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第4期横浜市教育振興基本計画の素案を見て

横浜の教育における「4期計画」➤2022年から2025年までの4年間どんなことをしていこうとしているか、の素案が先日ネットにアップされました。まだ素案なので、これから市民向けのパブコメ(市民意見募集)なども行われて最終案が出来上がっていきます。

ちなみに、パブコメは2022年9月30日~10月31日までです、詳細はこのページにあります。(メールでも横浜市電子申請・届出システム等でも提出可)

パブコメ1

パブコメ

この計画はそもそも何なのか

計画といっても、いろんな計画があちこちに発表されているので、分かりづらいのですが、今回のこの計画の正式名称は「 第4期横浜市教育振興基本計画」。横浜には横浜教育ビジョン2030というビジョンがあるのですが、そこに向けて、のアクションプランです。どんなことを具体的にどのくらいのボリューム感でやろうとしているか、の案が描かれています。

すごーーーくボリュームのある100ページを超える詳細版もあれば、まずはさくっと全体を見てみたいという方向けの概要版もあります。

おすすめはまず、概要版を読んでから詳細版を読むことですが特定の分野に興味がある方は詳細版から読むのがいいかもしれません、概要版は本当にさらっと概要なので。


計画の視点

今回、いろんな人たちとこの計画の視点を共有する「一枚」があります。学校だけで計画を推進するのではない、いろんな人たちと進めるためにこういう一枚が必要、それがこちら。概要版のP6にあります。

4期計画


一番上に書いてあること

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ちなみに、一番上に書いてあることが横浜の教育ビジョン2030の言葉=自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る人です。

今の教育は「自ら学び」につながる内容か、「社会とつながり」になっているか、「ともに」という考え方をもてるようになっているか、「未来志向」で考えられているか、「人」を中心に考えられているか。この一つ一つの言葉を分解すると問いにもなると私はこれを読んで思っています。

そしてその下に「わたしの・あなたの・みんなの成長」とありますが、成長というのは、左から右へ、ずっと継続して右肩上がりにというものを指しているのではないということが、ここに描かれています。まわり道、立ち止まる事も、寄り道も、そんなことも含めていろんな成長の仕方があるとなのかな、と読み取れます。

成長

視点の整理

その下には、視点が3つ描かれています。

視点1

上に書いてある文字の通りではありますが、

視点1は、その一人一人の個性を大事にした成長を大切にするということ

視点2は、それを協働で実現していくということ

視点3は、経験と勘だけでなくデータをかけあわせるということ

というポイントがイラストとともに描かれています。

中でも、口には出せないけれども苦しみを抱えている子どもがいるということ。先生が抱え込む教育は限界でいろんな力が必要だということ。経験と勘だけでの理解ではなく目の前でこどもの状況も見つつレントゲンのようにデータを通して状況を見て、黄色サインや青、赤サインをみつけて声かけられるようにしていくこと、、、などとイラストや文言を見ながら読み取りました。


平均から伸びへ

中でも少し気になるのが図の右下にあるこの壺のような形をしたグラフ。

のび

平均点の比較から一人ひとりの伸びということに着目して指標をつくっていくとあります。まずはマインドセットの変化が必要、みんな一緒、みんな同じに、平均と比べながら、、、というところから一人一人に目が向くように指標から変えていうということ。


一人ひとりができること伸びているところを見つけやすく、躓いているところがあればその「分からない」が「分かった!」になるように、その両面から何より自尊心が高まることにつながるとよいなと個人的に思いました。最初のやじるしのイラストのところに戻りますが、その伸びも伸びるタイミングというのも個々人違うので、その心の準備ができることやその時間が時には必要であること、その個性がぐんぐん発揮できることにつながるとよいですね。


計画の本編に入る前にもうこの1枚で大分長くなってしまいました。。。



でも、今回その「自尊心」や「安心できる居場所」ということが計画の詳細版を読むと設定されたことは一歩前進だと思います。例えば・・

例)詳細版P32不登校の支援について

不登校指標

ちなみに、学校に通う通わない通えない、いろんなこどもたちがについての取り組みが最近増えたので、その施策一覧もその数ページ前にも図やリストで掲載されています。

不登校図

不登校2

施策もですが、指標というのはとても大事でどういうことを大事に一つ一つの施策が行われていくかということにつながることだと思います。

いくら計画が素晴らしくても、その体制が十分に整っているのか、整えるためな十分な資源があるのか、ということは大きな課題です。。。こどもたちも保護者も先生たちの悲鳴もたくさん聞こえてきます。学校の体制を整えるはもちろん学校だけでなく社会全体で、こどもたちをみんなで育てるができるか、、を更に転換しないとこの計画の実行は正直難しい。いろんな人のアイディアと知恵や発想が必要なタイミングだと思います。

再掲しますが、パブコメはこちら