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夢見る心を構成した5つの漫画

この世に生を受けてから現在まで、数多の漫画に触れてきた。夢見る頃を過ぎても夢見がちなわたしの心の主成分は、次の5つの漫画で出来ている。

○美少女戦士セーラームーン(武内直子 著)

わたしの最古の記憶は2歳。弟が生まれた瞬間だ。
それに次ぐ最古の記憶はアニメのセーラームーンを初めて見た時だと思う。
中学生のお姉さんが黒猫の力を借りて、強く美しい戦士に変身! そして闘う姿から、目が離せなかった。

天体や宝石やメイク道具といった少女の憧れが散りばめられ、パステル調の色味で描かれている。登場人物の私服は毎回違っていて、しかもかわいい。そりゃあ、日本中の少女達が夢中になるわけだ。

主人公のうさぎには秀でた才能はないけれど、持って生まれた「愛され力」がある。この「愛され力」があるから、才能に溢れた仲間達もうさぎの守護者として命を懸ける。そんな仲間達と共に成長してゆき、ゆくゆくは前世でも恋人だった衛と結ばれる。
強さや美しさだけではなく、友情も愛も手に入れているセーラームーンにはやっぱり今でも憧れる。

わたしはもうアラサーだけど、今でもミラクルなロマンスを信じている。
わたしのプリンスエンディミオンは今どこで何をしているのだろう?

○ベイビィ★LOVE(椎名あゆみ 著)

「16歳になったら、瀬戸修平の心をわたしにください」
当時小学生だったわたしは、作中のこのワンフレーズに心を奪われた。なんと、このワンフレーズを心で唱えているのは、小学六年生の女の子。この物語の主人公である、有栖川せあらだ。

わたしとそう年齢の変わらない女の子がこんなこと言うんだ、と衝撃的だった。しかも、5歳年上の修平に近づく為に大嫌いな牛乳を沢山飲み、身長を160cm以上に伸ばした。(当時は高身長の小学生あまり居なかったと思う)

情熱的でまっすぐでひたむきなこのワンフレーズのごとく、せあらはとにかく一途に一途に修平を思う。修平に好きな女子が居ようが自分を好きになってくれる男子が居ようが、終始一貫して「修ちゃん大好き」。当時のわたしは、この潔さと強さに圧倒されていた。

また、せあらは小六にしてかなり腹黒く、行動力がある。自分の父が修平の父の上司であることを利用し、瀬戸家に同居人として転がり込む。その上、中学校の女子の制服をゲットして愛しの修平が通う中学の校内に潜入する。
ありとあらゆる手段を使い、修平に近づいたり修平の情報をゲットしたりするのだ。当時のわたしはこの積極性にも圧倒されていた。

わたしは恋愛面において、どうもせあらに似ているらしい。好きになったらもうその人しか見えないし、その人と結ばれる為には手段を選ばない。

○銀魂(空知英秋 著)

高校から大学にかけて友人にはオタク気質の子が多く、銀魂の話は耳にしていた。だけど、興味を持たずひたすらに三國無双というゲームに没頭していた。なのに、大学の寮で初めて銀魂を見た日、銀魂沼に落ちてしまった。直後、漫画のコミックスを買いに走ったのは言うまでもないだろう。

わたしの心は乙女だ。ペガサスに触れるくらい心はひたすらに乙女だ。だから、下ネタは苦手である。そんなわたしが下ネタの多い銀魂沼から足が出せなくなったのは、銀魂が魅力的な作品だからだ。

わたしには二次元の旦那が二人いるが、そのうちの一人は銀魂の主人公である坂田銀時だ。銀さんは常に金欠だし、だらしない。だけど、困っている人は放っておけない優しさがある。そして、死亡フラグをへし折るくらいに腕っぷしが強い。銀さんの優しさと強さを見る度にわたしはさっちゃんこと猿飛あやめのごとく、朱に染まった顔で銀さんを見つめるのだ。

銀さんは屈強な男だ。そのくせ、不意に見せる横顔は寂し気で。気づいたら消えてしまいそうなくらいに儚い。そんな彼の闇の部分が垣間見えるとわたしの中で眠っている母性本能が疼き、「愛おしい」と思ってしまう。

わたしはもういい年なのに、異性への理想が高い。それはきっと銀さんのせいでもあると思う。憧れも愛おしみも満たしてくれる殿方なんて、はたしてこの世に存在するのだろうか。

○満月をさがして(種村有菜 著)

種村先生の描くイラストが好き。華やかで幻想的でロリータの要素もあって。デビュー作から桜姫華伝まで読んだ中でもっとも印象的なのは「満月をさがして」。
リアルタイムでは触れておらず、漫画の連載もアニメの放映も終わった時にコミックスを購入した。(大学生の時だったかな)

満月ちゃんは歌手に憧れているものの喉の病気を患っており、夢を叶えることができない。それどころか、死神に「余命一年」を宣告されてしまう。だけど、何故か死神に力を借りて16歳のフルムーンとして歌手デビューをする。という、シリアスでありながら夢もある作品。

この満月ちゃんもね、一途なの。歌手になりたいって夢に対してもそうだし、初恋の英知くんに対しても一途。病弱で薄幸な美少女だからさ、健気にしか見えないわけ。ついつい応援したくなっちゃう。

わたしも常に夢に一生懸命でありたいし、好きな人には一途でありたい。そう気づかせてくれる作品。

○うる星やつら(高橋留美子 著)

大学生のわたしは暇だった。そこで見始めたのが「うる星やつら」のアニメだった。原作の漫画もコンビニコミックを買って読んでいた。
大勢の登場人物がいながら誰しも個性的で魅力的だ。コメディだから気軽に見れるし、何気なくぼんやりと見ていた。

あたるに浮気されたら泣き落としじゃなく稲妻でお仕置き。そんな一途で強いラムちゃんが当初は好きだった。だけど、弟に「蘭ちゃんの方が似てるよ」と言われて以来、蘭ちゃんが気になって仕方ない。

蘭ちゃんはフリフリした服装が好きでお料理上手な砂糖菓子みたいな女子。しかも、恋しているレイに一途。レイと会う度に手料理を振舞う健気な姿も見せている。でも、うる星やつらの人物はそのタイトルのごとく、一癖も二癖もあり蘭ちゃんも例外ではない。

蘭ちゃんはラムちゃんを恨んでいる。蘭ちゃんがレイを好きなのを知っていながらレイの婚約者になった。その挙句、婚約破棄した直後に別の男の押しかけ女房になっている。そりゃあ腸が煮えくり返るくらい頭に来るだろう。蘭ちゃんは普段ぶりっ子しているのに、時折どすの効いた声でその怨恨を前面に出す。その姿が愉快で、今は作中で一番好きな人物だ。

わたしは女子っぽい服装が好きだし、お菓子作り好きそうと言われたことがある。また、好きな殿方が他の女性と仲良くしていれば激しく嫉妬する。
弟の言う通り、私は「うる星やつら」の中では蘭ちゃんに似ているのかもしれない。

○総括

わたしは幼少の頃から今でも夢や恋に一生懸命な人物に注目している。
アラサーにもなって夢見がちなのは、きっと彼らの紡ぐ物語を見てきたからだ。

わたしは今でも美少女戦士に有栖川せあらに神山満月に蘭ちゃんに憧れているし、坂田銀時のような殿方をさがしている。

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