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詩たち

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大事にポケットにしまっておきたくなる一瞬や、周りの人の身になった気になったら見えてきた日常を、詩にしました なんかよくわからんけどいいな、と思ってもらえたら嬉しいです
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#詩のようなもの

カナシミ

涙が涸れた朝でさえ やっぱりお腹が空くからさ 透明色のカナシミと 向かい合わせに座っては 重…

ゆんか
1か月前
7

詩 きみはとうめい

つめたい海の底で きみが息を潜めて からだを小さくしている きみを傷つける者の怒号が響き…

ゆんか
5か月前
9

詩 こどもの手

ちゃぽん と水に 身体を入れると こどものような 手が見えた おふろの中の わたしは 無…

ゆんか
5か月前
8

詩 猫

きみに触れると いつもは牢獄のようなこの身体が 歓びを感じる きみの無防備さや 気ままさが …

ゆんか
5か月前
4

詩 風車

世界は変わっていなかった 相変わらず空には雲ひとつなく、 訪ねた映画館はもぎりがいなくて…

ゆんか
5か月前
6

詩 ジャングルジム

泣きたいのに 涙が出ない そういうことがよくある 泣きたい、泣きたい と心の中で呟いてみ…

ゆんか
5か月前
4

詩 寂しいひと

寂しいひと 寂しいひとが好き 傘に入るのを遠慮するひと 満員電車で反射した自分の顔を見つめているひと ファミレスの端っこで1人、ピラフを頬張るひと 朝7時に朝焼けを見上げるひと 名刺入れを置き忘れるひと にこにこ笑うひと 去りがたくても振り返らないひと 爪を噛むひと 背中合わせに座るのが好きなひと 猫に好かれるひと 葉から落ちるしずくに気づくひと 寂しくて寂しくて わたしと一緒にいてくれるひと

詩 ポケットに未来が入るなら

ポケットに未来が入るなら 過去はどうやって 持っていけばいい 背負うのは重いが 踏んで歩く…

ゆんか
6か月前
1

詩 ことばがかれている

ことばがかれている 忘れはてた男の奥にある ダムが開いて 私の失物を押し流す 未だに手を伸ば…

ゆんか
6か月前
1

詩 生きていくということ

生きていくということ 彼女と共にあるということ 悲しみがあるということ どうすれば良いか分…

ゆんか
6か月前
1

詩 亡き蚊の詩

目を開けると そこには蚊がいた みにくい、老いぼれた、しなびた 蚊が 生き永らえようと 僕の…

ゆんか
6か月前
2

詩 猫が眠るとき

ためた息を吐き出す 闇と猫が溶け合う 右の小指がつっている、 毛細血管に、 私が、一気に…

ゆんか
6か月前

詩 低い声

声が低いと言われた 人の口 目より口、が大事 その為には左足の小指を使わなきゃ ジャスミン…

ゆんか
6か月前
1

詩 くせになるから

くせになるから 頭の中に 生まれる生まれる 境界とあわいが出会ったところ 永遠に広がっていくことは 限りなく、いなくなることと似ている 引力を信じられるか 昔一度考えていた 隣のクラスメイトがぶんちんみたいに倒れてくることが分かって ギリギリのところで逃げきった もくもくもく 一番好きなのは星じゃない いつかビックバンが起きる 僕が僕でなくなるという事実の方が ちょっぴりだけ、嬉しくて 結構な時、足がマントルに突っ込んでる 視えてる人が分かるの