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9513 電源開発 決算分析

10/31に発表された証券コード9513 電源開発の2Qの決算分析を行いましたので分析内容について記載していきます。

1.事業内容

業種:電気・ガス
石炭火力と水力発電で発電した電力を電力各社などに販売。

2.2Q業績内容

株探より通期予想と四半期推移を確認していきます。
〇通期予想
 
2Qで上方修正発表。配当の増配なし。
 売上・利益は過去最高で
 前年比大幅成長している。
 大幅成長で今期は好調だが市場からは
 低perであるため評価されていない。

株探_今期の業績予想

〇四半期業績
 
・進捗率
  売上47%   
  営業利益53%
  経常利益56%   
  純利益54%
 7~9月(2Q)と1月~3月(4Q)は電気使用量が
 増えるので季節性はある。
 火力発電の燃料である石炭価格に
 大きく影響を受ける。
 現状の進捗率と石炭価格を見ると通期予想は
 達成できて上振れ着地の可能性あり。

株探_四半期業績の推移

3.決算内容

販売している発電のメインは
石炭火力発電(64%)となる。
資源(石炭)価格上昇に伴う販売価格の増加で
大幅な増収増益。

決算説明資料_販売電力量
石炭価格の推移(日本はオーストラリアから輸入)

電気事業(日本)が売上全体の77%を
占めているためメインセグメントであり
電気事業が今期大幅に伸びている(約2倍)。

決算説明資料_売上高の内訳

電気事業とは他社への販売電力料となる。
資源価格高騰で燃料費が増えても
売価へ価格転嫁できるビジネスモデルであるため
売上も上昇している。

※電力会社(旧一般電気事業者)は
 一般家庭に販売しており
 一般家庭への価格は政府が
 値上げ規制しているため
 簡単に価格転嫁できない仕組みのため
 赤字となっている。
 電力会社と電源開発は電力を販売しているが
 異なるビジネスモデル。

決算説明資料_電力販売の流れ

〇懸念点
政府が原子力発電所の再稼働・建設を
 推進するニュースが出てきているが
 これにより電力会社が発電する電力量が
 増えると電源開発から購入する電力が
 減るため減収要因となる。
 
②最も二酸化炭素を排出する発電である
 石炭火力発電がメインであるため
 火力発電廃止の流れなので長期的に
 見るとどんどん事業縮小傾向。
 →再生可能エネルギー開発プロジェクトを
  進めているので対策をしているが
  まだまだ発電量は少ない。

〇低perである理由
 低perである理由は今期の業績は
 一過性の特需と
 見なされているためである。
 また海運やINPEXのように特需の利益を
 大幅な増配や自社株買いへ還元しておらず
 今までの会社の株主還元を見てると
 今回も株主還元する気配がないため
 割安のままになっている。
 
〇現在の株価が割安か確認
 今回の特需がもとに戻った場合
 現在は割安なのかどうか確認する。
 過去の平均perは9.2であり
 業績は資源価格がもとに戻ったとしたら
 EPSは242円(2019年と2020年のEPS平均)
 程度になると現在株価2118円(記事作成時)の
 場合perは8.7となる。
 過去の平均perと比較すると現在の株価は
 割安でもなく割高でもない。

4.最後に

電源開発の決算評価
今後の期待★★☆☆☆

追加の株主還元の実施や資源高が
続くようであれば
株価の見直しがされて上昇する可能性はある。

以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます!

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