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佐久間裕美子のMyLittleNewYorkTimes

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書籍化したMy Little New York Timesから1年前の今日の日記と今年の日記を対にして不定期にお届けします。
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#DailySakumag

7月24日 今日の闘い(AOC、NY市議会、ポートランド)

★ 共和党の白人議員トム・ヨーホーが、階段ですれ違った我らがAOC(アレキサンドリア・オカシオ=コルテス)を詰め寄り、fucking bitchと呼んだことが報じられて大騒ぎになった。 ヨーホーは、彼女が最近、貧困を犯罪率と結びつけたことに腹を立てていたらしい。本人に詰め寄って、crazy、disgusting(汚い)、out of mind(狂ってる)などと非難した挙げ句、これをrude(礼儀知らず)と言って立ち去ったAOCに、fucking bitchと言い捨てたとこ

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7月21日 カニエ・ウェストの扱い方 他

カニエの大統領集会/トランプのブリーフィング再開/NPRのTiny Desk/ディスラプターたれ/NPRの人種問題 ★ そういえば最近、カニエの「初めての大統領選挙集会(presidential rally)」の模様が大々的に報道されていて、動画を見た人も多いと思う。 先週の時点で、カニエのレップが出馬を否定したという報道があり、「結局出ないらしい」と書いたのだが、結局、そのあと、本人が走り出して、集会が開催された。私のタイムラインにも映像が流れてきたが、辛い気持ちにな

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7月20日 ポートランドが燃えている、他

ヒート・ウェーブがやってきた/今年の夏需要が上がっているもの/ファッションの未来/アンチマスク運動/ロバート・ライシュ/反トランプ抵抗連合/ジョン・ルイスの訃報/ポートランドが燃えている/ビリー・アイリッシュの新曲 ★ ヒートウェーブが来るよ、来るよと脅されていた週末は、ブルックリンから友達のカップルがやってきた。そろそろビジターを受け付けようか、と思っていた矢先に「行ってもいいか」という連絡があったので、同居人がブルックリンから持ってきた荷物で大変なことになっている我が

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7月17日 ポートランドの騒乱ほか

ポートランドで国境警備隊がデモ隊を逮捕/オレゴン・ポートランドからの反応/エリック・ガーナーさん命日/映画13th/刑務所労働とメイド・イン・USAのダーティ・シークレット/ブロンコ復刻/サブスクリプションのペイウォール/非営利ジャーナリズム ★ 朝から、ポートランドの夜中の映像が拡散されている。ユニフォームを着た男たちが、プロテスターらしき人を問答無用で(つまり、逮捕されるときに読むことが義務付けられているミランダ・ライツを読まずに)車に放り込んでいる。 アメリカでこ

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7月16日

ホワイトハウスによるCDCへの介入/LPDDによる暴力/「希望」とニコラス・クリストフの社説/ニューヨーク・タイムズのマルチメディア化続報/メアリー・トランプの著作発売/トランプのレイシスト発言/賭けサイトが予想する選挙結果 ★ トランプ政権が、全米の医療機関にCDC(疫病予防管理センター)に吸収されていたデータを、トランプ政権にアップロードするように指導している。いよいよ現ホワイトハウスがローグ政府っぽくなってきた。ここしばらく起きている「ファウチはずし」の一環だろう。

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7月15日

撮影問題/エアゾル感染/ニューヨークのパーティ/ハンマー&ダンス(5月を振り返る)/マスクをめぐる対決/バイコット/豆をめぐるドラマ/メアリー・トランプ ★ ちょいちょい日本から「そろそろ撮影できますか?」というような連絡がある。まわりの人間に聞いてみると、行われている撮影は、やっぱり屋外で待ち合わせをし、遠目から撮るというタイプの撮影だけだ。というのは、最近やっぱりどうやらエアゾル感染が怪しい、ということになっていて、室内の空間を15分以上共有することがNGだという不文

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7月14日

Go To キャンペーン/こんにちは未来/留学生ビザ取り消し問題/黒人女性の功績を称える/アラバマの予備選挙/カニエ・ウェスト続報 日本政府が企画しているGO TO キャンペーンを決行しようとしているのを目の当たりにし、おののいている。アメリカやイタリアが通ってきた道を見ていなかったのか、正気とは思えない。どこの国でも、市民に「動かないでほしい」と言っている。Twitterに流れてきた、Go To キャンペーン参加企業のリストを見たら、お友達クラブの気配を感じてげんなりした

