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「短歌人」2017年6月号掲載作品

桜貝いろに染めたる指先に卯月のかぜをまつらはせをり

夕さればあかりをともすならはしのにんげんといふ淋しきけもの

灯された明りの下の飲食(おんじき)の華やかさ極まれば貧しき

一杯の澄んだ紅茶があればよし微かに花の香りをさせて

口笛を半音下げて五線譜の外にふらつと旅に出ようか

(会員2欄、冨樫由美子)

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