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八段になるまでの話 ※三鳳AC202312/20


「八段」には強いこだわりがあった。
17歳の時に四麻で七段になって以来天鳳の成績はずっと冴えずとりゅさんアカウントはストレートに7→4の後段を果たし葱間葱抜アカウント(三麻用)でも7段坂は二度転げ落ちている。私はこれまで二段以降全ての段位で苦戦していて毎回その段位に見合うだけの力を付けて時間をかけて登ってきた。(おかげで四麻五段坂に770戦もかけてしまった)。

 周りを見ると高校生で三麻九段四麻八段を達成した星竹肉パセリ氏や三麻十段複数回の兵庫のひよこ氏など凄すぎて嫉妬する気にもならないような天才ばかり。しかも年下達は軽々と特上卓を乗り越え追い抜いてくる。当然並々ならぬ努力があってこその結果なのだろうが、それでもどうしようもない差は身に染みて感じさせられた。(普段あれだけ大口叩いているが「自分に麻雀の才能はない」と思っている。ただ病気レベルに麻雀が好きなだけであって今後どうやっても最強格の面々には遠く及ばないだろうと今は思っている。)そのうち「最高七段止まり」「お前は所詮鳳凰卓じゃ通用しない打ち手なんだよ。鳳凰で勝ち越せるレベルにはなれない」と八段に対してコンプレックスを抱くようにもなりだした。

 2年、3年と特上卓で燻る日々が続き、次第に天鳳の打数も減りつつあった。麻雀の戦術書や講座動画を見るのは趣味の一環として続けていたが次第に頭打ちになった。

 カンチャンドラ1はリーチ。対リーチにノーテンなら降りるしテンパイなら押せ。そんなものはわかってる。そうしているのに勝てないんだ。どうしてだ。少なくとも七段タッチした当時の自分よりは強いはずなのに。

そうして悩み半ば四麻を投げ出して三麻を打ち始めた。ちなみにアカウント名の「葱間葱抜(ネギマネギヌキ)」は三鳳にいる強いひよこたちを焼き鳥にして食っちまおうという目標から名付けた。特に苦労せず六段までは登れたがそこからがきつい。特上卓で勝ち越せはするものの常に勝ち続けられるわけではなく何度も56ループを繰り返した。そんな中発売されたのがこの、

「鬼打ち天鳳位の三人麻雀 勝利へのプロセス(お知らせ著)」である。筋本数などのカウンティングから各牌の危険度を認識すること、はっきりとした基準を以てどんな盤面にも最適な選択を選ぶこと(特に「補講8 平面的先切り判断」の項目は圧巻だ)、そして理不尽を受け入れ乱数に身を委ねることを学ばせて頂いた。高校の通学中や授業中に何度も読み込み教科書の数倍の量のアンダーラインが蛍光ペンで引かれた。

おかげで第一志望には落ちた

そうして本を読んで打つ、放銃したり押し引きに悩んだ場面は牌譜を見返して本と照らし合わせて本当に判断が正しかったか確かめる、また打つ。  
 データ本(データで勝つ三人麻雀)も授業中によく読んだ。特に各種待ちごとの和了率のデータは参考になった。それとも合わせて読む。打つ。見る。大学生になってからは雀荘メンバーとして仕事で三麻を打つことも増えたがそこでもこの経験は生きた。

 また半強制的に鬼打ちする環境に身を置いたおかげで瞬間的な判断力とパッと見での情報処理能力は鍛えられた。そうしてようやく三鳳で養分にならない程度の力は付けられた。最強にはなれないかもしれないけど、ただ好きなだけの凡人のままどこまでやれるかを試したい。そうして今後もずっと打ち続けたい。

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