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7月13日 BLMと高級化 etc

キングストンに行った/ブリオンナ・テイラーさん/ジェントリフィケーションとレイシズム/グリーンポイントのレイシスト・バー/ホワイトハウスとファウチ博士/CDC内のレイシズムをめぐる嘆願書/移民法をめぐるトランプ対17州の闘い/コロナウィルスの輸出 ★ 週末、同居人がキングストンというここから1時間ほどの場所で、撮影の仕事をすることになった、というタイミングで、ニューヨークのじゃい子ちゃんも、またキングストンに行くというので、私も一緒にいって友達の顔を見ることにした。キング

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7月11日 トランプがマスクを着けて公の場に出てきた日に

今日、ついに、トランプがマスクを着けて公の場に登場した。コロナウィルスというものの存在がわかったとき、コロナウィルスは問題ではない、民主党のでっちあげである、という立場を取り、各地で感染者数が増え続けている間にも、ソーシャル・ディスタンシングをせずに屋内での集会を無理やり開催したり、あくまで「マスク着用」のメッセージを発信することを拒否し続けてきたトランプが、ついに側近や共和党内からの嘆願に折れたわけである。 この文章を書いている時点で、感染者の述べ人数は320万人以上、こ

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7月8日 最高裁のサプライズ

午前中、最高裁からのサプライズがあった。 ニューヨークの検察がトランプ大統領を捜査している件で、トランプの税金申告を含む財政関係の書類の入手を求めていて、それが最高裁まで行ったのだが、その結果はなんと7対2で、マンハッタンの検察のアクセスに道を開く判決になった。11月の大統領選挙の前に、有権者が税金書類にアクセスすることはできなさそうなのが残念である。 しかし、今日のもっとでかいビッグディールは、こっちである。 オクラホマのほぼ半分の土地の権利が、クリーク族にあるという

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7月8日 トランプ政権 vs. 学府の闘い

ハーバードとMITがトランプ政権を提訴した。秋からの新年度をオンラインで実施するのであれば、留学生のビザと滞在資格を取り上げるというトランプ政権の方針をめぐって、だ。 おまけに、学生相手にICE(移民捜査局)を動員するという。 トランプ政権は、秋に学校を開けろと騒いでいる。再開しない学校の助成金を削減すると脅してみたり、CDCが作った学校再開のガイドラインに怒ったりしている。いまだにコロナウィルス感染者の数は、日に日に増えているというのに、だ。 そして、医療関係者たちは

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7月7日 Standing Rockの勝利

今日も、タイムラインに、マスクの着用を求められて発狂する白人男性の映像や、アジア人の家族に差別用語を叫ぶテックCEOの話や、公園で白人のグループに取り囲まれてリンチに遭いそうになった黒人の映像が流れてきて、またもやいやーな気持ちになっていた。インディアナのリンチ未遂事件は、抗議デモに発展し、そして、またそのデモに車が突っ込んだのだという。 レイシストの白人たちが発狂している。ああああ。マルチカルチュラリズムが叫ばれていた90年代にアメリカにやってきた自分としては、今、一体何

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7月6日 カニエ問題

カニエ、、、ああ、カニエ。 独立記念日、今年は、黒人やネイティブ・アメリカンに対する警察の暴力や、アジア人に対する嫌がらせの話が目に入ってくる中、アメリカ独立の日をお祝いする気にもなれず、それでもまあ天気の良い土曜日、それなりにお酒も呑んで、いい気分で夜を終えようとしたときに、ニュースの速報を見てしまった。げ。 口に出すのも面倒なので黙っていたが、しばらくしたらそのニュースを同居人が見つけてしまい、家の空気が一気に悪くなった。カニエ、、、勘弁してくれよ。 カニエ、勘弁し

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7月3日 BLMからのネイティブ・アメリカン問題

BLMからの流れで、植民地主義時代からの歴史上人物の銅像や、彼らの名前を冠したビジネスや建物の名前が、再考される中、ワシントン・レッドスキンズとクリーブランド・インディアンズの名前が、問題になっている。 もちろん、この2チームの名前が問題になったのは初めてではないし、正直、「なんでこんな名前が許されているのだろう?」と思ってきた。なんで?の理由は、そこに固執するパワーが根強く存在していたから、ということにほかならない。 レッドスキンズのオーナーのダン・スナイダーは、201

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