祖父が亡くなった


2月に祖母が亡くなったと思っていたら、その半年も経たずに祖父が亡くなった。本当にびっくり。

ずっと患っていた祖母とは違い、病気もしてないなくて、ただ老いから来ているだろう認知の衰えと性格が歪んだのとそれくらいだった。

祖父母が入っていた施設は割と自宅から近かったので、病院の送迎で車を出したり、母が施設に行けないときに顔を出したり、本格的な介護はしていないが、補助のような形で手伝っていた。

3月には祖母の四十九日があったので、そこで会ったのがまともに祖父と話した最後だ。あの頃はまだをカートを使って歩いていた。昼ご飯のカレーを「ベタベタする」と一口も食べずに拒否、お坊さんに暴言を吐いて「なんだこの爺さんは……ワナワナ」と思った……。

なんか弱ってきたんだよね、ごはんも食べなくなっちゃって。と母から言われたときに体調面とは思わずハンストしてるんだな〜くらいに思っていた。母もそう思っていた。
5月に入って急に「施設から呼び出しがあり、今後の方向性を決める」と言い出したので、私と夫はびっくり。そんなに悪くなってたんだ。
それから2週間も経たずに、危ないかもしれない、と連絡があった。90を過ぎるといきなり悪くなる。食べられない、というのがどれだけ生命に直結するかを知った。


いつ亡くなってもおかしくない、と連絡が来て。
電車とバスで徒歩入れて1時間半、私も体調を崩しているなか施設に行けるだろうか……と悩んでいた。
出かけたくない気持ちと、これで会いに行かなくて後悔したくないなの気持ちとこんなに死が迫ってるのに会いに行かないっていいのだろうか、と悩み、とりあえず母の昼食を届けて私もそこで食べて、そして祖父の様子を見よう!と決めた。
他にも色々悩むことはあったが(祖父危篤からずっとうちの家で待機している父がまじでめんどくさい、一緒に行くか聞かれるだろうけど、父の運転で施設に行くと必ず車酔いする、父の昼ごはん作るの超めんどくさい、ひとりで行って息子の幼稚園の降園までに帰りたい)とか考えている内に家を出ることにした。

母と自分のお昼を買って、祖父の部屋に入ると、2ヶ月前にあったときからは想像できないくらい弱った祖父がいた。もう息をしているだけ、声かけには応じるだけ。会いに来たよ、と声を掛けると小さく頷いた。

母とお昼を食べて、そろそろ息子のお迎えだから帰らなきゃ、と祖父に声をかけた。
すごく葛藤した。いつもは「また来るね」と言って手を握るけど、今日は嘘になってしまう気がした。
「お迎え行くから帰るね、じゃあね」と声を掛けると、あれ?さっきまで苦しそうな呼吸をしていたのに?止まってる?と思った。母も気がついた。手を取ると、口が動いたのでまだ生きている。と安心して部屋を出た。
どうやらそれが最期になってしまったらしい。

施設を出て、数m歩いた所で母から電話があり「なんかやっぱりあれで亡くなったみたいなの……」と電話があった。本当に困惑すると笑うことしかできない。
急いで施設に戻って、入口を叩いて開けてもらって、に職員さんに声をかけた「なんかいま、母から亡くなったって電話きたんですけど」となんとも情けない言い方だった。急いで職員さんと部屋に向かった。
(この直前に職員さんに「〇〇号室の〇〇の孫です。いつもお世話になっています。」と挨拶したばかりだった)

職員さんと看護師さんで死亡確認があって、本当に祖父が死んでしまった。とわかった。
職員さんと駆けつけるまでは、でも息を吹き返してるかも……とかお母さんの見間違いかも…とか思っていた。
覚悟していた、というか、突然の話とはいえ突然では無かったし(うまく伝わるだろうか)、そのつもりで来たけど、いざ目の前で亡くなるというのはそれなりの衝撃があった。

あとはもう施設の人と母に任せた。
お医者さんが来ないと死亡確認できないし、このあと葬儀屋さんが入るし、そもそも私も息子のお迎えにいかなきゃいけないし。
叔父と待機中の父(やっと役に立った)に任せた。

あとから叔父が「親父はゆむのことが一番可愛かったから、会えてホッとしたんだよ」と母に言っていたらしい。
えーそうかー?と思ったが、割と近くに居て(とはいえ実家から2時間半くらいだけど)頻繁に会う孫は私だった。いとこの結婚式でグアムに行ったときも二十歳を過ぎているのにもかかわらず海辺で砂まみれで遊ぶ私を楽しそうに見つめていた。(このとき私は「てんぷらになる!」と言って体を濡らして砂をくっつけて遊んだ…いい大人がやる遊びじゃ無いぞ)
小学生の時は祖父の自転車に足を巻き込んで大けがしたり、大学生の時は箱根旅行について行ったり、下宿させてもらったり、色々と思いだした。

あー本当にもう居ないんだな。わがままがんこ面倒くさじいさんだったけど、居ないとなるとさみしいね。

土曜日が家族葬なので、息子を夫に預けて行ってきます。



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