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佐久間裕美子のMyLittleNewYorkTimes

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書籍化したMy Little New York Timesから1年前の今日の日記と今年の日記を対にして不定期にお届けします。
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#日記

7月30日 そしてコロナ禍は続く

コロナウィルスのアップデート/GDP発表/選挙延期を示唆するツイート/反マスク派の訃報/ヴァニティ・フェアのスクープ/弾劾レベルの罪?/オバマがジョン・ルイスに送るユーロジー/ジョン・ルイスの遺書/ミシェル・オバマのポッドキャスト ヒューマニティは前代未聞の危機に晒されているーー今日、改めてずっしりと思ったことだ。

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7月21日 カニエ・ウェストの扱い方 他

カニエの大統領集会/トランプのブリーフィング再開/NPRのTiny Desk/ディスラプターたれ/NPRの人種問題 ★ そういえば最近、カニエの「初めての大統領選挙集会(presidential rally)」の模様が大々的に報道されていて、動画を見た人も多いと思う。 先週の時点で、カニエのレップが出馬を否定したという報道があり、「結局出ないらしい」と書いたのだが、結局、そのあと、本人が走り出して、集会が開催された。私のタイムラインにも映像が流れてきたが、辛い気持ちにな

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7月17日 ポートランドの騒乱ほか

ポートランドで国境警備隊がデモ隊を逮捕/オレゴン・ポートランドからの反応/エリック・ガーナーさん命日/映画13th/刑務所労働とメイド・イン・USAのダーティ・シークレット/ブロンコ復刻/サブスクリプションのペイウォール/非営利ジャーナリズム ★ 朝から、ポートランドの夜中の映像が拡散されている。ユニフォームを着た男たちが、プロテスターらしき人を問答無用で(つまり、逮捕されるときに読むことが義務付けられているミランダ・ライツを読まずに)車に放り込んでいる。 アメリカでこ

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7月16日

ホワイトハウスによるCDCへの介入/LPDDによる暴力/「希望」とニコラス・クリストフの社説/ニューヨーク・タイムズのマルチメディア化続報/メアリー・トランプの著作発売/トランプのレイシスト発言/賭けサイトが予想する選挙結果 ★ トランプ政権が、全米の医療機関にCDC(疫病予防管理センター)に吸収されていたデータを、トランプ政権にアップロードするように指導している。いよいよ現ホワイトハウスがローグ政府っぽくなってきた。ここしばらく起きている「ファウチはずし」の一環だろう。

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7月15日

撮影問題/エアゾル感染/ニューヨークのパーティ/ハンマー&ダンス(5月を振り返る)/マスクをめぐる対決/バイコット/豆をめぐるドラマ/メアリー・トランプ ★ ちょいちょい日本から「そろそろ撮影できますか?」というような連絡がある。まわりの人間に聞いてみると、行われている撮影は、やっぱり屋外で待ち合わせをし、遠目から撮るというタイプの撮影だけだ。というのは、最近やっぱりどうやらエアゾル感染が怪しい、ということになっていて、室内の空間を15分以上共有することがNGだという不文

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7月14日

Go To キャンペーン/こんにちは未来/留学生ビザ取り消し問題/黒人女性の功績を称える/アラバマの予備選挙/カニエ・ウェスト続報 日本政府が企画しているGO TO キャンペーンを決行しようとしているのを目の当たりにし、おののいている。アメリカやイタリアが通ってきた道を見ていなかったのか、正気とは思えない。どこの国でも、市民に「動かないでほしい」と言っている。Twitterに流れてきた、Go To キャンペーン参加企業のリストを見たら、お友達クラブの気配を感じてげんなりした

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7月13日 BLMと高級化 etc

キングストンに行った/ブリオンナ・テイラーさん/ジェントリフィケーションとレイシズム/グリーンポイントのレイシスト・バー/ホワイトハウスとファウチ博士/CDC内のレイシズムをめぐる嘆願書/移民法をめぐるトランプ対17州の闘い/コロナウィルスの輸出 ★ 週末、同居人がキングストンというここから1時間ほどの場所で、撮影の仕事をすることになった、というタイミングで、ニューヨークのじゃい子ちゃんも、またキングストンに行くというので、私も一緒にいって友達の顔を見ることにした。キング

