持つ要素を網羅できるから。
要するに超常の人・モノ・場所があり、それを研究する。
「ある」で終わる話と、研究する「過程」の話と、「結果」もしくは「結果がでないまま」どうなっているかの話がある。
そういう感じです。

ここで、あえて2000に行く前にJPを紹介します。
日本で書かれたJPはすごく日本の風土と合っているので読みやすく面白いものがあります。ただ、玉石混淆のレベルが半端ないので本家は色々読んでも面白いと思いますが、JPはしんどくなるかもしれません。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-014-jp-j]()
『奈落の悪鬼、黒き翼の堕天使アイスヴァイン』
かわいい。日本的であると言える。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-502-jp]()
終わらないお役所仕事
無限役所編。これは日本ならではなく世界中で通じると思うけど…。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-053-jp]()
存在感のない布
これも日本的。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-070-jp]()
わんわんらんどと犬ではないなにか
琵琶湖わんわん王国への熱い風評被害。どちらかというと本家を意識していると思う。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-171-jp]()
視えざる手料理
かわいらしい。これも本家にあってもおかしくないレベル。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-280-jp]()
縮小する時空間異常
力作。本家にこれにちょっと似てるのがあるけどね。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-565-jp]()
手のひらヒーローズ
これも逆輸入して本家SCPでも受けそうなひどい話。
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1283-jp
踏切のむこう
とても日本のホラーものっぽいエッセンス。おもろいんで映画化しようや。
http://s[cp-jp.wikidot.com/scp-1910-jp]()
UFOラーメン
JPではこれが一番好き。作者は日本の日常モノのエッセンスを混ぜていると予想する。

閑話休題。

さて、2000まで。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-1000]()
ビッグフット
正直この作品が一番重要かもしれない。雑多なSF(すこしふしぎ)と組織内のドンチャンだったSCP群から、後々のSCPというコンテンツ枠の大きな方向性を決定づけたといっていい作品。考え方がいささかアメリカ的ではあるが要するに「我々人類の裏の歴史」をSCPとして収容しているという視点を与えた。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-1011]()
ソビエト式工業化
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-1260]()
女王陛下のティレシアス号
これらは1000以前では少なかった現実の歴史への浸食みたいなのが入ってきていて、SCPが「ただの超常現象を扱った小ネタではない」感じになってきていると思う。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-1316]()
子猫のルーシー →猫っ被りのスパイ装置
SCP世界が拡張され、同じくSCPを扱う敵対組織のような存在も示唆され…。
それはともかく、この話のオチとしてはちょっとかわいくてかわいそうなとこがいい。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-1689]()
ジャガイモの袋
好き。ジャガイモってのがいい。これがブロッコリーなら凡作だった。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-1981]()
"演説中に解剖されるロナルド・レーガン"
これは不気味で、すごくいい。
というように1000台までは概ね、初見でどこからでも楽しめるのが多い。
多分1981年に大統領になったから1981番なんだろう。それもユーモラス。

2000-2999

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-2000]()
機械仕掛けの神
1000が方向性を決定づけた傑作なら、2000は横への広がりをもたらした傑作だ。当然、これ以後2000は引用されまくる。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-2191]()
ドラキュラ工場
世界中にあるドラキュラ系のバリエーションとして。壮大な展開。[http://scp-jp.wikidot.com/scp-2310]()
マルコビッチの穴的な…。でもバカバカしく、カワイソウ。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-2273]()
アレクセイ・ベリトロフ少佐、赤軍第22装甲歩兵師団所属
わーい強化外骨格だ…？
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-2406]()
巨像
わーいぼくらのだいすきなロボットものだ！
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-2935]()
あゝ死よ
アポカリプスなう。
2000からはやはり、全体的に世界の危機のようなものが目立ってくる。
ここからは「地球何回滅ぶんやろ？」という感じに。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-2317]()
████、世界を貪る者
これはキリバンではないけど後に大きな影響を残してると思う、「既に世界崩壊は秒読み手前」の作品。手続き等二重の構造が面白いね。

3000-
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-3000]()
アナンタシェーシャ
これはキリバンの割に小物。面白いけど、それだけでもある。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-3008]()
完全に普通の、ありきたりな古いイケア
めちゃ好き。マーケット籠城モノのバリエーション。でもイケアじゃなぁ笑
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-3295]()
ご喫煙ありがとうございます。
次が重いので箸休め的に選びました。
このあたりでは久々のドタバタものと言えよう。喫煙ルームの着想がよい。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-3333]()
塔
ホラー系では一番イケてる。こっちは遊星からの物体Xのバリエーションと言えるかな。やはりこれだけでも映像化できそうな良さがある。
[http://scp-jp.wikidot.com/scp-3973]()
リロールしますか？
小粒なミニチュアゲームネタ

4000-

[http://scp-jp.wikidot.com/taboo]()
禁忌
4000番なのにSCP-4000ではない＝名付けることが禁止されたという飛び道具ネタ…と見せかけて、これは物凄いこだわりで書かれている。翻訳もすごい。
ぶっちゃけ4000と5000を読むためにここまでSCPに付き合ってきたまである。
内容は難解だが、読み解く楽しみがある。

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-4062]()
びしょ濡れワンチャン
異世界の存在をにおわせるものは多いけど、本作の謎の犬技術が発展した異世界…ってのが好きすぎる。

5000-

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-5000](http://scp-jp.wikidot.com/scp-5000)
どうして？
これもまた大作！なんとこれまでのSCPを振り返る総集編的内容だ。
しかもこれはこれでまた謎を孕んでいて…うまい！
ここで振り返るということは折り返して10000くらいまで行くつもりなんだろうか。登ろうぜ…この壮大なSCPサーガをよぉ！

4000－5000番台は未訳も多く、後ろはあっさりになりましたがだいたいこんな感じです。

一通り読んで、みんなもお気に入りのSCPを探そう！

[http://scp-jp.wikidot.com/scp-8900-ex]()
おまけ。青い、青い空。
空の色は昔「本当に青かった」というもので、うまい！短くうまい！

こういう、メタ的な「で、読んでる俺たちはなんなの？」を残すのがSCPの良さですね。

以上です。