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2021年に聞いた音楽で良かったものをまとめました 2
【国外】
1【Tyler, The Creator - SWEET / I THOUGHT YOU WANTED TO DANCE】
アルバム「CALL ME IF YOU GET LOST」より
10分に及ぶ曲はバックトラックが目まぐるしく変わり、その中でも4’45”あたりから唐突に挿入されるレゲエのサンプリングには凄まじいセンスを感じるダイアン
タイラーはグラミー賞でこのアルバム、
前作もHIP HOP部門で評価されたわけだが
本人はPOP部門でと主張しているらしい、
聞けば分かるが万人が必ず良いと思える
楽曲が1つは入っているのだから
その葛藤は正しいと思う
2【Floating Points, Pharoah Sanders & The London Symphony Orchestra - Promises】
JAZZ界の巨匠サンダースと電子音楽界の鬼才がタッグを組んだ今作はまるで底なし沼のようだ。
何故なら聴くたびに印象が変わるし
明確なフレーズというものが存在せずただ鳴っているからで、スーパーやデパートのミュージックとも違うし家具のような音楽として無視する事も不可能だ。
ファラオ・サンダースはジョン・コルトレーンに
師事しカルテットを組み、彼の死後は何枚もソロアルバムを発表してきた。
その中でも「Karma」というアルバムは個人的に強く衝撃を受けた
音楽とは一体何なのかという疑問を抱くきっかけになった作品でもある
一方Floating Pointsは09年の「Vacuum EP」で初めて聞き、テクノとハウスの中間、
当時流行っていたミニマルとニューディスコ文脈で解釈していたが今聞くと完璧なDEEP HOUSEだと気付く。
両者に共通するものは音楽への愛情と実験精神だ、それがコロナ禍の中で見事に融合し
両者の代表的な作品の一つとなっている事は間違いないだろう
3【Sam Gendel - Fresh Bread】
2012年から2020年の間に自宅で録音された秘蔵音源52曲が収録された大作
Sam Gendelは細野晴臣のラジオでも今年のトピックに挙げられており
様々なアーテイストがラブコールを惜しまない
近作では秩父のギタリスト笹久保伸との共作まであり今最も脂の乗ったアーティストの一人だろう
4【Third Son - Your Face as Art】
ロンドンのプロデューサーであるThird Sonの仕事ぶりは去年に引き続き素晴らしい
多作でありながら常にスタイルを変え追求し想像を超えてくる
近年の作品は全て必聴で、discogsや本人のSNSでもきちんとまとめられていないのが勿体ない
5【Gombeen & Doygen - D'Americana / Auto-Lies】
アイルランドのアンダーグラウンドから出現してきたアーテイスト
もちろん初めて聞いたがドラム&ベースの音色が何とも魅力的ですぐにベーシックチャンネルを思い浮かぶだろうがそれプラス近年の
ベースミュージックの要素も加わりかなり
エッジの効いたNEW WAVEとして聴ける
この曲が一番今年らしいなとも思った
6【MAD REY - B.R.O】
5曲入りのEPだがOmar-SのRemixが入ってたので聞いてみたところまるでD.A.Fを聴いてる錯覚に
止まる事を知らないハンマービート
かと思えばメロディアス
7【The Pop Group - Y in Dub】
ポップグループが79年にリリースした1stアルバム『Y 』のプロデューサーであるデニスボーヴェルによるダブアルバムが新譜としてリリースされた
これは往年のファンとしては事件としか言いようがない
言うまでもなくShe Is Beyond Good And EvilのDUBは超ダンサブルでかっこいい
「Y」の時のメンバーがまだ10代というのは
現代に生きる我々にとってどう考えるべきなんだろう。石野卓球の一連のツイートにも感動する
8【Loft - Wish It Would Rain】
Loftことアヤ・シンクレアは
今年HyperdubからAya名義で
とてつもないアルバムをリリースしている。
自分はとしての彼女を長年聞いてきたのでこちらに手を挙げたいのだが、
このEPが素晴らしくエモいのだ、「雨降って」との事だがアートワークも含めてリリース時期の
初夏、黄昏時の夕立に想いを馳せてしまう
9【Yu Su - Yellow River Blue】
一昨年のEPはMUSIC FROM MEMORY傘下の
ダンスミュージックレーベルSecond Circleからリリースされその存在感を見せつけたユースーだが
今年待望のフルレングスを発表
