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【カトリック総本山】教皇ヨハネ・パウロ2世により挙行された荘厳ミサ/ヘルベルト・フォン・カラヤン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ほか/モーツァルト:戴冠式ミサ【ミサ実況】

ずいぶんと久しぶりの更新になってしまいました。モーツァルトの宗教曲シリーズ、(とりあえずの)ラストを飾るのは、ヘルベルト・フォン・カラヤンとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、カトリック総本山の聖ピエトロ大聖堂でモーツァルトの「戴冠式ミサ」を演奏した際の録音。当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が挙行された荘厳ミサの実況録音です。

ジャケット表 教皇ヨハネ・パウロ2世に祝福されるカラヤン

曲目と演奏者

<開祭の儀>
・入祭の歌
・挨拶および回心の祈り
1.モーツァルト:ミサ曲 ハ長調「戴冠式ミサ」より「キリエ(あわれみの讃歌)」
2.モーツァルト:ミサ曲 ハ長調「戴冠式ミサ」より「グローリア(栄光の讃歌)」

・集会祈願
<言葉の典礼>
・第1朗読
3.答唱詩編
・第2朗読
4.アレルヤ唱
・福音朗読
5.モーツァルト:ミサ曲 ハ長調「戴冠式ミサ」より「クレド(信仰宣言)」
<感謝の典礼>
・共同祈願
6.奉納の歌
・祈りへの招きと奉納礼願
・叙唱
7.モーツァルト:ミサ曲 ハ長調「戴冠式ミサ」より「サンクトゥス(聖なるかな)」
8.モーツァルト:ミサ曲 ハ長調「戴冠式ミサ」より「ベネディクトゥス(ほむべきかな)」

<交わりの儀>
・主の祈り
・平和の挨拶
9.モーツァルト:ミサ曲 ハ長調「戴冠式ミサ」より「アニュス・デイ(神の子羊)」
10.モーツァルト:聖体拝領の歌「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

・拝領祈願
・閉祭

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン楽友協会合唱団
ソプラノ:キャスリーン・バトル アルト:トゥルデリーゼ・シュミット
テノール:エスタ・ヴィンベルイ バス:フェルッチョ・フルラネット
 ※1.2.5.7.8.9
指揮:ドメニコ・バルトルッチ
システィナ礼拝堂合唱団
 ※4
指揮:ボンファッチョ・G・バロッフィオ
教皇庁立教皇音楽学院聖歌隊
 ※3,6
指揮:ヘルムート・フロシャウアー
ウィーン楽友協会合唱団
 ※10
1985年6月29日(使徒 聖ペトロと聖パウロの祭日)
バチカン 聖ピエトロ大聖堂

演奏について

6月29日は聖ペトロと聖パウロが処刑された日とされ、カトリックの祝日のうちで最も重要な祭日とされました。
国際音楽年にあたっていた1985年、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮するウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、当時の教皇ヨハネ・パウロ2世が挙行した荘厳ミサで、モーツァルトの「戴冠式ミサ」の奉納演奏を行いました。コンサートにおける演奏と違い、「戴冠式ミサ」はミサの式次第に沿って分かれて演奏され、その間には信徒の祈りや聖歌隊による合唱も演奏されています。「感謝の典礼」の最初「共同祈願」では、日本人女性による日本語の「平和への祈願」が聞かれます。
カトリックにおけるミサの音楽はグレゴリオ聖歌によると定められているそうで、モーツァルトの曲が聖ピエトロ大聖堂で演奏されたのはほぼ200年ぶり。カラヤンのようなプロの演奏家が聖ピエトロ大聖堂で演奏したのは20世紀になってから初めて。歴史的なミサだったということです。

ウィーン・フィルの、それこそ練り絹のように美しい弦楽器の音色。独唱者たちの敬虔な名唱。コンサートでの演奏と違い、モーツァルトのミサ曲がカトリックの典礼の中で表現力を発揮するのが聴き取れます。
そしてこのミサの頂点となるのが、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。オルガンの静かな伴奏に乗って歌われる歌声が、聖体拝領の感動を盛り上げます。

1985年当時のクラシック音楽誌(音楽の友、レコード芸術)では、このミサのレポートが掲載されました。そして、「カラヤンはこのミサの収録を希望したが、ドイツ・グラモフォン(カラヤンが契約していたレコード会社)が『聖堂の豊かな残響が録音に適さない』として録音を拒否」したため、この演奏は録音されなかった」とのルポも・・・・
しかし翌86年の3月、各音楽雑誌に「関係者の話し合いが成り、ミサの全貌を収めたCDがまずヨーロッパで発売された。日本版は86年の夏になる模様」という記事が突如掲載されました。
CDが発売される日を今か今かと待ち暮らし、日本発売された86年7月26日に即日購入したのがこのCDです。

解説書裏
中央やや左、赤い僧服の人が教皇ヨハネ・パウロ2世
その奥がウィーン・フィルとウィーン楽友協会合唱団
後ろ向きの白髪の人がヘルベルト・フォン・カラヤン
オーケストラの右手にTVカメラが並んでいるのも確認できる

増山江威子さんのご冥福を祈って

ルパン三世の峰不二子、キューティーハニー、天才バカボンのママ、一休さんのナレーター、その他その他その他・・・・。昭和から平成にかけてのアニメで魅力的な女性の声を数多く演じてこられた増山江威子さんの訃報が報じられました。
この方、私が生まれる前なのですが、NHKの伝説の人形劇ひょこりひょうたん島にも出演されていたのですね。
長い年月にわたって、テレビの前の子どもたちを魅了し続けた方でした。
心から、ご冥福をお祈りいたします。


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