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僕にとっての服とは、身体の一部。だから自然と自己表現になっている。


お気に入りの服に身を包まれているのはなんとも幸せな心持ちになる。
それが勝負服だと、今度は怖いものなどなくなるほど気分はすっかり高揚している。

服の持つパワーは確かに絶大だ。
これこそ私が服を大好きな理由だ。

30代までは高級ブランドを漁ったけれど…今は基本ミニマリスト的思考へと変化している。

大好きなものの寿命


モノとは高い安いに関わらず、必ず飽きる時がやってくる。
さいきん痛切にこのことを感じる。
「モノ(物質)から得られる幸福感」には限界があることの証明なのだろう。

大好きなものの一端を披露してみる。
•エンジェルの羽に一目惚れしたグリーン色のTシャツ
•ワインカラーのボールハット
•全然ユニクロらしくないカラフルなバルキーセーター
•背中のイラストがちょっとエッチなMA1ジャケット
•2年かけて探したクラシックなオリエント時計

どれも全く流行に左右されないこともあって、気が付いたら5〜10年以上使い続けてる、大事に着てるからちっとも傷んでない


大好きな服というのは、身体の一部のような家族のような存在。
未だに身につけると、値段に関係なく気分が上がる。

雑誌受け売りの「うんちく」ではなく、自分だけのストーリーのあるものなら、一層楽しい。
そう、懐かしい曲を聴いて初恋の風景が蘇るように、服にも自分に寄り添う歴史があるものだ。


服への目覚めは小学生

多分本格的に目覚めたのは、小学生高学年のモスグリーンのウールのショートコート、まったくのノンブランド。
少年マガジンで「明日のジョー」がいつも来ていたやつとソックリなものを恵比寿の商店街「恵比寿マーケット」のちっちゃなお店で見つけた。壁面が天井近くまでびっしり服で覆われてるなんでもない、“街の洋品店“だ。
小遣いが少ないときなので、母にねだり倒して買ってもらった記憶がある。
未だにあれ以上のお気に入りはなかなか思いつかない。
着ることによって高揚感を得られる最初の服だった。
自分が憧れのヒーローに少しでも近づいた気分だったのだろう。
そしてこれが、私が“服に目覚めた“たぶん第一号だと思う。

もちろん毎日着倒した。
あんなガキなのに、好きなものそうでないものに対する意思がはっきりしていたのは今思うと不思議だ。
どこまでも深いジャガーEタイプを彷彿させるグリーンと、確かな厚みを感じさせる少しベルベットっぽい感触。
ジョーを気取って襟を立て、ポケットに手を入れて歩く時、世界で一番かっこいいと疑わなかった。


その後の人生でも、街をあるくと、そして雑誌を広げるといつでも真っ先に服に目がいってしまう。
無意識に…評価、判断してる。
考えてみたら服とはなんとも不思議な存在である。

おそらく生涯普遍のお気に入りブランドはエトロとポールスミス。
ブランドの指向するラインが時代ごとに多少変わっても、いつだって自分を裏切らない。
このショップを覗くときは、今でも襟を正したコーディネートで臨む。
きっちり商品と対話したいし、礼儀だとも思うので。

ちなみに今気になってしょうがない最新ブランドは、BODE。ちょっと高すぎて手が出ないのが悔しい。服が大好きでも、予算の優先順位は冷静に判断できている。

なぜか自分の感性には絶対的な自信を持ってしまっている。

媒体はデータ、トレンド情報として参考にする程度で、コーディネートを参考にすることは、まずない。

だからどのファッション雑誌を見ても本当のこと言うと、正直少しつまらない。びっくりしたり感動するようなコーデに出会ったことはほとんどない。


ファッション業界の裏事情

長年雑誌でとりあげられるトレンドを眺めてきて、しみじみ感じるのは、ファッション業界の裏事情。

流行のほとんどが過去の焼き直しに過ぎない。これは人気デザイナー自身が、普通に告白している。

そしてメーカーの売るための仕掛け、媒体を利用してのトレンド作りに煽られて大きな波が動いていく。
これらの繰り返しには少し虚しさのようなものを感じる。

本物のデザイナーとは

そんな作為的な業界の動きとは無縁な、本当の独創性を追求した本物のデザイナーと呼べるのは彼らだろう。

 ●シャネルが服というものの概念を根底からくつがえした女性服革命!
 ●世界を席巻したミニスカートのマリー•クワント

共に服というモノに対する意識革命をもたらした。

山本耀司、川久保玲のブラック革命(黒の衝撃)
●三宅一生(プリーズ•プリーツ)

従来は身体の線を生かしたデザイン構築が基本であった。
彼らはそんなデザインの概念をひっくり返すようなユニーク性で街の風景を一変させた。

その後久しく新たな巨人の登場を見ていない。
だから、次のうねりが起きるのを楽しみに、街行く人々を眺めている。



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