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理解されない苦しみ

こんにちは。

ひつじ製菓のにしやまです。

今回は最近ひつじ製菓を知った方、まだ購入した事が無いという方にぜひ読んで頂きたいのです。

一昨日、ちょっとしたクレームをインスタに頂きそれについて悶々と考えてておりました。悩んでいる、とか辛い、とかではありませんよ。

それを見たひつじファンの方や知人が心配し、励ましのメールやラインをいくつか頂きウルウルしていました。

そのクレームのほとんどは販売先さんへの対応についてだったので、私はその後、このようなコメントが届きましたという事と改善策も提案して販売先さんお伝えしました。

基本的に「委託販売」なので、わたしは商品を卸させて頂いてる立場です。なので、他店さんの商品の売り方にまで口を出すのは失礼かと思うのでいつも、売り方にまで注文を付ける事はありません。

例えばスーパーで玉ねぎが売っている場合、玉ねぎ農家さんがうちのはこうしてこうやって売ってくれ!とわざわざ頼んだりもしませんよね?

そもそも「委託販売」という事すら知らないお客さんもいらっしゃいました。販売中のスタッフさんの中に私もいると思われていたのでしょうか?

クレームを下さった方はお誕生日で、小さなお子さんを抱いて一時間並んだにも関わらず買えなかった。数が分かっているなら一時間も並ばせずにもっと早く教えてほしかった、という事を書かれていました。

うん。確かに、これは私でも「なんだよ!」と思うと思います。

あとは、スタッフさんによって人数のカウントの仕方が違うようだったのでその点も統一してほしいとお願いをしました。

話は戻って何が悶々としたかというと、そのクレームの一番最後にこうありました。

「こんな営業ならお店以外の販売はやめてほしいと思いました。」

ひかかったのはここでした。

確かに腹立ちまぎれに書かれてしまったのかもしれません。

ん?「お店以外の販売」とありますが、ひつじ製菓は店頭販売をしていない事はご存知でしょうか?という事は予約販売のみで商売をしろ、という事でしょうか?

オールドファンの方はここで気づくはずです。今までにひつじ製菓がたどってきた経緯を。(なぜ、店頭販売をしないのかは今までのnoteの記事を読んでください。)

ひつじ製菓はもともと、予約販売のみでこそこそ商売をしていました。

人を雇わず、一人でやっており色々な考えのもと完全予約制というスタイルを確立しているお店という事をよく理解した方々にご利用いただいてます。

その後、ありがたい事に予約がなかなか取れなくなって来たので自分の休みを無くして製造し続けたもののたいした収益が上がる訳でもない中、体力は限界に。いつも疲労困憊していました。

どうしたらもっと多くの人に手に取ってもらえ、かつ自分の負担も減らせるか考えた時、他店さんに委託すれば販売する手間は省けるし、ケーキをカットして販売すれば数が増やせるから、手に取れる人も増えるはず!おまけに、ホールケーキだと多すぎて買えないという意見も多いから、カットケーキを販売したら喜ばれるはず!となったわけです。

私は委託販売をただの単純な営業とは考えていません。色々考えた末、ご協力くださる店舗さんもいらっしゃったので、お願いした次第です。

という背景をご存知で、「お店以外の販売をやめてほしい」と書かれたのでしょうか?これの意味ちゃんと理解されての事なのでしょうか?

ひつじ製菓は私の趣味ではなく、おおげさですが命がけでやっています。一日のほとんどはひつじ製菓に関連する作業で暮らしています。私の生活費もひつじ製菓の売り上げでまかなっており、株で儲けてもいませんし、リッチなパトロンもおりません!

