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住民訴訟「中間報告」以降の経過

 一昨日(8月26日)レポートした昨年末「中間報告」以降の住民訴訟について、原告の立場から私なりに振り返っておきたい。

山田 明

 2023年1月13日午後、大阪市役所市政記者室で会見を行い、多くの記者が参加して質問。とりわけ夢洲の軟弱地盤について関心が高かった。マスコミの皆さんへの情報提供が大切なことを痛感。15日に地盤工学が専門の芝浦工業大の稲積真哉教授とズームで懇談。質疑を通じて写真の「夢洲の地盤課題」という図を確定させた。

夢洲の地盤課題

 2月13日午後、堺市で「夢洲IR差し止め住民訴訟」をテーマに講演して、参加者から多額の寄付をいただいた。大阪市議会議長宛てに夢洲の土地対策や情報開示について陳情書を提出。国は統一地方選終了後まもなく、大阪IR区域整備計画を認定。7つの附帯条件を付けるなど、認定には多くの問題があり、認定取り消しを求める声が高まる。

 5月14日の第4回期日から裁判長が交代し、裁判所の意向により、4月に提訴した「カジノ格安賃料差し止め訴訟」との共同訴訟となった。私たちの訴訟は「先行訴訟」、賃料訴訟は「後発訴訟」と呼ぶことに。この期日では後発訴訟から意見陳述が行われた。

 6月9日には、大阪市議会でIR取組推進が決議された。維新が自民提案の「公費負担の上振れを避け」という住民訴訟に関わる文言を削除した決議である。大阪府議会でも、同様の決議が採択された。維新が夢洲IRカジノ誘致に対して、何を恐れているかを示すような決議採択であった。

 大阪地裁は7月6日付で、被告の大阪市が基本合意文書(別紙1~5)を開示することを決定した。12日の第5回期日では、先行訴訟の原告弁護団から基本合意文書について意見表明があった。8月13日には、IR事業者からの要請により、大阪府市は基本協定の解除期限を延長する「覚書」を締結。この件に関する情報公開請求により、本訴訟にとっても重要な文書を入手した。これについては明日レポートしたい。17日に第1回IR住民説明会が開催されたが、「双方向の対話の場」とほど遠く、参加者から怒りの声が上がった。大阪IR推進局の姿勢が問われている。

 今のところ、IRカジノ事業者による開業「最終判断」は、9月になりそうである。次回9月29日の第6回期日までに、夢洲IRカジノ誘致を左右する動きが予想される。

(2023年8月28日)


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