午後8時に灯りを消して🌌

「戦時中かよ」「空襲警報じゃん」とかTLでボコボコに言われていて、でも、なんかいいんじゃないかな、と思ったんですよね。東京都の午後8時消灯。

いいじゃん、午後8時に街の灯を消してしまえば。仕事を早上がりにして、ひとりで家に帰って、テレビやYouTubeをだらだら見たり、積んでた本を読み始めたり、友達がいる人はAmong Usとかモンハンとかやったり、部屋を掃除したり、いつもよりゆっくりお風呂に入ってもいいし。そして早く寝ればいいじゃん。窓を見上げたら、街の灯が消えているから、いつもより星がよく見えたりして。10年前、節電中の薄暗い東京はなんだかとても穏やかで、大好きで、いつまでもこのままでいいのにと思った。「酒を飲む奴がいるから夜だけ外出自粛」はクソみたいな理屈だけど、みんな外出禁止…くらいになれば、それは当然ガツッと全体のリスクが減るしね(毎日その数時間分は当然、間違いなく)。

夜をかき入れ時にしている業種の方は、当然困ってしまう。もっと苦境の声を上げていいし、補償も得られるべき。でも、だからといって「補償がないから強引に開きますぜ」は僕は違うんじゃないかと思う。それは無責任だ。エンタメ全般も、そう。

同じく10年前、文字通り命をかけて準備していた卒業制作展が東日本大震災でぶっ飛んで、あの時は、たとえ計画停電の真っ最中でも何がなんでも開催しなきゃ、”美術を止めて”はだめだ、と思っていたけれど、今は考え方が変わった。大赤字が確定しているのに無理矢理フェスをやるくらいなら、「あと1年生き延びさせてください」って、ライブをしたテイでお金を集める方がよっぽどまともだと思う。映画館とは、ライブハウスとは、美術館とは、それらの芸術を愛しているならば、「誰でも、分け隔てなく、何の立場も出身も区別もなく、入ることができる」場所であるべきじゃないかな。行ける人と、いろんな理由で行くことを諦める人がいる状況では、観客を引き裂いてしまう。「その場所が実際に危険か、危険ではないか」は、ある意味で問題じゃなくて。「開催すれば、誰でも行くことができるもの、行っていいもの」でありつづけることが、アートという場を守るための、ひとつの大切なこと……なのかも。あんまり最後まで考えがまとまっていないんだけれど……心のどこかに恐怖を抱えながら行かなければならない場所ではないと思うんだよ、映画館とかって、やっぱり。

もちろん事業者は怒っていい。激怒していい。でもその当事者ではない一享受者なのに、「お酒が飲めない」「映画が観れない」程度でキレるのはなんか違うと思っちゃうんだよな。「OK、映画館やライブハウスが助けを求めているならば、いくらでも力になろう。いくらでも声を上げよう。そして、今こそがその時なのかもしれない。でも君は、君自身については、いいか? グダグダ言わないで早く家に帰って、寝れ!」。

僕の自治体でも、高齢者のワクチン接種が5月からスタートする。この戦いは、既に後半戦になっている。1年前、「うちで踊ろう」をキーワードに「ステイ・ホーム」していたころの私たちに、もう一度、あと少しだけ、戻ってもいいと思うのだ。街の灯りが消えていると、こんなに星がきれいなんだな、って感じる瞬間が、あったっていいよ、ネ。

(あと、単純に、公共の道ばたで酒を飲むのはマナーが悪いと思うぜ……)

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