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三つ巴。三本の矢。



2020年秋、某日。

僕たちは4月に発表するシングル曲の打ち合わせをしていた。
候補曲がいくつかある中で、「春に投げたい曲」はなんだろうと言う議論になった。

今作、「メロディが浮かばなくても」はご存知の通りタリラ作になるのだが、彼自身が製作した楽曲がDannie Mayのシングル曲になるのも初めてとなり、楽曲自体も明るくポップなものであったから、
春にふさわしいだろうということで決まった。

「針よ墜とせぬ、暮夜の息」から僕たちはかなりディープでダークな楽曲ばかりを出してきたから、
楽観的な一面もちゃんと見せたいよねとなった。

MVももちろん製作することとなり、
どんなのがいいだろうかとタリラと相談していた時、『メンバーを出すならこのタイミングだよな』と2人で一致した。


そうしてDannie May初の、Dannie Mayのメンバーがしっかり出てくるMVを作ることとなる。

しかし、何度も言うが"ただアーティストが演奏してるMV"は僕は信条的に作りたくない。

よって、音楽に向き合っている普段の僕たちをMVにしようと思った。

アーティストはステージに立つものとして、
一定求められるある種の"偶像"的なものがあるとは思う。
ただ、僕たちだってアーティストである前に人であり、大層なMCをしたって歌ったって、

そもそもには純粋に音楽を楽しむ少年達がそこにいるだけなのだ。

Dannie Mayが結成した当初。初めてのライブ。
まだ僕たち3人しかいなかった頃。
初めて撮ったオフショット達。


結成も2周年を迎え、3年目の春というタイミングで、この楽曲を出す意義は僕達にとっても大きかった。

「メロディが浮かばなくても愛がある酒がある
 それでIt’s alrightじゃない?」

と言う言葉は、まだステージに上がったばかりの僕達を思い出させてくれる。

今や関わってくれる人も多くなり、想いに共感してくれる人も増え、
それに伴い責任も増してくる。
もっとみんなを楽しませられるよう、もっとみんなを豊かにできるよう、もっともっと、、、

そうやって走らせてきた2年目。
もちろん走ってきた意味はあったし、たくさんの新たな可能性も開けた。

しかし一定疲弊したのも事実。
2月に発表したシングル、「この曲が人生最後の僕の代表曲だったら」はそんな重圧とそれでもこの先を夢見て立とうとするマサの心が吐露したような楽曲だった。

きっと、今作もそうなのだろう。
メロディが浮かばないことへの不安もあるし、
いつこのアイデアが頭から消えてしまうかもわからない。
漠然とした未来へ向けてただ走るだけの怖さはある。
皆を連れていく最初のペンギンに僕達はなりたいが、
最初のペンギンが踏み出す一歩を間違えるわけには絶対にいかない。

しかしこの曲は、そうだとしてももっと純粋に向き合っても良いんじゃないか?案外そんな責任を背負ってると思っているのは僕達だけなんじゃないか?
そもそもそんながんじがらめの世界を作りたいわけじゃないから、「もっとゆるくいようよ」という言葉で背中を押してくれるものだと思う。

となれば、僕達が普段どうやってDannie Mayを作り上げてきたのか。そしてどう純粋に楽しんできたのか。
過去の映像も合わせて、僕が撮影したオフショット達を映像に載せることにした。

となればその映像の土台が必要となる。
眠っていたビデオテープを起こすかのような、
優しい懐古だ。
そこで力を貸してくれたのが、

タリラがソロで発表した「大人未来図」のMVを制作した梅谷ひなこさんだ。


ポリゴン調でどこか懐かしいテイストのCGが、
きっと今作の映像を優しく包んでくれると思った。

実際、非の打ち所がないほどイメージ通りで素晴らしい空間を作ってくれた。

ちなみに本作は、僕視点から見たメンバー2人の過去の映像と、それを見直す現在の僕で構成されている。

結成から、激動の2年目を越え、
一皮剥けた3年目の僕達を描いている。

そしてもう1人、今作では力を貸してくれるメンバーが増えた。
のちに3/18に行われたツーマンライブでもオフショットを撮影してくれることになる、アンリさんだ。

https://instagram.com/mainichi_pajama?igshid=10ao613nx5jln

3人だけで切り取っていた時間が、
新たな人の手で更に彩られる。
少なくとも僕にとっては感慨深かった。


今作のMVの撮影現場で初めてお会いしたのだが、
早速唯一無二のオフショットを押さえてくれていた。


ちなみに製作陣はいつも通り、
山田ジャンゴ、福田さん。
タイトルロゴは辻健太郎。

そしてヘアメイクには、
「針よ墜とせぬ、暮夜の息」でお世話になった
田中さんを迎えた。

最強の布陣で挑んだ撮影ではあったが、大切な仲間が1人足りなかった。

兼ねてから登場している、木部くんだ。
詳細は省くが、彼は今作には出られない事情があった。
戻ってくる日を願って、今はただ待つことしかできないが、、



かくして僕たちはDannie May初となる全編本人たちが登場するMVを作り上げた。

「メロディが浮かばなくても」

応援してくれている皆さんはご存知かもしれないが、このタイトルが想像させるような事態とは
真逆にも、僕たちは楽曲をリリースしていくことになる。
残酷にも、その過程で今日の撮影の日を共にした仲間たちが欠けることもあるかも知れない。
それぐらい過酷な日々が待っているからだ。
3人しかいなかったあの頃、そんな恐怖は微塵も無かったが今は違う。
皆僕たちに期待してくれて応援してくれている。
その中で何かが違ったら、欠けてしまったら、
と臆病な僕は考えてしまう。

「メロディが浮かばなくても」

そんな時は立ち返りたい。
3人で描き始めた頃の小さな世界に。
大きな世界を目指して歩み始めた少年時代に。

思えば僕たち3人はDannie Mayという巨大な領土を取り合う三国志の如く活動してきた。
しかし面白いことに、誰かの領土が広くなってしまうとDannie Mayとしての色は消えかけてしまう。
3年目にして思うのは、
領土を統一する事ではなく、仲間と戦い続ける事。
過酷な領取り合戦を続ける事で、
Dannie Mayという巨大な国を築き上げる。
それぞれが担う責任と、能力を最大限に活かして。

そんなDannie Mayは三つ巴でもあり、三本の矢でもあるなと思った。

「メロディが浮かばなくても」

今日は酒でも飲もうかな。


Dannie May 「メロディが浮かばなくても」 (Music Video)  https://youtu.be/8a9f5J_FBz0


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