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Photo by
kazehukaba
花野
秋の草花の咲きみちたくさはら が
こころのなかに ある
秋の陽光が降りそそぐくさはら を
よこぎつてゐる れつ
それは葬列かも しれないし
遊ぶ子どもらの列かも しれない
いまは亡き幼な友だち幾人かありてこころの花野に遊ぶ
くりかへし倫敦橋が落とされてなかなか暮れぬ放課後だつた
ろーんどんばし おちた おちた お ち た
このふるい英国の童謡の くらい背景を
(じつさい倫敦橋が幾たびも落ちたため、落ちぬやう呪術として人柱が塗りこめられたともいふ)
知らないままに無心に遊んだ とほい花野の記憶
ともに遊んだものらはいま 何処にゐるのか
彼岸へわたつたと耳にした あのこへの思慕は埋めるほか ない
なつかしい秋の草花が 咲きみだれ咲きみちる あのくさはら へ
こひびとは花野に埋めてきましたよ
たましひにひみつを抱いて花野へと
花野はなの遊びませうよまたあした
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