見出し画像

"안나라수마나라" アンナラスマナラ



"안나라수마나라"
アンナラスマナラ

彼が次の作品に
これを選んだと聞いて
すぐに原作を読んで…

リウルは彼にしか…と思ったのは

あまりにも
そこにある痛みを知る人だったから

リウルと向き合う日々は
彼にとってどんなものだったんだろう

思い出すのは
苦しくなかったのかな



ただ一つ言えるのは
あまり自分の痛みを話さない彼が
それに触れるようになった、ということ

触れた時、痛くなくなった?
そんなわけない、か

ひとつずつ
またこうやっていろんなことを
超えていくのかな




長い長い沈黙から
やっと姿を見せてくれてたリウルは
想像を超えて
彼にしかできない
そして
どこまでもただ"ㄹ"でした

文字としてすら形を成さない
その
不完全な名前
不確かな存在


リウルが常に
魔術師の姿で生きるのは
人の目に囚われて
常識に縛られる
大人への揶揄なら

大人が子供の心のまま
その姿でしか…な彼の
生きにくさと
その難しさは

愛おしくも切なくて





リウルは自分を本当の魔術師だと言う
そう思いたかった人、なのかも

もし魔術が使えるなら
アイもイルドゥンも
一瞬で苦しみから解放されるわけで

気づくきっかけだけを差し出すリウルは
深い闇からやっと見つけた
"自分のままで"
存在する方法を見せたかったのかも

このままだと
壊れてしまう2人に
自分を重ねて…

あなたらしく
あなたのままで、と




呪文ひとつで嫌なこと
全部消してくれるような
夢物語ではなく

この時だって
一瞬で消せたはず
消せなかったその虚しさは
彼も人だからで

魔法使いじゃない
タネも仕掛けもある魔術師ならば

それでも彼が
魔術で夢を見せたかったのは

やりたくないことに
潰されちゃいけないんだよ
やりたいことを
手放しちゃいけない

闇の言葉に
引きずられないための

"안나라수마나라"




最後に

これ以上傷つかないように、と
彼がリウルに願った言葉を思い出して

その影が優しいものであってほしいと
心から願ってしまうんですよ

どうか一人でいませんように







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?