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所得税・住民税の計算手順を解説3


第2回 坂本龍馬さんの場合の2024年の住民税です。
 
さてここからがクセモノの住民税。お住いの場所によって呼び方は様々り、市民税・町民税・村民税・特別区民税・都民税・府民税・道民税・県民税・・・ほかにありましたっけ?の税の事です。ここでは、私が居住する自治体の基準で計算します。皆さんは、それぞれお住いの自治体サイトなどで、確認してくださいね。
では、気を取り直しつつ今年2024年に給与から引かれる分を計算してみます。
まず、税の対象期間なのですが、
 所得税が2024年の1月1日~12月31日の収入に対して課税計算される
のに対して、
 住民税は2023年の1月1日~12月31日の収入に対して課税計算される
の違いが有ります。よーく見てくださいね、住民税は去年の収入が基準になっています。
ですので、大卒の新入社員は今年は住民税は発生しません。逆に昨年中に定年など退職された方は、今年も住民税はたくさんあります。

では、いつ納税するのかというと、
給与所得者の場合6月~翌年5月ににかけて特別徴収(給与から差し引く)されます。
それ以外の場合は、役所から通知が届き、6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて納税(一括納付も可)することになり、これを普通徴収と呼びます。
更に、住民税は内訳として
 均等割・・一定の所得以上の方に課税
 所得割・・所得に対して課税
の二つが有り、合算する形になります。(水割と、梅割りを混ぜ合わせするようで、あんまり嬉しくは有りません)
ちなみに、均等割が課せられなくなる所得は坂本さんの様に扶養が無い人は、45万円以下です。
 
初めに設定条件などは以下をご覧ください。

給与所得の計算
所得税と同じように、給与所得控除をまず差し引きます。
計算の基となる収入金額は222万円になりますので、
「給与所得の計算方法」という表を見ると、180万円~359.9万円までのランクとなります。
①    222万円÷4=55.5万円(1,000円以下切捨て)
②    55.5万円×2.8-8万円=147.4万円
 
課税所得の計算
上の所得から該当する14種類の各種控除を差し引きます。
 雑損控除・医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済控除掛金等控除・生命保険料控除・地震保険料控除
 障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・基礎控除
 
さて、坂本さんに戻りますが、やはり控除対象になるのは基礎控除のみですので、
147.4万円-43万円=104.4万円
 
①所得割の税率は10%ですので、税額は
    104.4万円×10%=10.44万円
 (市民税6%、県民税4%の計10%)
※調整控除
複雑なので所得税と人的控除の差額調整的な意味ですが、非該当
 
②均等割の税額は
 市民税3000円
 県民税1500円
新たに森林環境税として1000円
合計5500円
 
従って、住民税は所得割+均等割となり、
10.44万円+0.55万円=10.99万円
 
まとめますと
2023年の給与収入は222万円
初めに給与所得控除を引いて
総所得が147.4万円
14種類の控除額計 43万円を引いて
課税総所得額が104.4万円
所得割が10%で10.44万円
均等割が森林環境税込みで0.55万円
住民税は合計で10.99万円
給与明細上の毎月の住民税額は12ヶ月平均で9158円程度
です。(6月から来年5月まで)

但し、今年は定額減税が有りますので、
10.99万円-1万円=9.99万円となり、
9.99÷11=0.902万円
6月=0円
7月~来年5月まで各月9080円程度になります。

参考までに、普通徴収の方は6月は0円、残り3回を元の住民税から1万円を引いた分に対して1/3づつとなります。(坂本龍馬さんの様に扶養無し)
 
なんだか、ややこしいですね。
1回目に書いた「住民税の方が高い気がする」と云うのは、
所得税に対して①控除額が少ない事と、②税率が倍になっているという事からきているのでした。
ちなみに疑問なのですが、今回から住民税に森林環境税がついでの様に引かれることになりました。本来は国税ですから、所得税側に賦課すればよいのになぜなんでしょうね。
何か、いやらしい意図を感じます・・・。
 
いつも、お読みいただいてありがとうございました。
 
これからも、よろしくご愛読くださいませ。
 


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