淡々と、はなし

朝起きたら、というより起きかけの頃
雨音がきこえていて
そうだ、
昨日みた天気予報のとおりだと思った
雨予報がつづいていて、
今日から梅雨入りなの？といった感じ


起きる２時間前からしつこくかけてるめざまし
今日は、しっかり起きられた
二度寝もしなかった


久しぶりに
りんごジャムのトーストが食べたくなって、
ジャムを気持ち多めに塗って食べた


どうして、
最近最寄り駅まで歩けてないなと思って
今日は歩いた
どうして、こんな雨の日に
雨の日こそバスに乗ればよかった
と、雨水を含んでおもりみたく重たくなった
二つ折りしたズボンの裾をみながら思った


電車にのる
濡れたミモザ柄の傘が
周りの人にあたらないように
できるだけからだをちぢこめる
本を取り出した
音楽が聴きたかった
本を読むときは音楽を聴かなくなっていたけど
今日は、
本も読みたかったし、音楽も聴きたかった
坂本龍一さんと大貫妙子さんのUTAU
を聴く
すてきだ、耳がすてきになっていく


短編集、最初からひきこまれた
毎話、さいごには鳥肌がたった
弱冷車より、冷えた
こわいというか、はっとしたり
こんな発想がうまれてくることに
うらやましいとかくやしいとか
わたしと比べられるような人ではないというのに、そんな思いにあふれた
最終的には、すきだ
になっていた
わたしは、つめたいよるに
を読み進める


片手でページをめくり、めくる

好きじゃない、
きゅうきゅうの電車で立っている時間を
本の世界に入っていたおかげで忘れられた


電車の到着が約5分遅れたことを、お詫び申し上げます


なんだか、どうでもよかった
もしかしたら、乗り換えの電車に間に合わないかもしれないのに
大丈夫な気がした


乗り換えの電車も、遅れてやってきた
少し、ほっとした
本当は、どうでもよくなかったのか
と、ここで気づいた


いつも通りの学校がはじまる

今日も
昼前におなかが鳴ってはずかしくなったりね、
するんだろう
今日も
まったく関係のないことをね、
授業中に考えるんだろう
今日も
しずかでやさしい、
図書館に行くんだろう


こうであってほしい、そのままで
特に目立たない、ゆったりとした毎日
傷付きや、その原因となるものからは、
できるだけ離れた、此処でいい

梅雨の水玉を、
ぽっぷと思えるように
スキップしたい気持ちを
隠さないでいられるように