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伝統医療は迷信なのか

そもそも人間は、精神と心と肉体が統合された生き物なのだと思います。
先日、ハワイの伝統医療のお話を伺う機会がありました。
お話をされたのは、医師免許を持っていらっしゃる女性で、現在実家の医院の院長をされています。

マウイ島で10年、ハワイの伝統医療に携わっていたそうです。
ハワイでは、身体の具合が悪くなると、シャーマン的な医師のところに出向きますが、その際「どこそこが悪い」とは言わず、「何者かが私をここに連れてきた」と、霊的な存在を示唆するそうです。
そしてシャーマンも患者も双方が、相手をスキャンして、医師の側は患者に憑いている悪霊がどこにいるか、患者の側は医師が信頼に足りるのかを見極めます。

ハワイでは、ベースに「創造の源」という考え方があり、森羅万象を創った源があり、その源に対して祝詞を捧げて、そこと繋がるために、祈りやフラがあります。
伝統医療に携わる者は、そのベースに立脚し、病気の知識や薬草の知識を使います。
さらには、武術の心得を持ち、身体を破壊する術を知ることで、身体を治すことを知ります。だから、最後にロミロミがあります。(食べ物の方じゃなくて、マッサージの方)

大変乱暴に、ざっと説明しましたけれど、でもきっと昔はどの国のシャーマンも、そのような性質を持っていたのではないかと思うのです。
人々は、大地自然を敬い、畏れ、生かされている自分たちの命を、存分に生きたのではないだろうかと思うのです。

身体は遺伝子の乗り物であるという考え方も、それほど斬新なことではなくて、太古から続く命の営みを、昔の人たちは素直に受け入れて、自分たちも自然の一部として、この地球に存在を許されていると感じていたのだと思います。

ノアの方舟とか、バベルの塔とか、聖書や神話の世界にも、人が傲慢になった時に、神の怒りを買うエピソードがたくさんあります。
謙虚さを無くして、自分の身体を、自然から与えられた命の乗り物であることを忘れて、暴飲暴食、乱れた生活習慣、病気になるまでコキ使うことをしていると、個人的な天罰に合うのではないかと、最近は考えるようになりました。

親からもらった身体とは言いますが、大元はどこでしょうか。誰からもらったのでしょうか。
生まれたのは、母親からです。母親はその母親から。営々と続くその系譜は、いちばん初めはどこまで遡るのでしょうか。

自分がこの世に生まれた確率は、70兆分の一という説もあります。
自分が今の、この日本に生まれることを望んで生まれてきたという説もあります。
何かを成すために、何かを伝えるために、それぞれ目的は違うでしょうけれど、この地球に生まれてきた条件としては、肉体を持っているという縛りがあります。
この肉体を使って、何をするか。スポーツなのか、芸術なのか、モノづくりなのか、研究なのか、政治なのか。それは各自思い出していただくとして、そのための手段として、健常で生まれてきたならば、身体を整えておくことは必須です。

ある時期、自暴自棄になったり、荒み果ててしまったりすることもあるかもしれません。でも、自分の魂や自分の肉体を、きちんと手入れすることは、この世界に生まれてきた以上、義務であると考えます。
義務を果たして、各々の目的に向かいます。

医者にかかっているから大丈夫なのでしょうか。
薬を飲んでいれば大丈夫なのでしょうか。
薬は、合成された化学物質です。身体の機能を回復させたり、増幅させたり、抑制させたりします。
つまり、不自然な働きを身体に強います。

血圧を抑える薬を飲んでいるから、ラーメンスープを飲み干して、丼を空にしても良いのでしょうか。血糖を薬でコントロールしているから、スイーツビュッフェに行ってもいいのでしょうか。
精神科の薬が、厳重に保管されている理由はなぜでしょうか。普通に飲んだら、何が見えて、聞こえるのでしょうか。

ハワイの伝統医療は、悪霊が退散したら、日常の生活に戻ります。
長く居座る霊もいるけれど、それも薬草で仲良く付き合います。
薬草といっても、自宅の庭や、先祖の墓に生えている普通の草が、祝詞を唱えることによって、薬草に変わるのだそうです。

人間はそもそも、とても霊的な存在です。
その霊性を高めて、生きていくようにとの命を受けたから、ホモサピエンスを霊長類と命名したのではないでしょうか。(ここまで書いて、思いつきました)
なぜ霊長類というのか、小学生の頃は全く理解できませんでした。
戦前の日本人なら、きっと当たり前のように理解していた言葉だったと思います。

霊性を磨くということは、品性を練るということです。
己に恥じない生き方や、己に言い訳をしない生き方を、黙ってすることが難しいから、私はわざわざここに書いて、自分に縛りを課しているのでしょう。たぶん。

ハワイの伝統医療の話から、今の薬漬けを憂うという話を書くつもりが、また隣の敷地に着地してしまったようです。ははは。


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