第四回詩歌トライアスロン推薦作品「の の祝祭」

の。桃がひとつ のののの桃四つ。よもつひらさかこえられませぬ

呼んでも誰もいない

がらんどう

がらんどう

すこしまえまでここでは

いくさが あったのか

それとも祝祭か

祝祭とは

血をもとめるものか

血はいのちひとつの月がめぐるたび流れるものも未生のいのち

いのち 桃 (ひとひに千の葬列と一千五百の産屋) 桃桃

がらんどうがこないように

祈る

祝祭

桃の

祝祭

(冨樫由美子)

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