向こうから歩いてきたゴールデンレトリーバーの暗闇でもよくわかる金色の毛並み

世界が美しく素晴らしいなんて、、、、なんか嫌。

それでも生きていられるのは世界が美しいから、なんて思わない。みつめてみようとする。神経を遠くの景色に集中させて、あなたとあなたとあなたとあなたが生きている、同じ世界をこの目で見ようとする。しかしそんなものは、本当はないに等しい。

夜の芝生の上、冷たい風、水の流れる音、私はこの明度を知っている。

嫌!ノスタルジーに回収されるのは嫌!でもノスタルジーがある場所は温かい(これは事実、しかたない)

向こうから歩いてきたゴールデンレトリーバーの、暗闇でもよくわかる金色の毛並みが揺れている。それは長くてツヤツヤで、なにか得体の知れない神々しい生き物みたいだ。この寒さはサハリンの波止場の真夏の夕方くらいだろう。本当じゃない記憶にでも、なにかを感じられる。実際のところ、いつまでたってもお線香の匂いだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?