フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲&交響曲第38番「プラハ」
モーツァルトの有名な序曲とメヌエット楽章を欠いた3楽章構成の第38番「プラハ」のカップリング。序曲も「プラハ」も天馬空を行くような名演です。
ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲&交響曲第38番「プラハ」
このディスクの録音は1988年11月。おそらく、彼らの1988年の第2次ワールドツアーの際の凱旋公演の記録。
ズバリ独断で言っちゃうけど、ブリュッヘン&18世紀OのPhilips録音はこのディスクがベストと思います。
ひそやかな弦楽器群のざわめきで始まり、歌劇の開幕にふさわしい愉悦感に満ちた「フィガロの結婚」序曲。それに続く、天馬空を行くような爽快感に満ちた交響曲第38番「プラハ」。一夜のコンサートを構成するような曲目の配列もあって、鑑賞後の充実感も満点です。
ここでの「プラハ」も、交響曲第39番や第41番「ジュピター」と同じく楽譜に記されたリピートをすべて実行しているのですが、第39番の時のように「少しくどい」という印象はありません。
このCDを聴くと、「フィガロの結婚」序曲は歌劇の開幕への期待を盛り上げるにふさわしい曲であることが分かるし、「プラハ」は一夜のコンサートを締めくくるにふさわしい充実した作品であることも分かります。
のちにこのnoteでも取りあげますが、ブリュッヘンは1995年のザルツブルク音楽祭に出演し、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団を指揮していますが、そのコンサートのメインの曲目が「プラハ」でした。
これ以後、ブリュッヘン&18世紀Oはモーツァルトでは36番「リンツ」以前の曲へ、ベートーヴェンでは第4番以降の曲へとレパートリーを広げていきます。ベートーヴェンは、後に彼らの1回目の交響曲全集へと発展します。
次回予告 フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラ / モーツァルト:交響曲第28番&第36番「リンツ」
モーツァルトの交響曲2曲のカップリング。