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詩たち

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大事にポケットにしまっておきたくなる一瞬や、周りの人の身になった気になったら見えてきた日常を、詩にしました なんかよくわからんけどいいな、と思ってもらえたら嬉しいです
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#詩のようなもの

詩 きみはとうめい

つめたい海の底で きみが息を潜めて からだを小さくしている きみを傷つける者の怒号が響き…

ゆんか
3か月前
9

詩 こどもの手

ちゃぽん と水に 身体を入れると こどものような 手が見えた おふろの中の わたしは 無…

ゆんか
3か月前
8

詩 猫

きみに触れると いつもは牢獄のようなこの身体が 歓びを感じる きみの無防備さや 気ままさが …

ゆんか
3か月前
4

詩 風車

世界は変わっていなかった 相変わらず空には雲ひとつなく、 訪ねた映画館はもぎりがいなくて…

ゆんか
3か月前
6

詩 ジャングルジム

泣きたいのに 涙が出ない そういうことがよくある 泣きたい、泣きたい と心の中で呟いてみ…

ゆんか
3か月前
4

詩 寂しいひと

寂しいひと 寂しいひとが好き 傘に入るのを遠慮するひと 満員電車で反射した自分の顔を見つ…

ゆんか
3か月前
10

詩 ポケットに未来が入るなら

ポケットに未来が入るなら 過去はどうやって 持っていけばいい 背負うのは重いが 踏んで歩くのは心が痛む 手を伸ばすと 過去が私に身を委ねて 心臓にすっぽりおさまった

詩 ことばがかれている

ことばがかれている 忘れはてた男の奥にある ダムが開いて 私の失物を押し流す 未だに手を伸ば…

ゆんか
4か月前
1

詩 生きていくということ

生きていくということ 彼女と共にあるということ 悲しみがあるということ どうすれば良いか分…

ゆんか
4か月前
1

詩 亡き蚊の詩

目を開けると そこには蚊がいた みにくい、老いぼれた、しなびた 蚊が 生き永らえようと 僕の…

ゆんか
4か月前
2

詩 猫が眠るとき

ためた息を吐き出す 闇と猫が溶け合う 右の小指がつっている、 毛細血管に、 私が、一気に…

ゆんか
4か月前

詩 低い声

声が低いと言われた 人の口 目より口、が大事 その為には左足の小指を使わなきゃ ジャスミン…

ゆんか
4か月前
1

詩 くせになるから

くせになるから 頭の中に 生まれる生まれる 境界とあわいが出会ったところ 永遠に広がって…

ゆんか
4か月前
2

詩 祈り

今も想っています 夕焼けが雲に反射しているところや 海と空が溶け合うところ 砂浜が立っていられないほど熱いところ 確かに長すぎる 重すぎる 深すぎる と言われればそうですが、 私にとってはここが あそこを見据えたここが 美しく悲しく救いたい そう想うのです 近頃、休符が聴こえるようになりました 空気が視えるようにもなりました 紙を受け取る人がずいぶん あなたの手のもとへ 今も想っています