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「ノートルダム炎の大聖堂」を観て考えさせられた行動

映画「ノートルダム 炎の大聖堂」を観ました。

実話を元に作られているので、結末のおおよそは知っているわけですが、終始、拳を握りしめていました。

(ネタバレを含みます。これから鑑賞予定がある方はそっと閉じて頂きますよう、よろしくお願いします)








退避が完了しており人命救助の必要性が無い中で、失ってしまえば戻ってこない聖なる物を護る為にどうするのか。

「人命救助なら命懸けで挑むが、石のために命はかけられない」

一見、神への侮辱とも取れる言葉だけど、消防士も大事な一つの命。部下の命の方が大事だと判断する上官の想いが詰まっているなぁと思いました。


1つ1つのきっかけは小さい物でしたが、幾つも重なり大きくなっていく、その様子が克明に描かれており、緊張を煽ります。

警報の監視員が新人で発生箇所を正確に把握できず、間違った場所を確認して誤報扱いになってしまったり。長い間なにも起こらなかった故の油断もあったと思います。

そもそも、警報に故障があるにも関わらず放置し続けたのが問題。大事な建造物なのだから、その予算は直ちに確保するべきです。

設備点検を全く行っていなかったのでしょうか?劣化した消火設備や電線は放置され、水道管の栓が緩んでいる状態。接触不良を起こして漏電する鐘、コードを啄む鳩。

禁煙なのに煙草を吸う工事員。木造建築の工事現場なのにスマホ充電のタコ足配線。火事を起こさないためのルールが守られていない現状を放置するのもありえない。

歴史的建造物の近くに配置された消防署でありながら、現着ルートが確保されていないし(狭くて通れなかったりなど)、建物が古いのだから仕方ないけれども、大聖堂内の消火設備や消火ルートも必要十分ではなかった。消火場所へ向かう途中に鍵を開けないといけないドアがあることを知らないって…事前に訓練したり調査しておけば知り得たはず。

火災発見が遅れたせいで消化器では間に合わなくなり、消防車現着ルートが確保されていないせいで消火の開始が遅れる。更に狭い階段、開かないドア、水漏れしている水道管、現着しても消火できない。

増援を頼むも、野次馬が集まりすぎて通れない。車は渋滞。大事な宝物庫の鍵を持っている人も怪しまれて警察に確保されてしまう始末。

消火設備の点検や消火訓練、重要文化財の救出方法の検討など、きちんと準備されていれば、火災を防げなかったとしても小規模で済んだはず。

もちろん、野次馬が消火活動を邪魔していたことも、国民の認識の甘さだと思います。消防車や救急車の行動を阻害しないために、どう行動すべきか。

自然災害の恐ろしさを感じると共に、自分の行動を今一度考えさせられる作品でした。提示されたルールは守る(禁止を破らない)。消防車や救急車が通るときは、速やかに道を開ける。

家庭内でも、火を使うときはその場を離れない。家のコードが経年劣化していないか確認する。こまめに埃の掃除も行う。積み重ねれば大惨事になりかねないということを忘れずに、小さいことから気をつけて行こうと思います。

普段の行動を振り返って、改めて考えたいと、そう思わされた映画でした。



追記①
何も出来ないくせに何故か現場へ訪れたマクロン大統領対策のため、ダミー指揮車を用意している様子には笑っちゃいましたwww「現場は任せた」と苦笑いしながらダミー指揮車へ向かう上官の姿が何だかかわいそうでしたwww消火が終わるまでは官邸で待機しておけよwww


追記②
ジャンボ機墜落の時、救助隊の行動に制限をかけていたのが、マスコミのヘリコプターだったそうです。接近しているヘリの駆動音のせいで隊員同士の声が届かない、プロペラの風圧で動けない。約40年前の事故です。通信設備もままならないため退いてほしくても連絡が届かない。もしかしたらもっと助かった命があったかもしれないと思うと、マスコミも報道より大事なこともあると認識して頂きたいと思います。

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