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花時雨 ~探す旅の果て~
「こんなところに呼び出して、何なの?」
「前に、君が言っていた、人間とは何かについて、伝えておきたいことがあって。」
「こんな茂みの中に、何があるというの?」
「まあ、そんなに慌てるな。世界の秘宝というものは大体、危険から守るために、人目につかないところに安置されているものなんだ。」
「確かに、この場所は、何か、花に守られている感じ…。甘い香りに包まれて、ちょっぴり、神聖ね。」
「そう。そして、君は今から、この神聖な場所で洗礼を浴びて、『神』に近づくことができるというわけさ。」
「どういう意味?」
「花に守護された聖域には、原初のヒトを神に進化させる呪印が封じ込められているという。しかし、適応できるのは、その遺伝子が組み込まれた、選ばれた人間しかいない。君はまさに、その『選ばれた子』なんだ。」
「…なんですって…!?」
「驚くのも無理はない。なにせ、君が探していた『人間』こそが『神』であり、その『神』の力を宿す人間が、君に他ならないということなんだからね。」
「なぜ黙っていたの!?」
「すまない。『時』が熟すまで、君という器がまだ足りていなかったんだ。だから、相応に達した今だからこそ、君に伝えたいと思って、ここに呼んだのさ。」
「…あなた、まさか、私を最初から、『この場所』に誘導するつもりで…!」
「ふふふ。そう捉えられても仕方がないね。そう、私は、すべてを知っていた。君が探し求めているものが何かも、そして、この先がどうなるのかも。」
「なんてこと…。私は、檻の中で、踊らされていたわけね…。」
「君が知りたかったことだろう?すべては君のためさ。それでは、今から儀式を行う。ほら。」
「きゃっ!何をかけたの?!」
「服を溶かす薬、だ。神聖な裸体を神に捧げ、神を君に降臨させる。『創造』の始まりだ…!クックック…皮肉なものですねぇ…。君が探し求めていたものは、すでに、君の中にあって、そしてそれは、人知を超越した存在だったのだから…!」
「きゃあああ!服が…!溶けていく…!」
「さぁ…、生まれたままの姿になれ!母なる息吹よ、神より聖なる光を与えられん!」
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話のオチの、服を溶かす薬をぶっ込んでみました。
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