君のイメージ

去年の夏は地元に帰った。全裸になって海で泳いだよね。この海は大都会なんだよねと言っていた。

梨とか栗とかもみじとか、秋の記号を、スーパーで見る。私は季節に敏感でいたい。

私たちの周りにあたりまえにあった田舎の景色は、今や、私にとって、あなたのイメージそのものになっている。そのイメージが、私を萎縮させる。ひとつのイメージが、浮かんでくること自体がいやらしく感じるから。私にとって、人はみんなイメージの塊。そしてその人の本体を、すぐ忘れてしまう。

たぶん君の中にも私の中にも共通して流れている?私たちの根底にあるものは、とても些細であまりにも普遍的などうでもいいイメージ。

例えば、海沿いのガストに行くまでの歩道がタイル張りで、そこに箱型の花壇があったけど雑草がぼーぼーに生えてるだけ。2mくらいの高さの椿の木が植えてあって、いつも実ばかりつけていた。交差点のところまで来ると、小さな空き地があって、かわいい草っ原になっていた。柔らかい緑の草と、たんぽぽがたくさん咲いていたこともあった。ゴミがたくさん投げ捨てられていることもあった。しかし常に生臭い。

いつも何かしらの季節がある。季節だけなら大好きなのに、そこにイメージが重なると嫌になる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?