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#読書の秋2021 金融庁戦記

新聞広告で気になったので読んでみて面白かった本、「金融庁戦記」。この主人公の佐々木さんは私の上司でもあったので興味深く読み進めた。

「ジローラモ」まさに、初対面の印象はそのとおりでした。7号館のエレベータで一緒になったのが最初の出会いで、つい目が行ってしまう派手なシャツ。「おはようございます。」とあいさつすると「おはようございます。」と明るく返してくれて印象に残っています。偉い人だと知ったのは少し経ってから。

そんな海外生活の長い、異色な金融庁幹部だった佐々木さんが出会ったいろいろな事件について書かれています。クレディスイス、オリンパス、東芝、レセプト債、ライブドア。。。華やかな事件的な案件に多くかかわっていたことや、上司からどういうふうに思われていたか、部下からどういうふうに見えていたか、などが詳しく描写されていて、一緒に働いたことにある人間にとっても新しい発見があって面白く、あっという間に読んでしまいました。厳しい面もありましたが、監査とか保険の統合リスクについても鍛えて頂きました。

私自身は外資系金融機関を転々とした後、10年超金融庁に勤務していて、ドメスティックで面倒くさいな、と思うこともあれば、やっぱり金融検査のやりがいや手ごたえのようなものも確かに感じていましたが、金融庁は役所のベンチャー、というのはなんとなくわかる気がしました。

大蔵省から財務省と金融庁になったのは決定的な事件が大きな要因でした。そのことも懐かしく思い出しました。

仮想通貨にかかわる前に出てしまったのですが、暗号資産の業界は今も軽いノリというか、管理態勢を軽視しているとみられてしまう面もまだまだあるのだろうな、と思うこともあります。

そして、毎回検査後に反省していたことを思い出し、もっと色々出来たなと思いながら読み進めました。

一世代前の目黒主任とは全く違うキャラの佐々木さん、役所で半年に一回ある研修のコマも持っていらして、すごく引き付けられるセミナーだったのは努力をされていたんだな、としみじみ感じました。

個人的な感想ですが、ドラマ化してもおもしろいと思います。

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