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7月11日 トランプがマスクを着けて公の場に出てきた日に

今日、ついに、トランプがマスクを着けて公の場に登場した。コロナウィルスというものの存在がわかったとき、コロナウィルスは問題ではない、民主党のでっちあげである、という立場を取り、各地で感染者数が増え続けている間にも、ソーシャル・ディスタンシングをせずに屋内での集会を無理やり開催したり、あくまで「マスク着用」のメッセージを発信することを拒否し続けてきたトランプが、ついに側近や共和党内からの嘆願に折れたわけである。 この文章を書いている時点で、感染者の述べ人数は320万人以上、こ

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7月6日 カニエ問題

カニエ、、、ああ、カニエ。 独立記念日、今年は、黒人やネイティブ・アメリカンに対する警察の暴力や、アジア人に対する嫌がらせの話が目に入ってくる中、アメリカ独立の日をお祝いする気にもなれず、それでもまあ天気の良い土曜日、それなりにお酒も呑んで、いい気分で夜を終えようとしたときに、ニュースの速報を見てしまった。げ。 口に出すのも面倒なので黙っていたが、しばらくしたらそのニュースを同居人が見つけてしまい、家の空気が一気に悪くなった。カニエ、、、勘弁してくれよ。 カニエ、勘弁し

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6月29日 香港のことを思う

このところ、ずっと香港のことを考えている。 こんなに無力感を感じることがあるだろうか。 チベットの独立運動は根こそぎ断絶されて、新疆ウイグル自治区で起きていることが「虐殺」と表現されるようになって、そして1945年まで自治を与えられていたはずの香港の民主主義を維持する運動がついに息の根を止められようとしている。

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6月26日 ブルックリンに帰還

仕事場の引っ越しやら何やらで、ついにフェイズ3に入ったNY市に戻ることになった。最近40歳のバースデーを迎えたばかりの女友達に連絡をしたが、「ウッドサイド(NY州北部)にいる〜」と返事があった。そういえば金曜日だし、週末、郊外に出かける人たちがいるのも納得だった。北部の山のほうは、すでにフェイズ4に入っているのだ。 ウィリアムズバーグに暮らすNちゃんとOsakanaというレストランでちらし寿司をテイクアウトして、マッカレンパークで食べた。世の中の大半の人たちはマスクをしてい

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6月25日 マスクをめぐる政治分断

経済再開を急いだ州は、ことごとくコロナウィルスの感染者数をどんどん増やしている。それも、20代、30代、40代の若年層に集中している。 ここへきてまた感染者数が広がった理由が、屋外のデモではなくて、屋内、特に人の家での集まりによるものだということは、超党派の研究機関NBERによる調査結果でも出ている。 それなのに、この日経新聞のこの見出しはどうだろう。

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6月19日 Juneteenthと奴隷制の歴史

6月19日はJuneteenthである。ニューヨークでは大規模のマーチが行われ、各地でもお祝いやデモが行われる様子がソーシャルに流れてきた。奴隷の解放や自由を象徴するイベントとはいえ、奴隷の解放や自由を象徴するこの日がこれだけ盛り上がるのは、現代史上初めてのことだろう。 日本との意識のギャップにおののく日々ではあるが、日本語でも、早速ジューンティーンスを説明するコンテンツが出ていて、ちょっぴり心強い。 ジューンティーンスは、奴隷だった黒人が自由になった歴史事実を祝う日だけ

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6月18日 レイシズムと差別について考える

なぜ、日本人が#blacklivesmatter について知る必要があるのか、なぜレイシズムについて考えるべきなのか、ということを伝えたい、伝えないといけないと思うことと、自分がそれを伝えることができる能力というものの間にはやっぱりギャップがあって、日々、葛藤している。 差別はない、日本には関係ない、という声を見るにつけ、心が重くなる。日本で暮らしながら、差別を体験している人がたくさんいることを知っているから。そしてときどき、意識のギャップを前に、無力感に押しつぶされそうに

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