水色妄想天国

全てのものの色を水色にしよう。水色に包まれて眠り、水色の部屋を見て目覚める。水色の空と水色の服で、世界に溶け込むことができるよ。

向こう側に透けている水色に触りたいな、あなたが私の部屋に来たら、全部水色だねって言うでしょう。水色見てると落ち着くからとか答えれば、ことなく会話を終えるでしょう。

掃除して、片付けて、ようやくできた陽だまりに座ってまた髪の毛が落ちる。髪の毛は黒い、肌は日に焼ける。前に見た、あの水色を探している。たくさんの水色を集めても、曇った田んぼの中にある新潟(イングランド)には程遠い。ここは毎日晴れている。壁の色はかわいい水色、床の色もかわいい水色、テーブルの上も天井も水色。

幅のない、ひとつの水色だけを愛してそれに囲まれていたかった。でもさまざまな水色があると知って、わからなくなってしまいました。あの水色もこの水色も水色なの、それならこれは水色じゃないじゃん。こんな水色は好きじゃないし。この水色とこの水色は相性悪いから、どちらかひとつの水色をやめなくちゃ。どっちが1番好きなの。片方はもう永遠にこの部屋には置かないの。

私は私の水色で、私を一度でも壊せたことがあるのか。水色を突き破って水色にたどり着く。水色を絞って溢れ出てくる水色を確かめる。それはどんな水色。最初からなにも変わってないようで、全然違うね。

これから良くなるようにしか考えないでいて。(もういいから)幅広い水色の、いろんな水色の天国へいけるよ。世界にはいろんな水色があって、私は初期衝動(初恋)なんかどうでもよくなる、あまりにすてきな水色に出会う。水色であるというだけで、集めすぎていたらわけわかんなくなる、だけど全部好きだからわけわかんなくてかまわない。全ての水色を集めよう。

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