第0011撃「メタ氏、番長を自称する!!」の巻

1989年の7月。
芝嶋中学(仮名)の各教室内を、
冷房が本格的に稼動していました。
南側の淀川に面した窓から射す直射日光から、
閉め切った純白のカーテンがある程度防いでいましたが、
眩しく照らされたカーテンは熱波を放射していました。

何かを発表するためか説明するために、
小生は一人教壇に立たされていました。
クラスの誰かが突然、
「夢野って小学校のときアダ名なんやってん?」と訊いてきました。
小生は皆と違って地元の小学校の出身ではなかったため、
クラスじゅうの関心の的のようです。

アダ名があったことなどありません。
これまで名字以外で呼ばれたことはありませんでした。
小生は小学6年の頃に肥満していたことから、
同級生から二、三度、
「番長」と言われたことのあるのを思い出しました。
そこで「番長と呼ばれてたで」と答えたところ、
皆が一斉に吹き出しました。
小生ほど哀れな男はいないに違いない。
あろうことか、
聴衆からの嘲笑を浴びているのにも関わらず、
"ウケた! 俺は人気がある!"と、
勘違いしていることにも気がつかず酔っていたのでした。

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