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「短歌人」2016年12月号掲載作品

死の陰の谷をゆくとも恐れじと繰りかへしをり詩編のことば

教会の木の十字架が碧空(あをぞら)を支へて立てるさまを仰げり

草の穂のいたくひかりてゐるところ今宵の月はここより昇る

木造の礼拝堂の窓枠に切り抜かれゐる瑠璃紺の空

宙(そら)からの手紙のやうな星をみるわたくしも招かれてゐるのか

/会員2欄 冨樫由美子

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