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フリー麻雀雑記 帰ってきた場末雀荘編

 2022年3月某日。私はやっとこさ大学受験を終え高校も卒業して堂々と雀荘に出入りできる身分になった。

かつてこの記事で書いた「麻雀 銀杏」が最近やっと緊急事態宣言によるコ口ナ自粛を終え営業を再開したとの噂があったため少し訪ねてみようと思い午後一時に自転車を飛ばし向かった。


 開いてない。

 鍵はかかってるし店の看板に書いてある電話番号は現在使われてないみたいだし駐車場に何も停まってない。2時間近所の本屋で立ち読みして時間潰して再び向かうと店の外からでも威勢のいい声が響くのが分かった。


「ロォン!マンズリィ!」

 よくある初心者向けのノーレートフリーの店でやったら一発出禁どころか同卓者全員に録音されてTwitterに晒し上げられて炎上しそうな信じられない発声が飛んでくる。
 ちなみにこれは「マンガンのスリー」で要するに8000点のチップ3枚くださいというニュアンスになる。下ネタに聞こえる人はどうかしてると思う。

 入ると既に四麻のフリーが一卓と前に来た時もやっていた東天紅三麻のセットが立っていた。先ほど聞こえた声はおそらくこの男のものだろうか。中途半端に茶髪に染め黒髪とマダラになっている。また当たり前のように店長含め全員マスクを付けてない。

 とりあえず半荘が終わるまで後ろ見をしてから2000円でチップを購入。最初の場代は抜かれて8枚貰いスタートだ。
(チップは一発裏と門前の赤牌で200円、赤3枚ルールで0.5のウマ1000-2000円となる。場代は400円のトップ賞で追加200円。連対をとる事が重要になるルールである。)

早速場決めの風牌を取り起家席へ。点棒の整理が終わっていない卓を整えて開局の赤ボタンを押す。

 配牌はこう。悪くない。西から打って門前でピンフのリーチを目指しつつダブ東の重なりは逃さない感じでやっていく。

 この配牌が、

6巡目にはこの形。14pを引いたらカン5mで即リーを打つかどうか考えていたところに引いたのは3m。迷わず6mを摘み上げ中指で卓に叩きつけるようか動作で横に置いた。

 ちなみに健全なチェーン店のような雀荘ならこれだけで指導対象である。場にはピンズが高くダマでもそこまで出そうにない。いきなりだがこれを決定打にしてやろうとすると下家が一発消しのチー。それで食い流れた牌をなぞるとそこにはシンプルで深い窪みがひとつ。白ポッチツモから裏に3pを乗せて初っ端から8000オールの2枚スタートである。危うく御無礼と言いかけた。この局は東3局に下家が飛んで終了。4000近い浮きを手にする。

2戦目に上家のジジイがこんな捨て牌でリーチ。東2局で点棒はほぼフラットの場面。

上はリーチの捨て牌、下段がそれを受けての自分の手牌

 ここから現物の7pを素抜く。2pを切ると悪くない形の1シャンテンだが打点はなく聴牌した際3s乃至8s(または5s)を切る事になる。原則リーチに対してノーテンから2筋押すことはタブーだ。後ろ見に「かてえなにいちゃん!麻雀もコッチもガチガチじゃねえの!」

と相変わらずの下世話なコメントが入る。まともな10代の若者ならもう二度と来ないレベルだが私は素直に大笑いしながら卓に入った。

この日は結局1万少々のプラス。帰りに焼き鳥買って自転車で帰った。これが一日目の出来事である。

 伏線は回収してないわなんもかんも中途半端だが次回に続く

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