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「短歌人」2017年 2月号掲載作品

気がつけばしづかに舞つてゐる雪のひとひらづつが古代の文字(もんじ)

街角でキャロルを歌ふ人たちの息の白さを見守つてをり

珈琲のカップ双手に包み込む苦しみ充つる世の片隅で

風雪の中を歩みてゆくときは十字架を負ふ前傾姿勢

三脚の椅子をこころのなかに置くキリスト・私・客人のため

/会員2欄 冨樫由美子

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