もし、この方の言う通り「お店のみの販売」に戻ったとして、収益が上がらずお店を続けられなくなったり、頑張りすぎて体調を崩してお店を休まなければいけなくなった時

「あなたの言う通りにしましたけど、じゃあその時あなたはどんな責任をとってくれるのですか?」

と思ってしまいました。ひつじ製菓のやり方を十分理解し、ファンでいてくださっている方にもケーキがお渡し出来なくなるわけで。

ひつじ製菓のケーキを楽しみにしてくださっているその方達にどんな言い訳をされるのでしょう。

そして、あなたの手に入る事も無くなるわけです。

私のやり方や人生は誰かに指図される事なく自分で決めたいと思っています。他人が保証してくれることなんてほぼないですから。

今回、人というのは本当に身勝手なものだと感じました。相手にどんなストーリーや人生があるのかという事まで想像すらする事なく、自分の都合で発言してしまう。私も気をつけねばと思いました。

飲食などのサービス業だと特に風当たりはきついです。

以前までの日本の「お客様は神様です」的な異常なサービスがそうさせているのだと思いますが。

私はお客さんとは対等な立場だと思っています。なのでお互いがいい気持ちでお菓子のやり取りがしたいと思っています。

今回のお客さんは、わりと最近ひつじ製菓の事を知ったんじゃないかと思います。ひつじ製菓=ケーキ屋さんと思われていたのではないでしょうか?

違います。ひつじ製菓は「なかなか手に入れる事ができないケーキを作っている人」なんです。(自分で言うのはずかしいのですが)

ケーキ屋さんじゃないんです。普通のケーキ屋さんは量産して、いつでもほしい時に買えると思います。

そのスタイルを前提にひつじ製菓を利用すると多分腹のたつ事しかありません。

お誕生日には買えない、欲しい日には買えない、予約できない、頑張って並んでも買えない、早めに行ったのに買えない、店頭販売はしていない。などなど、これが普通の事です。

ありえない事だらけのとってもわがままなお店なんです。

これで、腹の立つ方は優先で求めている事とひつじ製菓がやっている事にずれがあるんだと思います。

誕生日だからケーキが欲しい人は、誕生日に食べるケーキが欲しいという欲求が一番にあるわけで、「ひつじ製菓のケーキが食べたい」が一番ではない訳です。

ひつじ製菓のファンでいてくださっている方達は違うんです。

まず一番に「ひつじ製菓のケーキが絶対に食べたい」であって、誕生日と同じ月に手に入ればラッキー、誕生日に手に入ったらもう奇跡!くらいに思ってくださっています。

ファンの方はそれを十分承知されているので、委託販売の時は本当に早くスタンバイされていますし、ご予約受付は投稿記事を逃さないようにお知らせ設定をされ、テキストもコピーしてすぐに送信出来るようにご用意されてたり、イマジンコーヒーさんの納品日は私より早く到着して待っていてくださいます。

本当に欲しい方は、ゲットするためにそこまでたゆまぬ努力をしてくださっていて本当に頭があがりません!

「そこまでしてやっと手にいれられる所がひつじ製菓さんの魅力なんです!」とおっしゃっていただけたり。私、泣きます。

手に入らない事を前提に、色々な方法を駆使してご注文くださるファンの方がいてくださる中、最近ひつじ製菓を知って、「ふーん新しいケーキ屋さん一度食べてみたいな」くらいに思われている方とは当然温度差があり、内部事情も知らないまま今回の委託販売に遭遇したら怒りがこみ上げるのは当然だと思います。子供抱っこして一時間も並んだのに!しかも誕生日に!ってなりますよね。

ひつじ製菓はこんなお店だという事がまだまだ浸透しきれてない私に責任があります。

でも、正直自分で「予約取れない」とか「人気」とかまじめにゆうの恥ずかしいです。いつかはそうじゃなくなる日だってくるかもしれないのに。

毎回、作る量が少なくてすみません、と謝り続けるのもどうかな?と思っています。だから出来ればみなさんの口コミで「こんなに頑張ってゲットできた話」を武勇伝のように広めて頂ければ嬉しいです。(笑)

私は、ひつじ製菓を「ケーキ屋」として拡大していこうとは思っていないので、パティシエとしての活動の一部に予約販売がある、という感じでご理解くださると、幸いです。

もし、ひつじ製菓の実店舗がどうしても欲しいという方がいらっしゃいましたら、買収してくれる方を紹介してください。(笑)いつでも売ります。正直、わたしには経営のセンスはありません!

そこで私は役員報酬を頂き企画開発はたまにして、あとは他のやりたい事やるの日々を妄想しています。。


最後まで読んでくださってありがとうございます。心身ともに元気でお菓子作りが一日でも長く続けられるように過ごしたいと思います!


おわり

にしやまゆみこ



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