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見て、食べて、聴いて

 東京の下町で生まれ育った18歳が、大学進学を機に山々に囲まれた信州に住むようになった。そして気づいてみたら6年目。思うところあって、大学を卒業しても「就職」はせず、学生時代の延長のようなバイト暮らし。
 思うところあってという、その「思うところ」とは、ささやかだけどやってみたい「個人事業」のようなことがありましてねって感じ。大学を出ても「何者にもなれていない」現実は、多少不安ではある。けど、今はいろんな意味で準備期間なんだよと、自分で自分に言い聞かせてる。お金と心の両方の準備期間ってこと。
 幸いなことに、親は「好きにやればいいよ」ときわめて寛容。いっさい口を出してこないのはありがたい。たんなる放任かもしれないけどね、笑。
 
 ということでして、この note はそんな私がざっくばらんに書き残していく雑記帳みたいなものです。ついこの間まで、別なところにそういうものを書き散らしてたけど、思うところあってリセット。日々の雑事を散漫に書き散らしてるだけでは意味ないよなーって思えたもので。なので、ここでは、私が日々暮らす中でのささやかな楽しみごとである「3つ」のことを、感じたまま思ったままに書き残すつもりです。
 1つ目は「見たり、触れたりして感じたこと」。平凡な田舎暮らしの中で目にした風景、山や川、草花や木々、季節の移ろい、それらを味わうささやかな「花鳥風月記」のようなものを。
 2つ目は「作って食べる」。元来食いしん坊で、美味しいものを作って食べることに労は惜しまない。外で食べて美味しいと思ったら自分でも作ってみないと気がすまなくなる。そんな性分の私の「台所日記」を。
 3つ目は「聴く」。音楽を聴くこと。高校時代からハマってる決してメジャーでとは言えないジャンルの音楽のことを少しばかり書きとめておこうかなという感じ。
 この「見て」「食べて」「聴いて」という他愛のない3つのことを重ねながら、平々凡々な田舎暮らしをしてきてる風来坊のような人間の足跡。未来の自分に残すもの。そんな感じですかね。

 ということで、以下は本日の「見て」「食べて」「聴いて」です。

 まずは、夕暮れ時の風景。秋らしい日没直後の空気の感触が少しは伝わるといいな〜って思う。住んでいる千曲川の南側に広がる塩田平という場所。四方を山に囲まれた上田盆地の一角。夕陽は松本とここ上田を隔てる山塊の中に沈んでいく。真ん中あたりにちょこっとある山は、子檀嶺岳(こまゆみだけ)といって、お隣の青木村にある1000mちょいくらいの山。空気が澄んできて秋らしい夕景色。田んぼ道で自転車を止めしばし見惚れてました。


【台所日記 #001】
 今日の夕食はカツ丼。
 もともとが江戸っ子てか関東人。だからカツ丼といえばもっぱら甘辛い卵とじのカツ丼だった。だけど長野県に住み始めてからはソースカツ丼を食べることが多くなった。駒ヶ根の明治亭のソースカツ丼などはとっても美味。でもそんな中、一昨年に知って以来どハマりなのがこのカツ丼。新潟タレカツ丼。
 ソースではなく、醤油ベースのコクがあって出汁が効いてる甘いタレに浸したカツを熱々のご飯にのせます。新潟出身の友達が教えてくれ、彼女が帰省した時に買ってきてくれたタレで作ってみたらすっごく美味しかった!以来、カツ丼はもっぱらコレ。トンカツだけでなく、サーモンやブリの切り身の魚フライでもイケる。てか、我が食卓ではそっちの方が多いかも。今日は安く買えたイナダで作った。青海苔も散らし、いい感じの香り。秋のうちにサーモンのタレカツ丼を作りたいね。
 このタレ、新潟のスーパーではどこでもふつうに売られてるらしい。けど、ご近所ではまったく見かけない。今日使ったのは、夏に海を見に上越市に行った時にまとめ買いしてきたもの。近いうち自家製のタレの制作にも挑戦してみようかなあ。


【音楽室 #001】
 内外のいろんな音楽を気の赴くまま聴き漁ってます。その中で、「このアーティスト最高!」っての1つだけあげてみろって言われれば、迷うことなくこの Sigur Rósをあげる。 アイスランドのポストロックバンド。このバンドに限らず、北欧のポストロックやエレクトロニカには目がない。音の清涼感とか空気感とかが格別なものが多いから。10年前のアンビエント色の強かったアルバム Valtari から冒頭の曲。Ég anda、英訳すると I breathe、「私は息を吸う」。しっかりと呼吸するってイメージですかね。 
 Sigur Rós の音楽全体に、極限のような状態でも息づく「生命」の鼓動のようなものを感じるけど、この楽曲もそのひとつ。

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