アラマキ ユミ

2015年より世界放浪中です。 旅の話もおいおい書ければと思ってます。 インスタもやっ…

アラマキ ユミ

2015年より世界放浪中です。 旅の話もおいおい書ければと思ってます。 インスタもやってます。 https://www.instagram.com/yumi_aramaki/

最近の記事

上手い写真とはなんなのだ

近年のカメラブームにカメラの軽量化や機能向上も相まって、カメラを手に取る人は爆発的に増えたように思います。 本格的な機材を持たずとも、今やスマートフォンで見劣りしない写真が撮れる時代になり、誰でも手軽に写真を楽しむことができるのはこのご時世に生まれた幸運の一つであるのかも知れません。 そうした時代の流れも手伝ってか、巷で「うまい写真」議論を目にする機会が増えてきたように思います。しかしながら、私はそれを目にする度に首を傾げられずにはいられないのです。 写真理論、的なことで

    • 働きアリになりたかった、サボりアリの話

      2015年2月25日、私はオーストラリアはケアンズへと降り立った。 今日はあれからちょうど5年が経った、私にとって少し特別な日だ。 当時の私は学生時代から「世界一周」というワードに傾倒しきっており、まさにその第一歩をようやく踏み出したところだった。 旅の滑り出しは思った以上に最悪で、連日の出発準備の疲れからか荷造りの段階で発熱していた。これでもかと言わんばかりに限界まで詰め込んだ旅荷物に加え、重たい体をも引きずり成田まで向かう羽目になった。 大学の同期がひとり見送りに来てく

      • 世界を確かめる旅 始まりのオーストラリア

        私は、想像力が乏しい方なんだと思う。人の話を聞いて、多分こんな感じなんだろう、と想像することが苦手だ。テレビで見たり誰かの旅行記を読んだってよくわからない、だったら自分で確かめに行くのが手っ取り早くていいんじゃないかと思った。いつかこの目で世界を確かめてやりたい、そんなふうに思って学生時代を過ごしていた。 私はなんでも耳障りの響きで決めてしまう癖がある。世界一周とは、当時の私にはとても響きが良かった。しかもちまちまと日本と各地を往復するよりも、いっぺんに回った方が確実に安上

        • いつかを今に引き込む

          バスキングという言葉を知っていますか。 路上でパフォーマンスを行い、寄付を募ることで収入を得る手法で 大道芸という感じが似ているかもしれないけど、感覚的にはもう少しカジュアルなイメージ。 旅を生業にする人たちの中にはバスキングをして資金繰りをする仲間もいて 現地の人との交流を持ちながら旅ができるバスキングに憧れていた。 私もいつか、バスキングデビューしてみたい。 そう思っていたのだった。 でも私は楽器ができるわけでもないし、パフォーマーでもない。 できることと言えば旅の写

        上手い写真とはなんなのだ

          無知の知への気づき

          私が旅に出る前に勤めていた会社では、風変わりな制度や時折社長から飛び出す「妙案」によってみんなで振り回されたり、奮闘したり、絶望したり、成し遂げてみたりとてんやわんやが日常であった。流動的でなかなか心穏やかにお過ごしあれ、という毎日を与えられなかった。 店舗の営業もこなし慌ただしく過ぎていく日々の中で発令した妙案の一つに、「全員で哲学を1から学ぼう」というものがあった。全員でだ。哲学だ。私の前職は、写真屋さんだ。業務上必須であろうライティングや構図の取り方などは独学するのだ

          無知の知への気づき

          幸せの近道

          私は日本が好きだ。 私を育んでくれた国。 大好きな家族と友達がたくさん暮らす国。 その気持ちは嘘じゃない。 しかし私はどこかのタイミングで日本で生きていくことは気がすすまず、世界を見てみたかった。もしかしたら広い世界にはもっと私に合った土地があるのではないか。そういう期待もあった。日本人に生まれて得したことはたくさんあったのだけど、日本社会で生きていこうと思った時に、何故だか本当に息苦しかったから。 「やりたくないこともやらないといけないのが、大人なんだよ。」 言われた

          始まりの地

          飛行機から降り立つと、じっとりと湿気を帯びた空気にまとわりつかれた。 あの時と同じだ。 初めてバンコクを訪れた私は、22歳だった。 時代は就職氷河期。灼熱の太陽の下面接へ出かけては不採用通知を受け取る日々の中、私の脳はどうも少し解けてしまったか、発酵してふかふかになってしまったか、とにかく正気を保ってはいられなかったのだ。 ある日、私の目は異常に安い航空券の広告に釘付けになっていた。東南アジアでのクーデターのニュースが頭をよぎるも、それが膨らみきった妄想にかき消されるのに