見出し画像

自分に対する「厳しさ」と「パワハラ」の違い

こんにちは、佐々木ゆにです。

2024年の夏は、統計開始以来もっとも暑い夏になったそうですが、いかがお過ごしでしたか。

暦の上では秋を迎え、落ち着いた空気感や日の短さ、すこしずつ色づき始めたイチョウや頭を垂れていく稲穂を見て、移ろいゆく季節を感じることが増えましたが、気温だけは別次元ですよね。夏の終わりは胸がきゅっとなるような寂しさがありますが、この厳しすぎる残暑はなんだかチグハグな感じ。でも、そういえば昨年も似たような感じだったかな。もしかしたらこれが、今後のスタンダードな夏の終わり方になっていくのかもしれませんね。

さて今回は、自分に対する「厳しさ」と「パワハラ」の違いというテーマでお話をしてみようかなと思います。

ハラスメント(harassment)は、和訳すると「いやがらせ」や「いじめ」にあたる言葉で、相手に不快感を与える発言や行為のことを指します。
パワハラ、セクハラ、マタハラ、カスハラ、モラハラ……挙げたらどれほどあるのかなと調べてみると、一説には、日本国内にある「○○ハラ」の数は100以上とも言われているのだとか。

通常、ハラスメントといえば、加害者と被害者、つまり2人以上の関係性のもとに生じる問題をイメージするかと思うのです。そして、こうした構図はわかりやすいため、当事者も周囲も比較的気付きやすいのではないでしょうか。

今回わたしが問題提起として投げかけたいのは、自分自身に対するハラスメントです。造語になりますが「セルフハラスメント」とでもしましょうか。

たとえば、パワーハラスメント。
厚生労働省のホームページには「ハラスメントの類型と種類」という項目が掲載されているのですが(※1)、職場におけるパワーハラスメントの代表的な6つの類型として下記があげられています。

①身体的な攻撃
②精神的な攻撃
③人間関係からの切り離し
④過大な要求
⑤過小な要求
⑥個の侵害

職場においては、上司が部下に対してという関係性が想像しやすいかと思うのですが、セルフハラスメントにおいては、自分が自分に対してという構図になります。

上記の①から⑥をセルフハラスメントにあてはめて考えてみると、例としては次のようなものがあげられるでしょうか。

①身体的攻撃
→自傷行為やセルフネグレクト
②精神的な攻撃
→存在価値や人格への否定
③人間関係からの切り離し
→他者に迷惑を掛けるくらいならと人間関係を断ってしまうこと
④過大な要求
→心身が疲弊しきっていてもなお頑張りが足りないと追いつめること
⑤過小な要求
→幸せになる権利など無いとその機会を剥奪すること
⑥個の侵害
→自分さえ犠牲になればいいと自らを雑に扱うこと

いかがでしょうか、中にはドキっとされた方もいらっしゃるかもしれません。

セルフハラスメントの難しいところは、自分が自分を加害していることや、自分が自分に加害されていることに気付きにくい点にあるように思います。そもそも「加害」だという認識すらなく、自分はそうして当然/そうされて当然であると心から思っていることが少なくありません。

これはあくまで経験論的な話なのですが、対人関係においては気遣いができ、優しく温厚で、責任感の強い頑張り屋さんに多い傾向にあると個人的には感じています。そうなのです、ハラスメントの加害者とは、もっとも遠いところにいるような方たちです。

もしそれが、向上心やモチベーションなどの建設的なマインドや行動に繋がるのであれば、それはきっと自分への愛ある厳しさなのだと思います。

でもそれが、憂鬱やつらさ、無力感などの生産的でないマインドや行動に繋がるのであれば、それは自分へのハラスメントといえるのではないでしょうか。

多くの場合、セルフハラスメントは習慣化され、強化されているものです。習慣を変えることは並大抵のことではありませんよね。それも意識的ではなく、無意識のうちにそうしてしまう部分が大きいように思います。

大切なことは、傷付けても構わない人なんていないということ、傷付いても構わない人なんていないということです。

そして、誰もがしあわせになっていいということ、誰にもそれを選択する権利があるということです。

あなただけが例外ということはあり得ません。

まずは、セルフハラスメントをしていないかどうか、それに気付くことや、知ることが最初の大きな一歩だと信じています。

そして、セルフハラスメントから抜け出したいと思えたとき、それはひとりきりでどうにかしなければいけない問題ではありません。

もし、わたしでもよろしければ、一緒に悩み、一緒に考えたいと思っています。どなたでも、minamoまでお問い合わせくださいね。いつでもそっとお待ちしています。

※1 厚生労働省「ハラスメントの裁判事例、他社の取組などハラスメント対策の総合情報サイト あかるい職場応援団」 「ハラスメント基本情報」ハラスメントの類型と種類 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/pawahara-six-types/

いただいたサポートは、もなか&ししゃものちゅーる代として、大切に大切に使わせていただきます(=^・^=)