吾輩は、猫である。
もちろん名前はある。だが、ここでは省略しよう。
出生について言えば、母の野良猫だったそうだ。人間に保護された時には、吾輩と兄妹がお腹にいた様でみんなまとめて”保護ねこ”になった。
その後、皆バラバラの家庭で”家ねこ”となり吾輩の行先は糸見家である。
この家に来てから、もう10年以上になる。ここでは誕生日というものがあり、お祝いになるのだが今日は違った。
動物病院に連れて行かれ、先程帰宅。ご褒美は・・・
「にゃー(なんだ、こりゃ)」
「食べる?」 「ふっ(いらん)」
「ダメみたい・・・」長女のかずはである。
「じゃ、これは?」「んっにゃ~(ママさん、それそれ)」
「やっぱ、それか・・・。病院から高齢ねこ用と腎臓ケアのフード貰ってきたけど、レンくん食べるかね?」
「おじいちゃんになったもんね。ごはん気をつけなきゃ」
その後、やけにいろいろなカリカリが出てくるお祝いになった。
「長生きしてね。レンくん」と、口々に言う。
そして、もふられる。
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