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詩たち

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大事にポケットにしまっておきたくなる一瞬や、周りの人の身になった気になったら見えてきた日常を、詩にしました なんかよくわからんけどいいな、と思ってもらえたら嬉しいです
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#詩人

詩 こどもの手

ちゃぽん と水に 身体を入れると こどものような 手が見えた おふろの中の わたしは 無…

ゆんか
3か月前
8

詩 あなたでない人と

よく考えていました あなたでない人を 恋人と呼ぶとき、 私はどんな瞳をしているのか どんな…

ゆんか
3か月前
4

詩 風車

世界は変わっていなかった 相変わらず空には雲ひとつなく、 訪ねた映画館はもぎりがいなくて…

ゆんか
3か月前
6

詩 ポケットに未来が入るなら

ポケットに未来が入るなら 過去はどうやって 持っていけばいい 背負うのは重いが 踏んで歩く…

ゆんか
3か月前
1

詩 ことばがかれている

ことばがかれている 忘れはてた男の奥にある ダムが開いて 私の失物を押し流す 未だに手を伸ば…

ゆんか
3か月前
1

詩 sound m

音に溢れたこの世界で 私が聴きたいのは 枯れ葉を選んで階段を上る足音と 烏がこちらを見据え…

ゆんか
3か月前
3

詩 旅半ばで

小鳥と云ふに相応しい者と 烏の対話を 色づけるが如く 黄色い手がうなりをあげる 空に昇りゆく笑い声が 重なり合って 息が浅いことに気づいた あの人の言う不快の音とは 普段は壁であるのに 耳を傾けると存在を顕わにする 彼は煙となる時 雪崩れを聴いたのか はたまた 溜息であったか

詩 生きていくということ

生きていくということ 彼女と共にあるということ 悲しみがあるということ どうすれば良いか分…

ゆんか
3か月前
1

詩 亡き蚊の詩

目を開けると そこには蚊がいた みにくい、老いぼれた、しなびた 蚊が 生き永らえようと 僕の…

ゆんか
3か月前
2

詩 猫が眠るとき

ためた息を吐き出す 闇と猫が溶け合う 右の小指がつっている、 毛細血管に、 私が、一気に…

ゆんか
3か月前

詩 低い声

声が低いと言われた 人の口 目より口、が大事 その為には左足の小指を使わなきゃ ジャスミン…

ゆんか
3か月前
1

詩 くせになるから

くせになるから 頭の中に 生まれる生まれる 境界とあわいが出会ったところ 永遠に広がって…

ゆんか
3か月前
2

詩 祈り

今も想っています 夕焼けが雲に反射しているところや 海と空が溶け合うところ 砂浜が立ってい…

ゆんか
3か月前
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詩 想い人

わたしのことを剝がせない人は 自分をおいて他にはいないということが 私の中を駆け巡り、 去ってはくれない でも踏切を渡るとき 湖の青さを知ったとき あなたの慈しむ船を見たとき この卑屈な私さえ手放してしまえば 手を取ることが 河岸まで泳ぐことが 抱きしめても壊れないことが できるのではないか そんないつかの私が いるのではないか と思う あなたを招き入れれば、 2階の窓から見える紺星や 午後4時のバスルームが 秋色を纏う、かな ふたりだけ