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夢から覚める

小さな頃によく知らない男の人から追いかけられて階段を必死で走って降りて逃げる夢を見た。
この夢が大嫌いだった。
慌てて逃げて階段から落ちて、体がバタンと動くように目が覚める。
「夢かぁ。。。」
ホッとしている自分がいた。
夢から覚める方法はただひとつ…
目覚めること。
目覚めるには・・・目を開けること!!
追いかけられたら目を開けるんだ!!と子供の私はそう決めて眠りにつくようにした。
最初は目を開けたくてもすぐに目を開けることが出来なかった。
段々とコツが掴めて来て、追いかけられそうになったら、目を開けられるようになった。
怖い夢を見たらすぐに目を開けて夢から覚める!!
眠る時にいつもこんなことを考えて眠りにつくなんて、よっぽど恐怖だったのだろう。

眠れなくなって、やけにすごく寂しい気持ちになったのを覚えている。
小さいながらにも寂しい気持ちを味わって、眠れなくて色々考えたり、大人になったらこうなりたい!!って夢も抱きながら、幼い私はその時を一所懸命に生きていたのだろうと思う。

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