エキゾチックな雰囲気の音像に浮遊館漂うシンセポップは昨今のNew Ageリバイバルにも通じるところがあり約束された成功に近いものがある、
ぜひYaejiやYONYONなどとコラボをしてほしい
10【Sun Rhythms - First Touches EP】
とにかく1曲目の「Better To Love」を
聞いてほしい。今年のアンセムとして挙げても良いくらいの素晴らしいニューディスコでブームだった2010年あたりの雰囲気を真空パックしたようなワクワクしながらクラブへ通っていた時代を思い出す
11【Lowtec - Easy To Heal Cuts】
ベテランプロデューサーの新作は何も迷いが無い
この音こそ全てと訴えられてるような気すら思えてきてリスナーとしても安心して聞いたり購入できるのではないだろうか
ちなみに私が最も好きなレーベルの一つとして「WORKSHOP」があるが
Lowtecはカタログ1番を担当している
12【Call Super - Cherry Drops II】
ミュージシャンズミュージシャンのイメージが強い実力者Call SuperのEPより
たまたま深夜ラジオでかかっていてどハマりした
ここ2年ほど爆音で音楽を聞いていないのでこの曲を大きなサウンドシステムで浴びたい
13【Quantic - Heaven Or Hell】
大人気のクアンティックの新作はラテンのリズムを使ったハウスミュージックで
文句の付け所が全く無いほどに完璧な音だ
「Mala in Cuba」のような金字塔を打ち立てるのもすぐそこだろう
14【Sofia Kourtesis - Fresia Magdalena】
ソフィア・クルテシスは1984年生まれのペルー
出身でベルリンを拠点とする
ハウスプロデューサーだ
3枚目となる今作は前2作での
Studio Barnhusカラーを出しつつも、
絶大な人気を誇るFour TetやCaribouなどの音像に近いものを取り入れオリジナルな
柔らかなテクノを奏でている
1曲目からリスナーは音の虜になるに違いない
15【Howie Lee - Birdy Island】
北京のプロデューサーによる鳥と祖先の霊が共存する架空の島をコンセプトに制作されたアルバム
様々なアーティストの作品を聞いてくると
ジャケ買いやタイトル買いなどの感覚が身についてくる。自分は”Island”が入ったアルバム名は長くなければ大抵耳に引っかかる経験があり今作もしっかり当てはまってくれた
16【Joaquin Joe Claussell - Way Back Then】
アルバム「Raw Tones」より
1曲目のLock Downからコロナ禍でのクリエイトだったのだと思うからか
全体的にダンスよりではなく浮遊感漂うAmbient Houseと言った印象だ
個人的にベストトラックであるWay Back ThenはJoeらしいコード進行に加え
スピリチュアルなシンセのループと美しいピアノの音色に心地よさが溢れている
17【Unknown Artist - Community Arts Project】
著名なアーティストの変名だと思われるが
「団結」をテーマに4曲収録
1曲目はまさに「さあ革命の話をしよう」と説かれているかのようなビートダウンで政治家のような人物に演説がサンプリングされている
18【SRIRAJAH SOUND SYSTEM -
SI PHAN DON LOVERS ROCK】
タイのサウンドシステムが放つモーラムラヴァーズロック。ジャマイカやUK、日本のレゲエとも違う何とも言えないゆるさがあり
自然に身体が動き出してしまう
ちなみにモーラムとは日本で言うと演歌のようなもので土着的要素があり、
各国のオリジナルサウンドはラヴァーズロックとの相性が良い事が分かる
19【Disclosure - DJ Kicks】
今作は唯一のDJ MIX作品、Disclosureはデビューしてからメジャーまでの期間素晴らしい作品を
連発していたがメジャーになると良さの大部分が失われていたので大いに失望していたのだが
近年は以前のスタイルに戻りつつある
彼らの特徴的なベースラインをこのMIXでは
存分に堪能できる
EPでいいので画期的作品を聞きたい
20【Damian "Jr Gong" Marley - Life Is A Circle】
最後はボブマーリーの息子ダミアンの神への賛歌
「人生は周り回って元に戻る、嫌なことも良いこともあるけど前向きにの乗り切ろう」
Jamaicaはキリスト教徒が多く、伝統的にハードコアなDeeJaeであろうが、
シンガー、シングジェイ、レジェンド、ラスタ、
ありとあらゆるレゲエの関係者が
神への賛歌、人生についての歌を歌う
この曲はストレートな歌詞も良いがトラック、
歌声、ベストマッチだと思う