【ツイステ考察】七つの寮と「七つの社会的罪」 ~ツイステの世界観はイギリス国教会に基づいている?~

ツイステの考察が面白くて止まらない。
ついTwitterでのハッシュタグを延々と追ってしまう。

個人的にもいろいろなことを考えたり疑ったりしている最中ではあるが、そのなかで今回は七つの寮と「七つの社会的罪」の関係性について考察していきたい。

七つの寮と「七つの社会的罪」

Twitterでも話題になっているが、おそらく七つの寮は「七つの社会的罪」になぞらえている。
※七つの大罪という意見もあるが、七つの社会的罪の方がより近いだろう。

Wikipediaいわく、七つの社会的罪とはインドのマハトマ・ガンディーが1925年に雑誌『ヤング・インディア』にて発表したもので、以下の7つだ。

理念なき政治
労働なき富
良心なき快楽
人格なき学識
道徳なき商業
人間性なき科学
献身なき信仰

見ただけで各寮長の顔が思い浮かぶほどの、完璧なまでの一致ぶり。

だが一方で、インドとツイステの世界観があまり一致していないことに違和感を覚えていた。
ツイステは全体的に、もうちょっとヨーロッパ的な感じがしていたのだ。

その違和感は正しかった。
「七つの社会的罪」についてよくよく調べてみると、ガンジーが雑誌に掲載する約半年前に、フレデリック・ルイス・ドナルドソンというイギリス国教会の司祭がウェストミンスター寺院でほぼ同じ内容を説いていたという。
例えるならば、ガンジーの方が発信力がありすぎて、あとからツイートしたのにバンバンRT数を稼いじゃった結果元ネタとして認定されてしまった……というようなイメージだろう。
実際にガンジーがこのリストの創始者であったというのは、よくある誤解らしい。

原案担当の枢やなさんは、『黒執事』然り、イギリスの文化は熟知している。
ありがちな誤解に騙されず、真の創始者であるイギリス国教会の司祭の「七つの社会的罪」を意識した可能性が高い。

↓こちらのブログ記事を参考にしました!

グリムの元ネタはチャーチ・グリムか

ツイステのキャラクターは、「不思議の国のアリス」「ライオンキング」他ディズニーに登場するキャラクターを分かりやすくモデルとしている。
そのなかで肝心のグリムは、いまいち元ネタがはっきりしていない。

だがもしツイステの世界観がディズニーのみならずイギリスに基づいているのであれば、グリムの元ネタはチャーチ・グリムだろう。

チャーチ・グリムも、イギリスの伝承である。
教会の墓地を墓荒らしや悪魔などから守ってくれる「墓地の番犬」であり、死者の魂が天国に行くか地獄に行くかを、教会の塔の窓から牧師に告げるという。
さらには新しい墓地を作る際に、黒い犬を生き埋めにする習慣もあったらしい。

↓英語版のWikipediaが詳しいです。頑張って読んだ。

ツイステのプロローグは、主人公の棺の扉をグリムが炎で燃やしてしまうところから始まる。
番犬であるはずのグリムが、私欲のために主人公の魂を解き放たってしまったがゆえに、このツイステットワンダーランドという“歪んだ世界”で主人公の魂がさまよっているのかもしれない。

ちなみに「魂」というのも、ツイステではキーワードになっている。
もうちょっと調べる必要がありそうなので、この続きはまた次回。

↓「魂」について語りました(7/26追記)

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余談。
マハトマ・ガンディーの孫であるアラン・ガンディーは、8番目の罪として

責任なき権利

を挙げたという。
イギリスから話が逸れた憶測にはなってしまうが、ツイステットワンダーランドの外から来た存在である主人公と、その主人公が住むオンボロ寮に、何となく重なる。


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