どういうわけだか清々しい
車の中は私の仮眠場所と化している。
「ドン」 と音が鳴ったのを聞いたのは 車のシートに顔がぶつかってしまったのと同じくらいの出来事。
目を覚ましたのはその時。
旦那さんの車が急停車したのだ。
あの音は車内の荷物が落っこちてしまったのか…と思ったが、ハテナ❓な感じが残っていた。
事故にならずよかったと。
しばらく車が走って 左の車線についた車から、若い運転手が窓を開けてこちらに何かを言っている。
旦那さんは反対側の助手席側の窓を下ろして声を聞くと、
「車があたりませんでしたか!」
そう、あの音。
後で車が当たった音だったんだ。
そうとは気づかず 私たちはスーパーへ向かう予定を全うするところ。
事故となれば面倒な時間を費やさなくてはならない…と。
若い運転手はスーパーの駐車場に私たちを追いかけるように入ってきた。
スーパー駐車後に旦那さんが車の後を確認してみるが、どうやら多少当たっているようだ。
若い運転手の車も停車し、そこからあと3人降りてきた。
虎柄 と ゼブラ柄の洋服が目を引いた。
外見ではわからないが、事なきを願う。
「お怪我はないですか?」
丁寧なことばに「大丈夫です」と答えた。
警察官もすぐに駆けつけて、事情聴取。
「お怪我はないですか?」
こちらでも聞かれた。
名前や連絡先の交換、保険会社への対応は速やかに終了していった。
旦那さんと若い運転手は言葉を交わす。
「この辺りにお住まいですか?」
「時間をとらせてわるいね。」
私たちから見れば 息子ほどの年齢ではないだろうか。
車が当たったとも気付かずにいた私たちをわざわざ追いかけてきて きちんと対応しようとするなんて。
当て逃げされても 事故に気づくのはいつになっていたかもわからない。
事故処理に約1時間ほど。
やっと帰れる事になった。
帰り際、私は車の窓を下ろして
「お世話になりました。すみませんでした。」
と挨拶したのは 警察官と 一応加害者である若い人。
挨拶の言葉内容がどうだろうか…とおもったが。
しかし清々しい。
事故が起きたら、
過ちを認めて、声を掛けて、相手への配慮を忘れず。
然るべき連絡先に連絡をして。
今後の連絡を予定して。
スムーズな事の運びに嫌な気持ちが無い。
車さん、当たって痛かったでしょう。
後日修理に向かいます。
私の安眠場所は安全であって欲しいのであります!
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